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世界設定 種族・組織

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歴史
幻術形態

昼の種族・夜の種族

 自分達が生み出した幻が現実に定着し、その幻でできた生物、幻生生物らとの抗争が始まって数十年。動物に昼活動する種類と夜活動する種類があるように、幻生生物らも昼と夜で活動が違うという事はざらにある。それに対応するべく、幻術を使う血族も昼専門、または夜専門と、活動時間を変化させ、自分達の身を他者に気づかれないようにしたまま幻生生物を狩るための技術も変化していった。

 昼の種族は文字通り昼を中心に活動する種族。また、幻術の構成物の一つである光を操る方が得意としている傾向にある。反対に夜の種族は夜を中心に活動し、幻術の構成物の一つである闇を操ることを得意としている(幻術の構成物については後述)。

 両者の特徴は、家で担当時間を分ける事をしなくなった現代にも薄っすらと残っている。幻術使い達が出す、自分の身を一般人の目に触れられないようにするために纏う『衣』や『装飾具』などが、光で作られていれば昼の種族の末裔、闇で作られていれば夜の種族の末裔だ。


 両種族に対してさほどの差はなく、強いていうならどちらの種族も、それぞれその種族の名の時間帯の方が幻術を使った際、一般人に気づかれるリスクが少なく、またその時間帯のほうが力を強く発揮できる。


幻術使い達の組織

 血族単位で担当する時間帯を分けた彼らは、次に特定の幻生生物を自分の専門の相手にする事で、さらに効率的に幻生生物らを掃討しようとした。その結果生まれた組織が下記の表の通りである。


 幻術使い達はある程度の力量まで達するといずれかの組織に入る事となり、各自がその組織が主とする系統の専門家となるべく育成される。家そのものが育成する事がほとんどだが、専門の企業として成り立つケースもある。

 ほとんどの幻術使い達は最低限、どの分類の幻生生物であっても、いわゆるゲームの最低レベル代と言われるような幻生生物までは倒せるようにならなければならない。その過程を経ない限り組織に入る事もできず、多くはその役割をこなせるようになるまで、本家の手伝いなど下働きをすることが多い。


 また、基本的に一部を除いて、戦闘になる事を考慮してパーティを組む事が義務づけられている。それぞれの組織の出身者が数人単位で集まり、パーティを構成する。



 漢名は日本語名、()内のカタカナは英語圏名、〔〕内は日本で使われている俗語・専門用語(日常会話に紛れて会話するための用語)である。


統治組織(ヴェルタシア)〔五神〕

 その名の通り、幻生生物達に対抗するための大まかな組織立てをした際に必要となった統括組織。ヴェルタシアの語源は世界。俗語の五神は、中国の風水で中央を守るとされる神に因む。

 主に各組織から、パーティを組むのに適した人員を組み合わせる役割から、幻生生物の出現における対応・連絡をそれぞれの組織に回したり、実際に戦いに出ることも少なくない。有力な家の本家当主や、相当な力量を備えた個人、またスパイ活動をするような人員が主な構成要因。

 本編所属者:浄香、阿苑いつき


対アンデッド(ディモナモルス)〔十字〕

 死してもなお動く、この世ならざる理に身を染めた幻生生物達、アンデッド。彼らを討伐するのがこの組織だ。俗語となっている十字はまさしくその象徴であると同時、その俗語とはほど遠い、加護などどこにもない戦いを強いられる事が多い。

 主に相手にする中でも、強いランクをつけられている幻生生物は吸血鬼(ヴァンパイア)、暗黒魔導士(リッチ)、首なし騎士(デュラハン)とその軍馬車(チャリオット)や軍馬(ホース)、ゾンビ系統など。ただの動物霊や人魂程度であれば易い仕事だが、上記のような強豪モンスターの代名詞に近いモンスターを相手にすると、体力・精神力共に強靭でなければ勤まらない(どの組織でも同じようなことは言えるのだが)。

 アンデッドそのものが夜の住人とも呼べるからか、ここには多く夜の種族が集う。

 本編所属者:千理・N・レーデン


対幻獣・聖獣(イリュジオン)〔鏡〕

 ペガサス、グリフィン、ドラゴン、スフィンクス、天狗、河童、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)、麒麟(きりん)……。

 その隊の呼称は主にヨーロッパから強く引き継がれているが、世界各地に見られる伝承の中でも、特に「生物として記されている幻想の生物達」がこの部隊の標的となる。ゲームや小説などで、主人公の視方要素でも特に花形を誇りやすい生物が多くここに分類される。相手は幻術で作り出されたとしても、正真正銘の生物であるため、協調性を欠いたり、極度に暴れるような幻獣達に強く狙いを定める。ヒューマノイド系と呼ばれる、亜人(あじん:一部が人の姿を取っている幻獣達)も一部こちらに配される事も。

 ただし幻獣・聖獣と呼ばれるようなモンスター達は大抵警戒心が強かったり、仲間と認めてくれなければ決していう事を聞いてくれないという場合が非常に多い。そのためこの部隊は主に、幻生生物を創りだし、使役する「召喚・操霊」という幻術を得意とする一団が、一族ぐるみで加入しているケースがほとんどである。また力技よりも相手に己の心を認めてもらわなければならないため、勇敢な人間だったり、聡明な人物などが多くここから輩出される。

 昼・夜問わず、非常に多くの人員で構成されている、恐らく一番栄えている部隊。語源は幻想の英語(イリュージョン)とスペイン語(イリュシオン)を掛け合わせたもの。俗語「鏡」の由来は、鏡に映ったものは見えるが、それに触れられない事から。

 本編所属者:正造・N・レーデン、多生・N・レーデン、レーデン家他多数


対悪魔・魔獣(ロキヤ)〔典(てん)〕

 有名な聖典の堕天使から始まり、メフィストフェレスといったような大悪魔、さらにグレムリンやザルバードなどと言った、知能が高いだけでなく、背徳精神の強いモンスター達を狩るのがこのロキヤ。アラビア語で悪魔祓いを意味するように、俗語の「典」も、聖典(聖書)を指す。

 悪魔や魔獣だけでなく、魔神や邪神と呼ばれる背徳的な神(の設定をなぞった幻生生物)も相手にする可能性を秘めており、日本では狂った土地神などが討伐対象となりうる。そのため呪術に関する知識だけでなく、呪いに対して強い抵抗力をもたなければまず敵わない。恐らく部隊の中で最も過酷かつ、幻術使いの中でも屈指のメンバーが集まるといえる(統治組織と肩を並べられるという噂も)。

 相手にする幻生生物の性質上、夜の種族側の人間が多い。また、光を得意とする性質上、昼の種族も需要がないわけではない。

 本編所属者:八占萌、八占士、海理・N・レーデン(生前)


対妖精・精霊(ファーディナル)〔眼(め)〕

 同じ幻生生物の中でも特殊なタイプとして扱われるのが、万象に宿る精霊達だ。その本質に近いとされる妖精をセットに請け負うのがこの部隊。精霊や妖精は心を通わせられる素質を持った人間の前にしか姿を見せないため、俗語は眼。素質がものをいう世界で、妖精や精霊を見る事ができない者は下働きすら危険。妖精に悪戯されて気づけないのは色々と問題なのだ。

 所属する人員は昼の種族、夜の種族問わない代わりに、本人の気質と一番近しい妖精や精霊と、常に親密である事が求められる。また無茶なお願いをすると妖精や精霊に嫌われ、自身の首を絞められる怖れもあるため、妖精や精霊達と対等の関係を保てる人間性を要求される。

 本編所属者:鏡悟子


遊撃部隊〔明星〕

 昼と夜、それぞれを種族の血筋で分けた後、境目の時間帯の討伐がおろそかになってしまうケースが多々続いた。その穴埋めをするべく、朝方と夕暮れ時、それぞれを両方の種族から人員を派遣して補填する形を取ったのが始まり。俗語の明星は、「明けの明星」と「宵の明星」より。

 二つの遊撃部隊それぞれの説明は下記の通りである。


遊撃部隊:宵(アーベント)〔宵の蝶〕

 宵、つまり夕暮れ時の時間に多く出没する幻生生物を中心に倒している部隊。俗語の宵の蝶は、夕方の遊撃部隊の意味に洒落を効かせてネーミングしたとのこと。


 日没時やその前後は厄介な幻生生物が蔓延る事が多く、不特定多数、さらに専門分野わけなど不可能なほど多彩な幻生生物達を相手にする事を強いられる。必然的に総合的な戦闘能力、もしくは補填しあえる組織の専門家達のグループで構成され、個々の力量も高い。

 遊撃部隊と言っても多くは数人〜十数人単位のグループで自由に活動。勤務時間は季節によってまちまちだが、日が傾き、空がもうじきオレンジ色になりはじめるだろう頃から、完全に日が没して、空が夜の色に染まりきるまでがおおよその勤務時間。

 本編所属者:翅・N・レーデン、奏明院響基、有川未來


遊撃部隊:暁(オーブ)〔明の蝶〕

 暁、つまり明け方の時間に多く出没する幻生生物を中心に倒している部隊。宵の俗語と同じく、暁の俗語も明け方の遊撃部隊の意味に洒落を効かせてネーミングしたとのこと。


 宵ほど厄介な幻生生物が少ない上、生活リズム等、昼夜逆転しにくい明け方は初心者が多い。出てくる幻生生物の多くが妖精・精霊や幻獣・聖獣。無機物系の幻生生物らで構成されており、その手の道に詳しい部隊所属者や、組織に入りたての人間のグループで構成。たまに朝方に龍を見かけるなどの特典もあるが、怒らせると怖い幻生生物も多々起きているので要注意。

 勤務時間や編成等は宵と同じくばらばらかつまちまちだが、勤務時間は夜が空け始める色になってきた頃合から、おおよそ空が白みきり、日が完全に昇った頃まで。因みに日が昇る前に霧が発生すると、たまに厄介な幻生生物が現れる事がある。

 本編所属者:今の所なし


工作班(アルシナ)〔雀〕

 幻生生物と戦闘になった際、必ずしも広い場所でできるとは限らない。どうしても公共物を壊してしまったり、戦闘中幻生生物を、素質があったり、霊視能力を持っている一般人に見られてしまう事も少なくないのだ。

 そういった一般人に幻生生物が架空だけで終わっていない存在だと気づかれてしまうと、世間に知られ渡ってしまう可能性がある。それを防ぐため、公共物破壊を気づかれないうちに修復したり、一般人の記憶を改竄するなどしてごまかすのが工作班、アルシナの仕事だ。

 スパイ活動に近い面も強く持ち合わせている工作班は、記憶操作や、止術と呼ばれる幻術を得意とする者が数多く集う。一般人に知られないようにして討伐を行うためには欠かせない存在であると同時、幻術の裏の側面を用いるために、所属してもあまりいい顔をされない部隊でもある。

 本編所属者:万理・N・レーデン


実行班(セグランサ)〔蜂〕

 工作班が一般人への対処を決定した中で、記憶の改竄だけでは済ませられない場合がある。例えば幻生生物がいると強く確信しすぎてしまったものの、幻術使いの世界に引き込むことができそうにない者。あるいは、幻術使いであっても、幻生生物の側に組み伏してしまった者。アンデッドや悪魔系といった幻生生物にとりつかれ、人間的な生活を奪われ、戻る事が出来なくなった者など。

 そういった者達を、他者の記憶から消す=A本人の存在から消す*割を持った、所謂暗殺部隊にあたるのが実行班。その性質上、『蜂』とも呼ばれる彼らは、普段は攻撃的な姿勢は一切見せない上、ほとんどが他の部隊と同じく、幻生生物のみを相手に戦う事が多い。よほどの事態にならなければ実行班が動く事は滅多にない上、上記に当てはまる人間のほとんどがそれほど重大視されないまま、自らに起こった事を誰にも話さないと固く約束できるのであれば。事件の真実を話す事ができなくなる暗示をかけられ、一般の世界に復帰できる。幻術使い達にとっての最終手段的存在であると同時、ここには厄介者も所属する傾向がある。

 本編所属者:今の所なし


符師(ブルツァ)〔絵師〕

 想像力がものを言う世界である幻術使い達だが、いざという時やパニックを起こしかけているとき、人は繊細な場所まで想像力を働かせる事ができなくなる。その結果必要なものを作り出すことができなくなるという事態に陥らないよう、考えられたのが符(札、アミュレットとも)だ。

 符にはあらかじめ、術者が呼び出したい内容が記録されており、絵や陣、呪文などといった形で描かれている。携帯電話のショートカットダイヤルや、ゲームのショートカットキーのような役割を持っているのが符だ。

 おおよそ一家に一人はこの符を描く事を専門とする符師がいたり、一族で符を描く事を生業としている家も存在する。規模の大きな家柄であればあるほど符師を抱えており、符師になるためには美術だけでなく、術を発動するための構造から、召喚物に関する知識など、様々な分野に精通する必要性が出てくる。実は一番楽なようで、一番しんどい仕事との噂もあり。

 本編所属者:将太・N・レーデン(レーデンの養子)



対象幻生俗語

・アンデッド〔黒〕
 例:ゾンビ、幽霊(ゴースト)、吸血鬼(ヴァンパイア)、暗黒魔導士(リッチ)、骸骨兵(ボーンナイト)、暗黒騎士(首なし騎士/デュラハン)、ポルターガイスト、唐傘お化け、九十九神系・他

・幻獣・聖獣〔空〕
 例:ユニコーン、グリフィン、ヒッポカンポス、天狗、化け狸、合成獣(キメラ)、龍(※東洋)、竜(ドラゴン ※西洋)、人魚、不死鳥(フェニックス)、ジャバウォック、麒麟(きりん)他

・悪魔・魔獣〔闇〕
 例:堕天使、レメゲドンの72の悪魔(ソロモン)、ザルバード、グレムリン、ガーゴイル、アザゼル、ジャック・オ・ランタン、エキドナ、鬼、悪神ロキ、フェンリル、他

・妖精・精霊〔ヤドリギ〕
 例:風の精霊(シルフ)、水の精霊(ウンディーネ)、火の精霊(イフリート/サラマンダー)、地の精霊(ノーム)、木の精霊(ドライアード/エント)、ブラウニー、ニンフ、マンドレイク、エルフ、ドワーフ、ケルピー、バンシー、ケットシー他

・その他
 スライム、魔導人形(ゴーレム)、武具系(刀剣、ナックル、弓矢など)、防具系(鎧、部分鎧、マントなど)、他

歴史
幻術形態



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