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  朝ごはんと相談です














「さて、皆さんにご報告がございます。」


ぺしぺしと岩融さんのお椀に大盛りの白米をおかわりとして盛りながら皆さんに声を掛けた。
隣にはとても凄い勢いで虎まんまを食べる虎さんと、私たちと同じご飯プラスお揚げの煮物を食べるこんのすけさん。はぐー!!と言いながら美味しそうに食べる様はとても可愛らしい。撫でておいた。

声を掛ければ、ばっと一斉に振り向いてくれる。


「本当にご迷惑をお掛け致しましたが、お陰様でわたしも起き上がり元気になりました。
それに伴いまして、中傷の方を中心に個人面談をしてこようと思います。その間皆さんには出来れば内番をお願いしたいのですが…あ、無理そうなら大丈夫です。わたしがちょちょいっとやってきます。

どなたから向かえばいいか、アドバイスがあればご教授頂けますと嬉しいです。」


ここにいる皆さん元気にご飯を食べてくれるようになったし、ある程度仲の良い方々が付いている。

ただ、まだこの本丸には解決出来ていない問題が山積みだ。早急に手入れが必要ならさせて頂きたいし、何か望みがあるのなら聞いておきたい。
はいお召し上がりくださーい、と岩融さんにお椀を手渡せば、岩融さんは怪訝な顔で白米をガツガツと食べ始める。…そんな険しい顔で食べなくても。

「うぅ〜ん…契約した今、主が危険な場所に赴くと知っていてそれをみすみすと逃すわけにもいかんのだがなぁ…」
「でもいわとおし、ぼくらみたいにみんな、あるじさまのすばらしさにきがつけば、きっとわらえるひがくるとおもいますっ!」
「…そう簡単にいけばいいのだが…」

「大将がいくら清い霊気を持っていたとしてもなぁ。」
「反対です。弟達が治ったばかりで主の霊力は戻ったばかり。私は反対です!!金平糖を共に作るその日までは!!反対です!!」
「いち兄、どーどーです。」

口々にわたしをやんわりと止める声が上がる。(一期さんだけはやたらとハッキリ反対していたが)心配してくれているのはとても有難い。でも決して行かないと言う選択肢にするつもりはないので、うーん、どうしよう。とニコニコと取り急ぎの苦笑いを作る。


「加州がいいと思うぞ」


そんな私を見かねたのか、わたしおすすめの韃靼蕎麦茶を啜りながらのほほんと三日月宗近さんが口を開いた。


「加州…さんですか。」

「元々前任の近侍を務めていた。酷く愛情に飢えているが、主ならばなんとか出来るかもしれんなぁ。それに、加州を絆されば前任がどうしてこの様な事を仕出かしたのか、よく知れると思うぞ??我等は聞いたことがないからなぁ。役に立たんだろう」

「…ふむ。では、そのようにします。ありがとうございます。三日月宗近さん」

「はっはっは、良い良い。それはそうと主、茶が無くなるぞ?」


加州…加州さん…加州だと…と周りの方々は騒つく。提案した三日月宗近さんはそんなの意に介さず私に湯呑みを差し出してきたので、はいはいと急須からお茶を注いだ。

ふむ、話には聞いていた加州清光さん。広間にも居なかったらしいので、恐らくわたしは見た事すらない方だ。


「因みに、加州さんは何処に?」
「そうさなぁ、恐らく、自室に篭っているだろう。大広間の奥、粟田口の部屋の近くだ。」
「了解致しました。では、皆さんは内番が出来そうならよろしくお願い致します。
ちょっと個人面談をしてきますので、お昼ご飯までには戻れる様努力します。」


しゅるり、と頭の三角巾を取る。
流石に頭に三角巾をつけたままま初めてお会いするのは失礼だと思ったからだ。ぎょっと皆さん目を向く。言いたい事は分かっている。

「お供も護衛も要りません。今回は私1人で伺います。
もし、私がお昼までに帰って来なかったら、その時はよろしくお願いします。」

そのまま立って、深々と一礼した。個人面談なのだ。
そんな契約して下さった刀剣男士をゾロゾロ引き連れて部屋に行くわけにもいかない。

多々、ご飯を食べていた部屋から声が上がるが、もともと今日はそのつもりだった。その為に朝早くから起きてひっそりとまじないをかけて置いたのだ。そしてなんとなぁく反対される事も分かっていた。

こんのすけさんに教わった、結界というもの。数時間しか効力はないし、多分皆さんが本気を出せば五分と保たない。でも、きっと彼等なら結界まで張って1人で行きたいと思っているわたしを止めないだろうと考えての行為だった。
それでも付いてきたいのならしょうがない。

そう思っていたけど、彼等はやはりわたしの気持ちを汲んでくれたらしい。後ろからは声は上がるものの、誰も付いてきていない。

わたしは、歩きながら割烹着を脱ぎ、彼の部屋へと歩みを進めた。






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