閉じられた日のこと 序 深い緑に砕かれ一面にひろがる心音 風がさらう人間の匂い 息を殺して触れた琴線の波うち際 肉の音に挟まれて 永遠と結んだ骨が愛しいをさがしている 耳鳴りがする 汽車の隣 求め合ういくつもの背中が列をなして 繰り返される呼号 溢れるままの呼吸 すり抜ける車掌 途絶えることのない番号札 あの最後尾、 あれは私です 壱 弐 参 肆 伍 *