詰め合わせ12
▽緋弾のアリア
▽名探偵コナン








▽緋弾のアリア


「あっれ、じゃあ君が金一君の言ってた弟君か」


「……え、先生、兄の知り合いですか?」


「うん、女装仲間だよ」


それが、東京武偵高校犯罪心理学教師、棚夏櫂兎との初遭遇時の会話だった。



::



正直、彼は謎すぎる。授業中には妙に黒いノートは拾ったら燃やすこと、拾ってる人がいたら奪ってでも燃やすことをやたら説く。授業は分かりやすいが、授業外では結構適当。砕けた口調で親しみやすくはある。校庭に武偵狩りの人間が現れたときも、銃弾飛び交う中を無傷で通り抜け、それらの襲撃を「若いっていいな」の一言で片付ける。ちなみにこの間は、ヒステリアモードだった金次を、片手で止めて気絶させた。


「いやー、金次君ったら綺麗に落ちたものだから、意識だけじゃなく魂までぽっくりいっちゃったんじゃないかって心配だったんだー」


いい笑顔でさらっと言うことじゃない。


ちなみに今彼は、ここ射撃練習場で目の前にずらりと銃を並べていた。売り出しでもしているのかというほどの、量と品揃えだ。面白がって集まった生徒たちを彼は追い払い、その場には最初から射撃訓練していた数名しか残らなくなる。
強襲科などと比べると、やはり探偵科では発砲機会は比較的少ない。犯罪心理学教師ともなると、銃を持つこと自体ないだろう。訓練中のはずの生徒まで、彼に目を向けていた。そういう自分もその一人なのだが。


「……これ使えんのかな」


そう言って、彼は100ミリほどの通常とは大違いの経口の、みたこともない銃を手にとり、的を狙う。目を細めて、撃つのをやめた。


「やっぱこれは紅君が使ってこそだよなあ」


それから比較的常用性のあるベレッタ92Fを手にし、無造作に的の方向へ撃つ。弾丸は的の真ん中を射抜いた。
次にイングラムM10を、的が変わらないうちに構え、撃つ。真っ直ぐに的に向かった弾丸は、的を貫く。が、的に当たる音はしなかった。――先程空いた穴を寸分たがわず弾丸が通過したのだ。
何が起こったか分からないその場の数名は頭上に疑問符を浮かべ、理解してしまった少数は嘘だろと呟いた。


彼は銃をまた物色しはじめ、何故か混ざっていたスリングショット――Y字型の投石器、いわゆる子供のおもちゃ、パチンコを手にとった。構え、小石を的へと飛ばす。小石は、的の中心に大きな穴を開けた。


「よし、これにしよう」


金次は、この場でみたこと全てを忘れたくなった。




名探偵コナン


「おおー新一、小さくなったなーっ、はっはー」


頭をポスポスとたたいて大笑いしている父の古馴染み、櫂兎の反応がいつも通り過ぎて、コナンはもう少し何か言うことないのかよと思った。




#「お前は外に出るな」


「は? 意味わかんねえこと言うなよ」


「意味わかんないのはお前だよ、なんで行く先々で必ずと言っていいほど事件が起きるかな!」




#キメ台詞


コナンがまだ犯人を特定しないうちに、彼は容疑者を集め、口を開いた。


「さて、謎解きを始めよう」


「お前勝手に…ッ」


「どっかのガキが、言っていた。『真実はいつもひとつ』だとか、何だとか」


だが、と彼は目を細める。


「真実ってのはひとつじゃない。それを見た人間の数だけ存在するんだ…ってどっかの司教が言ってた」




#ベイカー街の亡霊


「なんか似た体験をしたことあると思えばSAOか」


世界観は別物であり、細部は違うとはいえ、仮想世界での命がけのゲームという今の状況は過去の体験を思い出させた




#キッドさん


「捕まえてみせる――必ず、オレの手で」


こぶしを握り締めるコナンに、櫂兎は半目になった。


(快斗って、結構近くに住んでるから、街中でも何度も遭遇してるはずなんだけどなあ…)

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飛ぶ計画
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