★3話★ 彼女がコーチとして入部して、1週間程が過ぎた。 相変わらずメニューは鬼だし、部活とそうでない時のギャップは凄いし、木兎さんとは付き合ってるだろレベルで仲良しだし、でも本人たちは絶対ないとか言ってるし。 「木葉さん!スパイクモーションからのセットアップは、こっちの方がもっとうまくできます。」 「おぉ、なるへそ!やってみる!」 「小見やんさん!もう少し視野を広く!」 「ア゛ーイ!!」 彼女のコーチングも本当に見事だ。 何よりも――――木兎さんが絶好調。 なにか落とし穴がないといいんだけど…。 「赤葦さん!ドリンクです!」 「有難う、黒月。」 彼女からドリンクとタオルを貰いながら、スパイクを飛んでる木兎さんの方を見る。 「木兎さん、絶好調だね。」 「はい!…これが常時続けばいいんですけどねぇ…。なーにかあるとすぐにしょぼくれモード入ってしまうので……。」 「昔からなの?」 「はい、小学生の時からずーっとです。」 「黒月は、俺達が知らない昔の木兎さんを知ってるんだよね。」 こんなヒーローみたいな人を、ずっと昔から見てこられたなんて、絶対に幸せだと思う。 ← → back 44/23 |