28.絵に描いた餅を語らう

 旧調査兵団本部から少し歩いたところには小川があった。樹々が裸になってしまう季節は洗濯物の乾きが遅い。次の日には乾いていてほしいから、午前中のうちに済ませてしまおうと、真琴は川辺でしゃがんで洗濯に精を出していた。
 特別任務に当たっているペトラやオルオたちは、一日中お茶を飲んで過ごしているわけではなく、日々鍛錬に励んでいるので、当番を決めていても洗濯物が山のごとく溜まっていってしまう。男たちはシャツが汚れていてもさほど気にしないので、汗がしみついた服を着回しているみたいだった。

「おい、何日目だ。家畜小屋みたいな臭いがする」
 と、鼻を摘むリヴァイにグンタが注意を受けていた。
 今朝も、
「ふっ。パンツがとうとう底を尽いちまったぜ」
 と、朝食を食べながらオルオがシュールに言うので、ペトラの頬が赤くなった。
「やだ。それじゃいまどうしてるの」
 聞かれたオルオは不自然に眼で笑った。ペトラは恥ずかしげに口をわなわなさせる。
「信じらんないっ」
 どうやら下着なしでオルオは今日を過ごすらしかった。

 そんなこんなで、藤の籠いっぱいの洗濯物をしている最中なのだった。
 ここが人里離れた古城だからというのは関係なしに、この国には洗濯機がなかった。横一列に何段も溝が入った洗濯板を、小川のほとりに突き立てるようにして、衣類をごしごしとこすり合わせる。

「手が痛い〜」
 赤くなってかじかむ手に、真琴は息を吐きかけた。小川の水は針のむしろのように温度が低い。
「どうしましたか? 洗濯板で手を傷つけたとかですか?」
 言ったのはオルオで、洗剤がついた衣類を濯いでいる。一人で雑用をさせるわけにはいかないと、訓練を我慢してつき合ってくれているのだ。

「どこも怪我なんてしてないわ。水が冷たいせいなの」
 見て、とオルオのほうに両手を傾けて笑う。
「ふるふるしてる。ほとんど感覚なくなっちゃった」
「すみません。兵長の妹さんに洗濯などさせてしまって」
「私がやりたいだけなんだから、いいのよ。それにしても綺麗ね。綺麗すぎる、この川……」

 山から流れてくる小川は穏やかな水流で、せせらぎはヒーリング効果があった。大きな石にぶつかって白い飛沫を上げる小川は、どこまでも続いている。
 ――それを眺めていると、何か思いつきそうだった。

 ヴァールハイトの地下アジトは昼間でも薄暗い。長卓を端に寄せて広い空間を取ったところで、断続的に青い火が噴き出していた。ローレンツが球皮に熱気を入れるための、バーナー部分の溶接をしているのだ。
 研究をしていたエリザベスがペンを置いた。わざと音を立てたのは、抗議心。

「ちょっと、ロウ。地下に溶接機なんて持ち込んで。引火でもしたら危ないじゃない」
「仕方ないじゃん。おおっぴらにできる作業じゃないんだから」
「ほかに場所はなかったの? いつ爆発するか、こっちは気が気じゃないわよ」
「うるさいなぁ、ちゃんと気をつけてるって」
 保護具であるお面をかざし、ローレンツは言う。お面の下で口を曲げているような受け答えだった。

 真琴はというと、フュルストと球皮を縫い合わせていた。
「これはさすがにダメでしょう」
 困ったような笑みで、フュルストが布の継ぎ接ぎを両手で摘まみ上げた。縫い合わせ部分から向かい側のエリザベートが見えてしまっている。
「俺じゃないよ。そんなに下手じゃないもん」
「うん。ロウの縫い方じゃないな、これは」
 誰かな? と、フュルストはすかすかの縫い目から正面を覗き込んだ。エリザートが向かいで居心地悪そうにしている。彼女が縫ったものらしい。

「余計なことすんなよ、無駄な手間が増えるだけなんだからさ」
 ローレンツが言うと、顔を真っ赤にしてエリザベートが腰を上げた。
「余計なことってなによ! 良かれと思って手伝ったのに!」
「それが余計なことっつってんの」

「言い過ぎだよ、ロウ。エリが可哀想だ」
 助け船を出し、フュルストはエリザベートに微笑みかける。
「自分の研究があるのに、時間を割いて手伝ってくれたんだよね。ありがとう」
「息抜きに、ちょっとね」
 エリザベートはもじもじするふうに腰を降ろした。顔はまだ赤いのだが、今度は照れているように見えた。上目遣いで真琴にちょんちょんと手を振る。

「ん?」
 首をかしげると、エリザートは隣の椅子を叩くので真琴は席を移動した。
「どうしたのよ、エリ」
「縫い方を教えて。こんなんじゃ、誰ももらってくれないわ」
 エリザベートはフュルストをちらっと見る。真琴は唇をにやりとさせた。
「旦那様候補が縫い物を得意なら、エリができなくても困らないんじゃない?」
「茶化さないで。とにかく教えてちょうだい。ロウに馬鹿にされて、いまやる気が出てるの」
「了解。そんなに難しいものでもないの。ここをこう通して……」

 エリザベートに教えながら球皮を縫っていく。溶接の火花の音を背景音楽にして、それぞれが静かに作業をしていた。
 一段落したらしいローレンツが、ふうと息を吐いた。あぐらしている身体を真琴のほうに向ける。頭ほどの大きさの、コイルで囲まれたバーナーの枠組みを叩く。

「真琴ってさ、こいつで海へ行きたいんだったっけ」
「うん」
「俺はさ、海なんてもん信じてないんだけど。まあ、あるとしたらだよ? どこらへんにあるんだろう?」
 針の穴に糸を通すことに集中し、迷いもせずに真琴は答える。

「どこにあるのか、だから空から探すんでしょ」
「お前、分かってる? 壁の外は無限だけど、燃料には限りがあるんだぜ」
 そうだと思って、真琴の手が止まる。
「だだっ広い土地をあてもなく浮遊するんじゃ、例え本当に海が存在するんだとしても、発見するのは絶望的な確率だよ」

 フュルストも手を止めて真琴を見てくる。
「実は僕も気になってたんだ。何かないのかな。当てとか」
「そんなのない。あっても匂いくらいしか」
「匂い?」
「潮の匂い。でもそんなのじゃ」
 塩か。とローレンツは壁に寄りかかる。
「海は塩があるって噂だもんな。でも塩って無臭だよな?」
「無臭だね」
 フュルストは真顔で唇を動かした。問うてきたローレンツに頷いてみせることもなく、真琴から視線を外さない。潮の匂いについて疑問を持っているのは彼だけのようだった。

 真琴は心ここにあらずで、視界がただ真っ暗になりかけていた。海へ行きたいと強く思って、熱気球の完成を心待ちにしているのに、このままでは海に辿り着くこともままならない状況だと思い知らされたからであった。広い大地をさまよっているときに燃料が切れて、落ちたら、何も達成できずに巨人の餌になってしまうではないか。

「方角が分かればな〜」
 ローレンツは諦め口調で、あぐらを掻いた膝頭を揺らす。
 ――せめて方角を知れれば。航海の道しるべとなる北極星のようなものがあれば。
(……海の方角を示すものなんて)
 このときは、ないと思っていた。

 洗濯中の真琴とオルオがしゃがんでいるところから、洗剤の泡が流れていく。泡はどこへ行くのか。
「川って不思議っすよね」
 オルオが何気なく言う。
「こうやって汚れを流しても、いつも綺麗なんすよ。この泡たちはどこまで旅するんだろうって、詩人みたく思ったりして」
「そうよ、川だわ」
 川が流れつく終点は海である。川を辿っていけば、必ず海へぶつかるではないか。
「海の方角を示すのは、川よ」
 真琴は高揚してしまい、思わず声が漏れ出てしまう。

「う、海?」
 唐突だったからオルオが混乱している。
 また迂闊なことを口にしてしまった。誤魔化そうと真琴は向き直る。
「あの、えっとね」
 そこだけ雷雲が発生したかのように、オルオには影がかかっていた。下草や砂利の音をさせずに、いつの間にか近づいてきていたリヴァイが作る影だった。
 気づいて仰ぐと、リヴァイは表情なしの横目で真琴を見降ろした。話しかけづらい。

 気配に気づいていないオルオは喋る。
「マコさんは海を信じる派ですか。調査兵団内にも、信じる派と信じない派ってのがあってですね。たまに議論が白熱するんすよ。ちなみに俺は――」
「ちなみに俺は、どちらでもない。絵に描いた餅を語らうなんざ、くだらん。目で見たものしか認めない」
 リヴァイは突然会話に滑り込み、オルオの後頭部にすっと手を伸ばす。親指でぐぐっと力を溜めた中指で、ばしりと攻撃した。オルオは不意を突かれ、瞬間、水しぶきが盛大に上がる。

「おわ!」
「きゃっ」
 シャワーのように降りかかってきた川の水を避けようとして、真琴はよろけて尻もちを突いた。
 オルオは川に押しやられていた。顔全体と胸部の一部は濡れネズミ。浅い小川の底に、かろうじて両手を突いて踏ん張ったので、下半身は無事だった。
「あ、危ねぇ……。ズボンが駄目になったら、着るものがなくなるとこだったぜ」

 オルオを見降ろしているリヴァイの表情は少し眼を丸くしていた。が、すぐさまいつもの能面に切り替える。
「取り憑いていたように見えた、頭付近に、何か。だが悪いことをした。着替えてきたほうがいい。この時期だ、風邪を引く」
「リ……リヴァイ兵長っ」
 見返ったオルオは濡れたくるくるの前髪から、ぽたぽたと雫を落としながら怯えた。攻撃された後頭部をさすりつつ、頬骨の笑筋をひくひくさせる。
「気のせいっすかね、なんか殺気が――」
「あ?」
「いえいえいえ! と、取り憑いてたって、ハエかなんかっすかね。ありがとうございます、払ってくださって」
「いや?」
「へ?」

 リヴァイはあさっての方向を見る。
「ここらは出るらしい。とりわけ、男と女を引き裂くという亡霊が」
 それは亡霊ではなく生身の人間かも、と真琴は思った。
 見えない何かを恐れるようにオルオは首を振る。
「え、えぇ!? 兵長の妹君とどうこうと、亡霊に思われたってことっすかね。心に決めた人が俺にはいるのにっ」
「ならいい」
 リヴァイはオルオの肘に手をかけて引き起こす。
「こいつには縁談話がある。ようやく決まりそうだってのに、横から掠め取られでもしたら、俺の心労がまた増えちまうだろう」

「ああ……そっちですか……」
 オルオは意図に気づいて、リヴァイはただ首をかたむけて見せた。
「いえ、お察しします。俺には弟しかいないんであれですが。妹を持つ兄というのも大変なんですね」
「まあな。ほかの奴になすりつけることができそうで、やっと解放されると思ってた矢先だろう。そんなつもりはなかったが、つい力んじまったらしい。悪いと思っている」
 リヴァイを心酔しているオルオは、彼の行為を疑問に思っている節がない。機嫌を損ねてしまったことを、とにかく恐縮しているようであった。ドブ臭くない川のように、清らかな心を持っている――ことリヴァイに対してだけは。

「どうしてあんなことをしたの」
 オルオを追っ払ってしまったリヴァイと、洗濯物の続きをしている真琴は彼にそう聞いた。
「川の温度は氷みたいに低いのに」
「ただ突いただけだろう」
「だとしても。転がり落ちてたら、心臓マヒを起こしちゃってたかも」
「あれだけ近づいていてだ、気配に気づけねぇってどういうこった。女にうつつを抜かしてやがるから、ああなる」
「うつつなんて抜かしてないから。可哀想〜。気を使ってただけなのに」

 クソっ、とリヴァイは川面でタオルを叩く。ジレンマの気持ちと一緒に粒状の水が飛び散る。
「そんなのは分かってる。お前が女でいるからいけない。部下にガキみたいなことして、どうかしてる」
「そう? どうかしちゃうのが、男と女なんじゃない?」
 あからさまな嫉妬が嬉しくて、真琴は優位に立った心地だった。誘惑気味に、リヴァイの耳に顔を寄せる。

「自分を保てなくて狂っちゃうのが、男と女の狭間にあるものでしょ?」
 リヴァイは溜息をついた。川の中でやる気なくタオルを揺さぶる。
「いつまで居座る」
「さあ?」
「給料泥棒め」

 小川のそばで洗濯物を干していた。爪先立ちになって、物干ロープに衣類やシーツを引っ掛けていく。
 リヴァイの手は止まっており、真琴を見つめていた。眩しそうに細めている群青の瞳が身を焦がしてくるから、真琴は気もそぞろになってくる。濡れた白いシーツの皺を伸ばすために両手で叩いていたが、勢いが弱まっていく。

「もう、なあに? やりづらいんだけど。洗濯の干し方に物申したいならどうぞ?」
「文句などない。つけどころも。癪だが」
(文句っぽい眼つきじゃないって、分かってたけど)
 褒められて、真琴の表情はだらしなく緩んでいった。シーツの両端をぱんっと引っ張る。
「褒められるようなことでもないけどね。女の子なら、これぐらいは普通でしょ」
「褒めた覚えはない」

「むっ。文句のつけどころもないほど、完璧なお仕事をしますね、って言ったじゃないっ」
 頬をぷくっと膨らませると、リヴァイは可笑しそうに眉尻を下げた。
「そんなふうに尾びれをつけられたら、嘘だと訂正できないだろう」
 そよ風ではためくベッドシーツの裏にリヴァイは消える。向かいのロープに衣類を干しているようだ。真琴の周辺は清潔なシャボンの香りで満ちていた。

「洗濯、料理、裁縫、掃除。マコは家庭的だ、
どこまでも」
「……優良物件なんだから」
「そうだな」
 大判なシーツが連なっていて、リヴァイの表情が見えない。褒められているのに気分が塞いでいくのはどうしてか。きっとリヴァイの声音が儚げだからだ。河原の小石を踏むリヴァイの脚だけがシーツの裾から見える。

「嫉妬したんだろう、俺は。オルオとマコが一緒に洗濯をしている風景に。微笑ましそうに見えて、壊したくなった」
「私の気持ちを知ってるでしょう。嫉妬なんてすることないのに」
「そうじゃない。ただ仲良くしている分には別段。壊したくなったのは、風景だ」
「よく分からないわ」
 揺らぐシーツの向こうで、腰を屈めたリヴァイが洗濯籠から衣類を手に取っていた。

「似合わないと思った。俺たちの世界が、お前に」
「私が、兵士として生きていること?」
「それもあるが、貴族のお前も似合わない」
 声の調子が、にわかに和やかなものになる。
「どこがいい、そうだな、ウォールマリアの郊外がいい」
「何が」
「小さな家の庭には、洗濯物が風で揺れてる。お前は晩飯の準備で鍋を掻き混ぜてる」
「やめて」

「小せぇガキが一人、いや二人か。腹が減ったと、お前のエプロンを引いて邪魔してやがる」
「お願い、やめて」
「玄関先で音がして、嬉しそうにガキが駆けていく。両腕にぶら下がるガキ二人を連れて、台所にやってきた奴に、お前は笑顔で振り向くんだろう」
 ――おかえりなさい。
「やめて!」リヴァイと真琴を隔てる憎いシーツを薙ぎ払って叫んだ。絹を裂いたような響きは河原だからこだましなかった。

 シーツを払った瞬間のリヴァイは寂しそうに唇を綻ばせていた。干そうとしていたらしい長袖のシャツを摘んで、いまは瞼を引き上げて瞳を大きくしている。
「どうした」
「どうしてそんな話をするの」
「ふと浮かんだだけだ、そういう風景が。いけないか」
「じゃあ、外から帰ってきた人は誰よ。誰!」
 リヴァイの瞳が真琴から逸れた。
「やっぱり」

 帰宅してきたのは真琴の夫なのだろう。美味しい夕飯を作って帰りを心待ちにしていたのは、真琴の夫なのだろう。リヴァイが瞳を伏せているのは、すなわち未来の夫が彼ではなかったからだろう。

「責めてくるな。ただ思い描いてみただけだろう。血みどろの世界じゃなく、平凡な暮らしがマコには合ってると」
「外から帰ってきた人は、リヴァイじゃなかった!」
「馬鹿言え。俺の仮想でお前の夢を見て、帰ってきた野郎が俺だったなどと言えるか。お笑い草だ」
「嘘! そんなの嘘だもの! 帰ってきた人は、始めからあなたじゃなかったのよ!」
「――泣かすつもりじゃなかった」
 枯れた声で、リヴァイは真琴の顔に手を伸ばしてきた。その手に涙を拭ってもらうことを避けて、真琴は広い胸に飛び込んだ。

「バカ! バカよ、バカ!」
 両の握り拳でリヴァイの胸許を叩いた。脱力していたようで、リヴァイの足許が一歩二歩と後退していく。
「仮想の世界でも現実思考で、リヴァイはバカよ! 仮想なんだもの、無理なことだって望んでみたらいいじゃない!」
 リヴァイは真琴に叩かれるがままにされていた。眉を寄せ、伏せた瞳で顔を逸らしたまま。
「望んでよ! 夢の中だけでも望んで!」

 叩くのをやめ、真琴は顔を上げた。喉仏ばかりを苦しそうに上下させているリヴァイを覗き込む。
「外から帰ってきた人は誰? 子供を腕でぶら下げていた人は誰? ねぇ、リヴァイ」
「それを言わせるのか、俺に。叶わない夢を見ろっていうのか」
 真琴は泣き濡れた頬で微笑む。
「お鍋の中身は何だったのかしら? あなたは何が好き? うんと贅沢を言って。だって夢なんだもの」
 答えるのを迷っているようだったので、リヴァイのシャツをつんと引いた。やがて彼はぼそっと言った。

「……スープ。じゃがいもの、肉がたんまり入った」
「それ。私も同じ」
「ありふれた、郷土料理を答えれば被る」
「強がり」
「違う」
「今日ね、お隣さんからお肉をたくさんもらったの」
「やめろ、お前まで。そんなこと」
「私ね、腕によりをかけてじゃがいものスープを作ってるの。美味しいよ、って褒めてもらえるかしら、って」
「――マコっ」
 喉を詰まらせて、リヴァイは真琴を抱きしめた。

「子供たちが玄関へ走っていったわ。ねぇ、いい匂いがするでしょう?」
「腹を刺激してくる、温かい匂いがする」
「私の愛しい人が、子供たちを連れて台所に顔を出しに来た」瞼を閉じて、肩に凭れる。「おかえりなさい」
 リヴァイの包む力が、いっそう強くなった。
 ――ただいま。

 それは、浅瀬を流れる水の音に紛れてしまいそうな小声だったけれど、真琴の胸にしかと響いた。夢を見ることさえも自重していたらしいリヴァイが、再び未来を見たひとときだったのだろうと思った。絵に描いた餅だろうと、誰かに笑われても、幸せは確かにここにあったのだ。


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