は?
019.7日目『岬のピアノ』
――――7日目、音楽室
「では」
「サキちゃんで、『さらばピアノよ』です」
♪♪〜♪♪〜〜♪♪♪〜♪♪〜〜
(和歌野めっちゃピアノうめえ)
「ブラボー」
「ひゅーーひゅーー」
「やっぱりサキのピアノは最高だなー」
「えーっと、では、
続きまして美海が即興で歌います、どうぞ」
「なにそれ聞いてない」
(とか言いながらしっかり対応してる白百合。お前は女神か)
――――PM11:00、晶の部屋
「…………小田切、か」
(最後の人狼を特定した。
…………小田切冬司。穏やかで聡明なやつだ。
…………なるほどな。あいつは頭が切れるやつだから、小田切が人狼側だってなら不利、とも言えないわけだな。
もしも今後ゲームをするにしても、俺、朔也、直斗、筒井と竜崎の村人は確定した。俺らに票が集まることはまずあり得ないだろう。
…………性格的に考えて美海も票を集めるとは思えないが……、そこまで頭が回る女の子じゃないからな。
ここは、小田切が上手く操ってくれれば良いんだが…………)
「……………………はは、人狼の勝利ばかり考えてるな」
(俺は、村人なのに。
…………美海と生き残ることはあり得ないんだ。
…………死にたいと思っているわけじゃない。
だが、彼女が俺の世界に今後いないなら、俺は…………もはや生きている意味などない。
この命、全て美海に捧げると誓ったんだ。あの日、泣きじゃくりながら秘密を吐露する彼女に誓ったんだ。
悪いな、朔也、直斗、果帆、みんな。
俺は…………もしものときは、人狼の勝利のために動く。
そう、決めていたんだ)