026
bookmark



 ぼくは、ロボットです。



 お父様を批判するなんて、お父様に逆らうなんて、何て愚かなことだったんだろう。



 今、思い知らされる。


 ぼくに、何が出来た?


 たとえぼくが、お父様の命令を無視したとしても、結局は、従わなければいけない。



 ぼくらは、そう造られているのだから。



「ごめんなさい……ごめん……なさ……」


 重い、重い、お父様の部屋の中で、
 ぼくは罰を受けながら、弱々しく言葉を吐く。

 這いつくばって、頭を抱えるぼくを、暗闇の中で、
 お父様が愚弄し、ぼくが痛みに叫ぶたび、あの勝ち誇った高笑いをあげる。
 目が見えない。回線が、もうすでに破壊されている。
 ちぎれてしまった片方の腕から、はじけた漏電の音がする。
 ぼく、今、どんな格好をしている?
 もうそれさえもわからない。
 逃げ出したい。ぼくがもがいている。



 頭に何かが侵入してくる。



 いやだ、



 いやだ……




 助けて……――!!







 ぼくは、


 ロボット です。




next|prev

[戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -