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種族・組織
幻術形態

簡単な概要

 遠い遠い昔、想像力を糧に、他者にも見える幻を作り始めた者がいた。いつしかその幻は時代と世代を経て、術として、そして生き物として現実の体を持ち、動き始めるようになる。
 その幻でできた生き物、幻生生物の中に、ある時エキドナという神話上の神をモデルにした幻生生物が作り出され、沢山のモンスターを生み出した。
 その事に危機感を抱いた別の幻術使い達はエキドナやその子供達を倒そうとしたが、エキドナ達や、エキドナを生み出した幻術使い達の裏切りに遭い、今に続く「一般人に知られない日陰の戦い」を繰り広げていく。
 このページでは、そんな幻術使いと幻生生物の関係、組織、呪術などの形態を深く掘り下げた説明を行っていく。

幻術使い達の出現

 氷河期を乗り越える人類の中に、既にその頭角を現し始めていた人間はちらほらといた。想像力を他者に伝え、ほとんどの情報を共有できる者たちが、ほぼ共通の想像を行い、絵にしたりなど具体的なイメージを固めあった結果、いつからか幻を具現視する能力が発芽しはじめる。

 やがてその力は氷河期を乗り越えるために集った部族の間に強く広まり、間氷期(氷河期の間の、暖かい時期の事。現代も間氷期と言われている)には外敵となる別の民族との抗争の中、さらにその力を磨いていったとされる。古代大きな国が出現しては滅んでいく中、幻術使い達の祖先は、その戦火から逃れるためにも、また自分達の娯楽としても幻術の技術を高めあった。

 ついには力を持たない、また幻を作り出す術を知らない者達の一部(霊能力者や巫女、精霊使いや占い師、神官など。霊的な力を持ち合わせていると見えたようだ)からも認知されるほどの能力を得てしまい、実体がないはずの幻は、他人に「実在する異形の存在」と認知されるようになっていた。それに気づいた幻術使い達の祖先は、幻術で外敵を「化かし」、驚かして遠ざける事で身を守るようにもなっていた。神話が強く信じられていた時代では、当然神の使いや悪魔、魔女などと呼ばれるようにもなっていた彼らは、畏怖の目で見られ、遠ざけられもした。

 初めは疲れた心を癒すための娯楽。そして後に外敵に対抗する手段。想像を糧に可能性を思い描いた先祖たちは、そうして霊的な能力を開花させた。

 これが現代に続く幻術使い達の最初の幻術、「原形幻術」と呼ばれる形になったといわれている。

卓越した者、生み出された母神

 例えばゲームやスポーツを、クラス単位でやってみるとする。大抵クラスに一人はその遊びを得意としていたり、また類稀なる才能を持ち合わせる者もいることだろう。

 幻術の世界でも同じように、術の扱いに長けた者はいる。想像したものを幻として具体的に呼び起こす力に秀で、いつの時代からか、その秀でた者が創り上げた幻には、視える者なら触れられる体が作り出されていた。幻術の力を有した部族以外からも存在を認知され、またその者達が見えない人々にも見たものを語り継いだ結果、信憑性から現実に存在するもの≠ニして認知され、触れられるようになったのである。

 実体が備わった事で多くの幻が生物として術者達に受け入れられ、神話の中の住人達のほとんどが、術者達に具現化されたと言われている(それでも神を想像できた者はほとんどいない上、大抵が神というより、超能力者に近い人間の幻達だったという)。

 ゲームを楽しく行うために、クラスでも得意・不得意でそれぞれレベルを合わせたゲームメンバーが選ばれるようになるだろう。同じように幻術使い達も、自然と自分達の幻術のレベルに合わせてグループを作るようになり、その中でも幻術に卓越したグループ(プローヴァと呼ばれていた)が生まれる。今で言う幻術の研究グループのような集団といえるだろう。

 さらにその中でも、ギリシャ神話に登場する多くのモンスター・神の母、エキドナを生み出す事に成功した幻術使い(化学者?)が現れた。神話通り、他者と交わる事で幻獣や魔獣、多くのモンスターを生み出すことができるエキドナに(さすがに神を生み出すまでには至らなかったといわれる)、多くの術者達からも尊敬と畏敬を集めた。生み出されたモンスター達は、作り出された幻から派生した存在であっても現実としての体をきちんと持ち合わせており、なおかつ幻術使いや霊能力者以外の人間にはほとんど認知されない。鼠算識に増えていく自分達の創造物の成果に、幻術使い達の多くは誰しもが歓喜した。

臆した者、広がる恐怖

 そうして喜べた中で、その才に恵まれなかったものの、この危険性を見出した幻術使いの集団も幾グループか存在していた。彼らは鼠算識に増えていく幻達の制御をどうするのか、そこを懸念していたのだ。その懸念が嫌な現実となって訪れたのが、モンスター達の暴走である。

 鼠算識に増えていく幻想の生物達、幻生生物。生み出す母親は一体。その母を創り上げた術者は一人だけ。早い話、一人の人間が全ての幻想の生物達を制御するのは難しく、何十体、ひいては何百、何千と増えていってしまったモンスター達は、自らの生きる糧として動植物や霊能力者、自分達を見ることが叶わない一般人までもを捕食していくようになる。時には幻術使いもその餌となってしまう事もあり、幻は既に、ただの空想≠ナはなく生き物≠ノ成長していた。

 その事態の深刻さに気づいた多くの幻術使い達は、必死にモンスターを掃討する事になった。母神と謳われ、直前まで神と崇められたエキドナへもその牙を向ける事となり、多くの幻術使い達はエキドナを殺すよう、創造主である術者に詰め寄った。だがその時にはもう、エキドナは逃がされ、術者も行方をくらましていたという。

 エキドナを殺されると知った多くの幻生生物らは当然反旗を翻した。自らが生きるために食を得るのは当然であるだけでなく、作り出した人間達のあまりにも浅慮な対応に激怒し、自らの母と未來の兄弟を守ろうと抗戦を始めた。術者達も対抗する為にモンスターや刀剣などを幻から作り出し、武力を手に取ることになる。エキドナに生み出されたわけではないが、術者達の「同族を殺せ」という命令に従いたくないと、自らエキドナ擁護側についた術者の従者も数多く存在し、事態はさらに混沌と化す。多くの抗争の末、エキドナは姿を完全にくらまし、人が姿を消す事件も密やかに歴史の角で繰り返され、幻を操る血族達は昼と夜にそれぞれ分かれ、また現在、様々な分野に分かれてエキドナ達と戦う日々を送っている。


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