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花をくれた人が初恋の人
そのハートいただきます
すみっこでにゃんと鳴く
満月の夜に会いましょう
星のない夜に会いにきて

この夜だけは忘れないで
消えない言葉をください
指先で君の名前をなぞる
確かに僕は恋をしていた
冷たいシーツに縋り付く

賑やかな夜へ連れ出して
振り返って、離さないで
ムーンライトで照らして
シュプールを追いかけて
また会えるって信じてる

花の名前を私は知らない
君の声だけが響いている
手のひらに溶けてく微熱
揺れるスカートとあの子
誰かが残した軌跡を辿る

花束を飲み込んだ海の底
伏せた睫毛に涙が揺れる
待ちぼうけのフラミンゴ
夏を呼ぶ君は窓際で笑う
ミルクの涙をひとかけら

それでも夜は明けるから
そして全てが青に染まる
忘れ物ですよ、お嬢さん
不時着したあの恋の行方
明日雨が降ればいいのに

それだけだったってこと
君のぬくもりに帰りたい
柔らかなキスで起こして
ぬるま湯がちょうどいい


12


知らないふりは君の得意技
寝静まった夜に二人の足音
誰かを想って初めて泣いた
貴方は私の名前を知らない

夜が長いのはあなたのせい
ナイトプールに二人落ちて
本当はただ隣にいたいだけ
ラプソディー・インブルー

浮かれた熱に寄り掛かかる
声に出せない願いがあるの
在りし日を思ひて誰が泣く
わがままだとか嫌いだとか

砂浜に打ち上げられた人魚
今度こそさよならを告げた
寂しくなるね、今年の夏は
私は貴方の背中を見ていた

夢の中の貴方は優しかった
熱い夏に君の蜃気楼を見た
友達なんかじゃないのにね
愛の言葉を君から聞きたい

線路の向こう側に春はいた
無敵の呪文を教えてあげる
止まない雨に残された二人
好きな人がいるということ


13


消えないシャンプーの残り香
弱音の泡に押しつぶされそう
不思議とこんなにも愛おしい

波打ち際ではしゃいだあの頃
優しい記憶だけじゃ足りない
僕は確かに君に恋をしていた

優しい怪物は愛を探していた
愛を言い訳にしてはいけない
泣きたいのはこっちのセリフ

泡になってでも伝えたいこと
もしもあの日に戻れるのなら
アラビアンナイトへようこそ


14


遠い国で君の便りを待っている
あわよくばここまま君と二人で
君が優しいから泣きたくなった

星に願うなんて君らしくないね
寂しくなったから会いに来たよ
ずるい大人になれたらいいのに

理由がないと君に会えないから
愛とは呼ぶには足りなさすぎる
希望という光が君を照らしてた

星の導く先できっとまた会える
甘い思い出に浸って今日も眠る
君がそれで笑ってくれるのなら

世界にとってはささやかなこと
君と食べる朝ごはんが美味しい
君がいなくても生きてたわたし

魔法って案外簡単に解けちゃう
すべてを捨ててもいい恋だった



がんばって増殖中