No pain No gain.
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手首を握るバニーの指先に力が込められた。引き寄せられて、バニーの胸元へと倒れ込む。

「おぁっ」

間抜けな声を上げた俺の頭を抱いて、髪を撫でられた。バニーが微笑む。
こいつ、笑ってたらかわいいのにな、なんて思っていたら顔を寄せられ触れるだけのキスをされた。
もう何回、こいつとキスしたんだろうか。

「どうして、拒まないんですか」

責める調子ではなく、穏やかに問い掛けられた。

「……イヤじゃないから?」

そうとしか、答えられない。
俺の狡い答えにもバニーは怒ることはなく、ただ微笑んで俺の額にキスをした。

「……脂っぽいですね」
「うるせ」
「おじさんですし、仕方ないですけど」
「そのおじさんに欲情してるくせに」

つい煽るような言葉を口にしてしまい、しまった、と思った時には時既に遅く。

「そうですよ、だけどそれも、イヤじゃないんでしょう?」

後ろから抱きかかえられるようにバニーの腕が俺の身体へと絡まり、バニーの指先が俺のベストのボタンを外していく。
ネクタイを緩め、シャツのボタンも外される。
俺は無抵抗に、されるままになっていた。
そうだ、こんなふうに人に求められるのはイヤじゃない。
シャツの前がはだけ、その下に着ているランニングシャツを腹の方から胸の辺りまでめくられた。
手の平で胸板を撫でられて、くすぐったさに喉が鳴る。

「くくっ、バニーちゃん、おじさんの胸なんて撫でて楽しい?」
「それなりに。肌がさらさらしていて気持ちがいいですね」

バニーの指先が俺の乳首へと触れた。弧を描くように撫でられて、ごくりと喉が鳴る。

「硬くなってきましたね、舐めてもいいですか?」
「おま、ンなこといちいち聞くなよ」

一気に顔が熱くなって、ごまかそうと目許を腕で覆った。
ソファーに横にされ、眼鏡を外したバニーが俺の上へと覆い被さってくる。
先程の宣言通りに胸元に顔を寄せ舌を伸ばしてきた。
舌先でつつかれるとくすぐったく感じるが、繰り返されるとそれだけではない妙な感覚に襲われた。
その不確かな感覚が焦れったく、更に強い刺激が欲しいと思っていたその時、バニーに歯を立てられ思わず鼻にかかった声が漏れた。

「んァッ……」

なんだ今の甘ったるい声は!俺は慌てて手の平で口元を覆った。
バニーにちらりと視線を向けると口角が上がり笑うのが見えて、俺はすぐに視線を反らせた。

「かわいいですよ、おじさん。乳首、感じるんですね」
「うるせ、黙ってやれよ」

嬉しそうにバニーが俺に身体を添わせ乗り上がってきた。
俺の太腿にバニーの硬くなってるものが押し付けられ、興奮しているのは俺だけじゃないと少し安心する。
首に顔を寄せられ、首筋を舐め上げられる。ぞわりとした感覚が背筋を走った。
耳に唇を寄せられ、耳朶を口に含まれ思わず首がすくむ。

「ぅあっ」

また情けない声が漏れた。
俺の反応が気に入ったのか、バニーは俺の耳に舌を這わせてきた。ゾクゾクと身体が震える。

「や、だ……、やめろ、耳は」
「耳、弱いんですね」

腕に力が入らず、弱い力でバニーの肩を押し返すがバニーが止める気配はない。
俺の耳を執拗に責めながら、バニーの指先は俺の乳首を転がしていて、そちらからもじわりとした快感が身体に広がる。



 
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