ミセツケ。
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相なまえちゃん。相なまえちゃん。ってさ。
アナタの中で僕はずっと子どもって事ね。そりゃそうか。15も歳の差あるし、まして僕はアナタの親友の弟ってだけだし。
家に遊びに来てはよく喋るのに余計な事は言わないし聞かないね。イヤではないけど…物分りがいいの?それとも興味がない?困るの、興味がないのは。
なぜ困るって?――――― それはこれから教えてあげる。
・・・・・・
――――クソっ!!ポーカーフェイスを装いながらあの人の顔が浮かんでくる。
『えーあの人僕の姉貴と同じ年だよ、なんで?』
「だってすごく優しくて、面白くて、話しやすかった」
『ふーん…けどあの人誰にでもあんな感じだよ』
(その誰にでも。が癇に障ることがよくあるぐらいだし)
『もしかして…ヤリタイだけ、とか言わないよね?』
「…そりゃ…半分ぐらいは…」
『それ僕に言ったらいけんやつ…』
複雑にも程度がある、ましてこいつも僕の親友。あの人に
“なんか好かれたみたいよ”教えたらきっと喜ぶだろう深く考えずに。
『きゃあ〜〜それって私、モテキ到来かもー』
……ほらね?この人、図に乗るでしょ?
けどたった一人じゃん!て僕もそうだけど。正直言わなくても良かったけど、若い男から好意を持たれてるって知ったらどんな態度を見せるのか見たかった、想像通りで笑える。
じゃあさ、
これがもし僕だったら?
姉貴と盛り上がっているこの人どうするだろう。
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