羽化に唇 ▽▽▽ ( UNION / GARDEN )

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「んぁ、ぁっ、あん、……も、そうまさん、っひゃんっ」
 あと半刻もすれば日付も変わろうかという頃。せっかく綺麗に整えておいた圭介のベッドは、またぐちゃぐちゃに乱れていた。
 どうしてこんなことになったんだ、と思いながらもキスをねだられると可愛くてつい応えてしまう。
「やっ……んん、ふぁああ、ぁあ……」
 圭介の一物を優しく扱いてやる。名前を呼び捨てにするよりもこちらの方が余程バレたらまずい……というか、バレたら一発解雇モノだが、今のところはそうなる兆しも予定も無い。
 思えば、圭介は何故だか最初から俺に懐いてくれていた。使用人の中でも歳が近い方だったからかもしれないが、幼い頃より精通の相談から何から全て引き受けているうちにこの有様だ。我ながらとんでもないことをしていると思う。でも、若さにあてられたのか何なのか、馬鹿みたいにこの子にハマってしまっていた。
「そうまさんっ……オレもう、もうっ」
「……あまり大きな声を出されませんようお願い致します、圭介様」
「ひんっ……うぅ、そうまさんひどい……っあ」
「こういうことをしている時点で気付いていただきたいものですね」
 実を言うと防音がしっかりしている部屋なので大声をあげようが暴れようがある程度は問題無いのだが、声を我慢する圭介が好きなのでつい意地悪をしてしまう。
 はふはふと必死に息をしようとするのは正直見ていて可愛いな、と思う。
 裏筋の皮の溝に指先を引っ掛けながら上下になぞると、気持ちよさそうな声をあげて顔を真っ赤にしている。唇を噛み締めようとしたのは、傷になるからそっと親指を添えて制してやった。それにしても快感に従順というのはこういうことをする男の側から見るとかなり気分のいいものだ。いや、この子も男なのだが。
 真面目なきみだから信頼して息子のことを頼むんだ、と言ってくれた旦那様への裏切りになるのだろうか、これは。
「ときに圭介様」
「んぁっ……な、なに……?」
「掃除をしていたら、ゴミ箱の中から数学のテストを見つけました」
「! ゃっそれはっ……ぁああっやだっぐちゅぐちゅしないでぇ……」
 先走りでぬめる一物を手のひらで包んで上下させると、手を伸ばされたので違うとは知りつつその手を握ってやる。圭介はとろけた表情でいかにも嬉しいですって顔をしてみせる。ああもう本当に、素直すぎるのだ。
「そんなに酷い点数でもなかったでしょう。どうして隠したんです?」
「んんっ、だってぇ……そーまさんがっ、みつけたら、オレに構ってくれるかなって……ふ、ゃ」
「……ちょっと待ってください、まさかこれまでも……」
「ひゃぁっ!? やぁあごめんなさい、今日がはじめてだから怒んないでっ……」
 俺は内心で頭を抱える。甘えたがりというか構ってほしがりというか、いかにも箱入りの幼さだ。同年代の友人が作りづらい環境は可哀想ではあるのだが。きっと寂しいのだろう。
 言い訳にしかならないのは分かっているが、このままの関係ではよくないと距離を置こうとすると、こうして圭介は俺の気を惹くべく色々とやらかしてくる。その様子があまりに必死で可愛くて、つい甘やかしてしまうのだ。
 今更取り繕っても仕方がない。俺はこの子のことが好きなのだろう。
 この子がこんな、体を許すくらいに俺に懐く理由は未だ分からないが。
「ん……っ、そうまさん、そうまさんも気持ちよくなって……」
 震える手で俺の仕事用の制服を肌蹴させていく圭介はいじらしいなと思う。自由にさせてやると、ちゅ、ちゅ、と音をたてて体に口付けてくる。どんどん唇が下りていって、臍の下にまで達したので流石に止めた。それ以上は駄目だ。
 不満げな顔をされたのでキスで誤魔化す。圭介は既にとろとろのふにゃふにゃだ。乳首を少し強めに捏ねると「ひゃぁぁんっ」と肩が跳ねた。その拍子に勃起した一物が揺れてなんだか微笑ましくなってしまう。
「ふゃっ、あ、ん。そうまさん……」
「お可愛らしいですよ」
「はう……っも、はずかしい、んん、ふぁぁあ……ゃ、ちくびとれちゃうぅ」
「今からもっと恥ずかしいことをするんですから、頑張ってください」
 圭介の脱いだ服を皺にならないように避けて、ベッドのシーツを汚さないようにふかふかのバスタオルを体の下に敷いて、俺は圭介の脚をぱかりと開く。
 隠し切れていない期待に満ちた目に、背筋を駆け昇るぞくぞくしたものを感じながら俺は秘所へと手を伸ばした。

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