快楽地獄2*


・・・


「あっ、やあぁ、だめっ動かしちゃ……ッ、あ、あんっ、ぅあ…、あん…ッ」

 私の膣奥で蠢くモノ。
 体内で震える、くぐもった振動音。
 突き動かされる度に、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を響かせる。

「はぁ……ふ、あ……っ、」
「またイッたのかよ。さすが枕やってただけあるな。ド変態じゃん」
「ふ、ざけ……んな、イって、なんか……っ、」
「へえ、イッてねえんだ。ふーん。じゃあもっと強めてやるよ」
「やめッ、……──っっ!!」

 言葉にならない嬌声が、室内にこだまする。





 手枷で拘束された上に、足枷も嵌められた。
 服もほぼ全部脱がされて、左右に両脚を開かされたまま固定された。
 ブラだけは身に付けたまま、カップの中にローターを仕込まれて。刺激を受け続けている突起は痛いくらいに勃ち上がっている。
 ショーツは邪魔だと剥ぎ取られ、服と共に床に散乱している状態。私の中心にはバイブが埋められていて、膣内をかき回すように永遠と動いていた。

「なあ、吉岡のココ。濡れすぎてバイブすぐ抜けんだけど」

 愛液で滑りやすくなっているのだろう。抑えていなければすぐに抜けてしまいそうになるソレに、秋山の指先が軽く触れた。
 振動が伝わり、ピクンッと腰が小さく跳ねる。

「ッン……も、ぬ、いてぇ……ッ」
「辛い? 抜いてほしい?」
「んっ、く」

 乱れた呼吸のまま頷く。
 涙で滲んだ先に、秋山が優しく微笑んでいる。

「そっか。わかった」

 直後、一気にバイブを根元まで押し込まれた。

「ひゃぁッン……!」

 強烈な刺激が迸り、あられもない悲鳴を上げる。頭の中に火花が散って、ビクビクッと腰が跳ね上がった。
 そのまま、ぐったりと身体が弛緩していく。

「ははっ、おもしれー。吉岡、お前才能あるよ。もう仕事辞めてAV女優に転身すれば?」
「っ、るさい……ッ、アンタこそ、性癖バグってんじゃ、ないの……っ」
「あれ、そんなこと言っていーわけ? お前、自分の置かれてる状況わかってる?」

 嘲笑うように言われ、ぎりっと下唇を噛み締める。そんなの、嫌でもわかってるつもりだ。手足を拘束されたお陰で逃げることも叶わず、ローターとバイブの容赦ない責めを無抵抗で受け続けているんだから。

 何度イッても終わらない快楽漬け。
 もう、時間の把握もできない。
 痛みつけることはしない、私にそう告げた秋山は、確かに痛みを与えることはしていない。でも、休む暇も与えられない快楽責めは暴力と何が違うんだろう。姑息なやり方で営業成績を上げていた私に腹を立てたとはいえ、こんな仕打ちはあんまりだと思うのは間違っているんだろうか。

 あらゆる玩具で身体中を弄ばれて、馬鹿みたいに何度もイかされた。汗だくの身体は既に限界を迎えていて、それでも秋山は容赦がない。拘束具とセットで置いてあった電動マッサージを手に取り、今度は陰核にピタリと押し当ててきた。

「やだっ、やめて……!」
「イクの我慢すんなよ。快楽堕ちしたお前が見たいんだからさ」

 無機質な玩具の表面を滑る秋山の指が、クイッとスイッチを押した。

「───や、あぁああッ!」

 凄まじい快感が全身を駆け巡る。悲鳴じみた嬌声を上げる間も、秋山が手を止めてくれることはなかった。電マを陰核に当てたままバイブも一緒に動かされたら、もう我慢なんてできなかった。

「や、ぁあッ! それやだやめてぇ!」
「あ? 止めて欲しい? やだけど」
「あぁッ、ア、あんっ! や、イッた、もうイッたからぁ! やめ、ああっ!」

 バイブの先端が膣壁を強く押し上げ、ズンズンと奥まで突き上げられて。幾度となく上り詰め、せり上がる絶頂感に抗えずイキ狂う。
 グチュグチュと粘りついた音が聴覚を刺激し、より欲情を昂らせ、溢れる蜜は腿を伝い、シーツをびしょびしょに濡らした。

「吉岡、イッたこと認めたな?」

 勝ち誇ったような微笑を浮かべながら、秋山は私の顔を覗き込んできた。汗と涙で頬を濡らしながら、目の前の男をキッと睨む。

「気持ちよかった?」
「っ、な訳……ッ、気持ちよく、なんかッ、」
「ふーん。まだそんなこと言える余裕あるんだ。その意地、どこまで続くのか試してみるか?」
「も、い……嫌っ、離してよ……ッ」

 息も絶え絶えになりながら首を振る。膣の最奥ではずっと刺激が響いていて、絶頂の余韻に浸る暇もなく、再び下半身に熱が溜まっていく。
 刺激から逃れたくて腰をくねらせても、ずっぷりと埋められたバイブが私の中から抜けることはない。そうして発狂しそうなくらいの快楽に見舞われて───そして曝ぜた。



 もう、やだ。無理。しんじゃう。
 いつまで続くのこんなこと。

mae表紙tugi



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