池袋の雑踏に立った櫂兎は伸びをひとつしてからぽつりと呟いた。
「そういや、ここからイタリア行けばバッカーノメンバーもいるのか」
妹は所持していなかったと思うが、一応こっちを一通り見たら行ってみよう。
デュラララ!!
in来良学園
「せんせー彼女いないんっすかー?」
学園に月一で訪れる心理カウンセラー師は、まだ20代の容姿でほかの教師たちより自分たちに年齢近いだけあって話の気安さもあり、来るたびにカウンセラー室には生徒たちが集まった。といっても、その話の内容は悩み相談などではなくただの雑談であることが多いのだが。
彼は、その雑談に集まる生徒や校内ですれ違う生徒たちの中から的確に今悩み事を抱えている生徒をみつけだし、職務時間外にも相談に乗っていた。彼の人気の理由はそこにもあった
「彼女、なぁ…。残念だけどここ三千年ほど独り身だな」
「彼女を求めて三千年ッ」
「正臣、寒い」
帝のするどい突っ込みに櫂兎はくすくすと笑った。
::
in池袋
「お、静雄」
「げ、先生」
「まーた自販機投げて標識ぶっこ抜いたのかお前は……。俺お前が可愛い可愛い生徒だった時から、ずっとモノにはあたるなと注意してるだろ? まわりの人間の誤解招くだけだって」
そういうと櫂兎は静雄にデコピンした。
それを狩沢たちと遠目で見ていた正臣が唖然とする。
「えっ? 先生、静雄さんとどういう関係?!」
「あー、あの先生、20年くらい前から来良学園の月一カウンセリングしてるんでしょー?」
「にじゅっ?!」
「当時からあの容姿っ! 不老不死かはたまた実は別人が代々成り代わっているのかと巷じゃいろんな憶測飛んでるんすよー」
どこの巷だ
::
「闇医者は儲かってるかー?」
「先生、なんだかそれじゃあ僕が悪徳ブラック開業医みたいです」
「え、違うの?」
きょとんとして言う櫂兎に新羅は肩を落とした。…いや、間違ってはいないのだが。
「そういや今日はどうしてここに?」
そこに後から現れたセルティがPDAで答えた。
『仕事帰りにビルの上駆けてたら空飛んでる櫂兎に出会って、立ち話もなんだからとここにきた』
「僕はどこから突っ込むべきかな?」
::
in新宿
「年に一度のお楽しみ、訪問カウンセリングのお時間ですよ」
臨也は扉を開けたことをひどく後悔した
「帰ってください」
「ふ、これは国からのお達しだから断れないよ。恨むなら過去に起こった傷害事件を恨もうね」
「…先生真犯人分かってますよね」
「そりゃあ裏であくどい事して刺されかける君が悪いんじゃないかな」
これは、すべて知っているから言えるセリフだ。表向き「臨也が新羅を刺した事件」をその場をみてもいないのに状況分かるものだろうか。昔から、彼にはなぜかすべてお見通しで気味が悪かった。
「刃物持ちだしてきた相手を被害者呼ばわりするの、先生だけだと思いますけど」
「刺してもいないものを刺したとか言って、本来の犯人を脅し続けてたらそれはもう立派に加害者だよー」
だからなぜわかるのかと。情報屋である臨也が調べ上げた彼の経歴はそう変わったものではなく、強いて挙げればこれで戸籍上48歳ということだ。…充分変わっていた。
::補足?
イタリアでは、アイザックやミリアと仲良くなったようです。
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