I Ro Ha〜いろは47音恋煩い〜[ただいま27P] 色は匂えど散りぬるを い|オサムと謙也 ろ|柳と真田 傍から見たらモロバレだよな にいさんじゃなくて、さ ほ|真田と千石 変な所で勘が働くよな 遠くに行っても、捕まえて 小さな頃からあなただけを り|柳生と仁王 ぬ|仁王と幸村 る|桑原と真田 を|蓮二f/真田と千石 我が世誰そ常ならむ 私をちゃんと見てんのか からかう癖がついていて 宵闇に乗じて抱きついちゃったり たくさん、すきって言ったわ れ|小春と財前 そんな事言ったってさぁ! つくづく自分に呆れる 捻曲げないで な|柳と切原 拉致ってもいいですか? 武者震いする告白前夜 有為の奥山今日越えて う|白石と千石 ゐ|柳生と仁王 の|銀と千歳 おっさんに恋した く|銀と千歳w/白石 やりたい事は今やっとけ ま|桃城と侑士 け|幸村f/真田と柳生 ふ|仁王と真田 こ|木手と芥川f/樺地 え|幸村f/柳と切原 徹底的に隠してやる 浅き夢みじ酔ひもせず あ|真田f/蓮二 さ|柳w/切原 New 嫌ってもいいんだ。だけど ゆ|銀と千歳 め|真田と柳生 み|謙也w/銀と千歳 しっかし懲りないもんだねぇ 縁は繋いでこその縁だ ひ|真田と木手 も|柳と切原 せ|橘と千歳w/猫 す|柳と切原 【0】thanks to ![]() | 「おーい! 銀!!」 隣と同じ色をした、いくつも並ぶいかにも薄っぺらい扉をバンバンと鳴らすと。少し間を置いてから、 「……なんや、ケンヤか?」 「おぅ、居ったな!」 普段は片腕だけが見える隙間から、今日に限って入り口からはみ出すように坊主頭の半身がずいっと覗く。 「この時間寮は、もう立ち入り禁止やが」 「まーまー、カタイこと言うなや」 オバちゃんに投げチュー食らわしたったから余裕や──。そう言って笑う時間外の乱入者は、ぐいとノブを引っ張りながら立ち塞がっていた部屋の主を押し込んだ。 「おいおい暑っ! 何で窓開いてんねん!」 「む……、いや、」 「クーラー故障してんのか?!」 再び『いや』と返ってきた言葉にも『妙なやっちゃ』と被せただけで、答えは待たなかった。彼の行動は普段から人より一歩も二歩も早く、それが持ち味となっていた。そのため立ち止まりくよくよすることはないが、同時に深くも考えない。 「ほな何でや、って」 「あ、」 「何寝とんじゃ千歳ェ!」 「……ぐえっ」 その勢いのままで進んだこの部屋の特等席──、と彼が独りでに思っている場所に、今宵は残念ながら先客が居た。これは、面白くない。 「うー、ん。……ん、謙也?」 誰かに背中を攻撃されたことよりも自分の重い瞼まぶたの方が強敵だ、と主張するかのような顔付きをした彼らの部活仲間は、元々良くなかった侵入者の機嫌を更に損ねる原因になってしまったようだった。 「そこ俺のポジやぞ!」 「知っかーそぎゃんこつ……、てて」 「ケンヤ、謝りや」 確かに当の原因の方は、自分が人の気に障ったことなどたいして意に介していないように見えた。だがご立腹な忍足謙也の、深慮をしない行動は今回良くない方向に働いて、 「八つ当たりも大概にせんね」 「……何やと?」 その不機嫌が、本来寝起きの悪くないはずの千歳千里にも飛び火してしまったのだ。 「千歳もやめぇや」 「はいはい、」 彼らは、まだ互いをよく知らない。少なくとも、謙也の方はそう思っていた。なのに己の気分や心境を、まさに愚痴を聞いてもらおうとしていた親しい友を差し置いて、言い当てられたのも更に面白くなかった。 「邪魔モンは退散すっけん」 「おお、そうせえや」 きっとこの後、件の親友殿である石田銀からこってり怒られるだろうことを、にわかにひらめく。それでも、ここまできてしまうとつむじを下げるわけにいかない性分でもあった。 「また来るばい、銀さん」 「すまんな」 だからこの部屋の窓が何故開いていて、千歳が何故、この部屋で寝ていたのか。そして二人のやり取りに含まれた意味も、それどころではないため気付いていないのだ。パタンと音がするのと同時に、彼は奪い取ったダブルベッドへ自分の全てを投げるように倒れ込んだ。 人が寝ていた直後のシーツは、夏なこともありやけに温かく、湿っぽく感じた。 「あーあ、俺も寮入ろかな」 「ケンヤ」 「わかっとる……、明日謝るから」 end 忍足謙也は気付かない みしらぬあのひと |
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