No pain No gain.
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14



「あー、いつもはこんな散らかってないのよ?ほら、昨夜はアントニオが来てて呑んでたからさぁ」
「あの人はよく泊まりに来たりするんですか?」
「まー、そんなには来ないけど、たまに?」
「嫌です、これからは断って下さい」
「どーしてだよ。別に俺たち付き合ってるわけでもねーし」
「じゃあ付き合って下さい」
「んな、じゃあっていきなり…うぁっ…!」

俺は飛び掛かってきたバニーちゃんにソファーへと押し倒された。



ここは俺の部屋だ。
どーしてこんな展開になったかって?
だって、あんな際どい会話、外ではできないだろ。俺はともかく、バニーは顔割れてんだし。
ヒーロー同士、しかも男同士な俺たちがデキてる、なんて、そんな噂でも流れたらとんでもないスキャンダルだ。
かといって、バニーちゃん家に行くのは少し怖かった。
何されるかわかんないってのもあるけど、拒み切れないかもしれない自分自身が、怖い。
だから俺ん家に来たっつーわけなんだが。



のしかかってきたバニーに唇を塞がれた。

「ンぁ……、ちょ、待てって」

バニーの胸板を押し返すと、渋々といった様子で離れてくれた。

「なんですか」

なんですかって、それは俺の台詞だ。なんでいきなり押し倒してくるんだ。
被ったままだった帽子を取り、机の上へと置く。後頭部に手を回しガシガシと頭を掻いた。

「あー、その、な?話し合おう」

その為に、バニーを部屋に呼んだのだから。
少し冷静さを取り戻したらしいバニーはソファーに腰を下ろし、俺は一人座れるくらいの空白を開けてその隣に座った。

「話すことなんて、ありませんよ。好きだって言ったじゃないですか」
「いや、……それはわかった。わかってるよ、お前の気持ちは」

バニーが尻半分分程、俺との距離を狭めてきた。俺はバニーが動いた分だけ横へと逃げる。

「どういう意味で好きなのか、わかってますよね?なのに、僕を部屋に呼んだりして。期待するなってほうが無理ですよ」

またバニーが寄ってきたが、今度は逃げる前に手首を捕まれた。

「だって、こんな話、外でできないだろ」
「ちゃんと僕の方を見てください」

さっきからバニーの視線は痛い程感じていたが、俺の目は泳いでいた。
迷っているし、戸惑っている。
俺はこいつに、どう接したらいいか、まだ決めかねている。



 
[戻る]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -