詰め合わせ10
▽まるマシリーズ
▽SKET DANCE
▽夏目友人帳







▽まるマシリーズ


お隣のお兄さんとキャッチボールしてました


「好きな子はできた?」


櫂兎の問いに、ボールを投げようとしていた有利は動揺した。結果、変な力加減のへろへろなボールを投げることになる。櫂兎はくすくす笑いながらそれを受け止めた


「部活、忙しいし、そんな暇とか、ないし」


そういう有利に櫂兎は片眉をあげた。


「そうか」


そして櫂兎がボールを投げる。受け止めた有利に、ふとした風に櫂兎は言った。


「ユーリ、喧嘩するならビンタは左頬じゃなく右頬にしとけよ」


「へっ…?」



::野球チームをやめてからは、キャッチボールをする機会は次第になくなっていった様子


勝利がレジに出したものを見て、櫂兎は半目になった。


「……うん、俺がレジ担当でも迷わずギャルゲー持ってくるところとかお前らしいよ」


「というか、櫂兎兄さんこんなところでバイトしてたんだ」

 

::



・眞魔国でユーリと再会


「なんか襲われてると思ったらユーリだー」


「えええ櫂兎兄さん?!」


囲まれた有利の頭上から櫂兎は降ってきた。かと思えば囲んだ敵を一瞬にして叩き伏せ、有利にウインクしてみせた。




▽SKET DANCE


「お、これ結構いける」


本日付で学校付きの月一カウンセラーとなった櫂兎は、購買部の人気商品であるイチゴ練乳パンを職員席でもぐもぐと食べていた。そんな彼を早々訪ねる生徒がいた。


「あのぉ、先生、ご相談したいことがあるんですけどぉ…」


ヒメコがいきなり、しかもそのキャラに似合わぬ可愛い子振りで現れたことに、まだ大きかったパンの塊を飲み込んでしまい咽る。涙目になりながら牛乳で押し込み、用件を聞くと、ここでは話しにくいというのでついてきてほしいと言われた。


で、だ。
連れてこられた先、スケット団の部室らしき場所でおなじみの三人に櫂兎は今、囲まれている。


(あれ…? 何でこうなったんだ?)


そして、先ほどとは打って変わって険悪な豹変ぶりをヒメコはみせた。


「先生、どういうつもりですのん?」


「『学園生活上の悩みや心配事があったら相談してください』ぃー…って、正直俺らとやることちょっとかぶっちゃってるんですけど?」


ボッスンにまでガンを飛ばされ、櫂兎は苦笑いした。確かに、スケット団は生徒が抱える学園生活上の悩みやトラブルを解決し、円滑な学園生活が送れるよう手助けすることを目的としている。生徒の相談相手は、従来彼らの役割だったのだろう。だが、


「それが俺の仕事だからね」


一応はそういう話になっているのだ、うん。


「それに、相談や解決方法なんていうのは適材適所というものだし、君たちと悩み事ある生徒を巡ってエゴで顧客争いなんてするつもりもないから安心してよ」


ぽふぽふと三人の頭を順に撫でる。ボッスンのヘルメットは堅かった


「いわば俺たちは同志みたいなものというわけか」


スイッチが上手くまとめる。


「まあそんなところかな」


「っつーことは! 先生もスケット団に入ればいいんじゃね!?」


「は?」


ボッスンの発言から、月一カウンセラー教師、棚夏櫂兎の、強制的なスケット団への参加が決定した。




▽夏目友人帳


・藤原夫妻宅のお隣さん


「おお、レイコちゃんの孫か」


畑でとれたさつまいもを持ってきてくれたらしい隣人は、夏目を一目みて目を見開いたあと、そう言って笑った。


「レイコ…『ちゃん』?」


「うんうん、君のおばーちゃんと、俺はお友達だったんだ。友人帳、持ってない?」


その問いにはっとする、するともしかして彼は妖怪か? 人型の妖怪というのはよく分からないが、ニャンコ先生が人型をとるところはみたことがあるので、目の前の彼もそうなのかもしれない。


「あー、えっと、名前は返さないでいい、というかとられてないから」


目の前で友人帳の頁を繰り出した夏目を、隣人は苦笑いして止めた。そして彼は友人帳に手を伸ばし、最後の頁を開いた


「…ほら、あった」


そこには、『友人その一』と記されていた。


「俺は勝負に負けてないから、名前は書かなかったんだ。でも友達ではあったから、友人帳には寄せてもらったんだよ」



::



・ニャンコ先生を前にして


「うおーっ、可愛い可愛いうっひょ、つるふかぁ!」


大変お気に召した様子である。


※ 夏目は、最初から最後まで櫂兎の正体は人間に混じり暮らす人間好きの妖怪だと思っています。

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