01

手提げの中にたくさん詰まっている
小さな箱を確認する。

これらは昨日、ロリが藍染様に贈る ショコラブラウニーを作るために
産まれた試作品たちだ。

今日は2月14日ー
現世ではバレンタインという
イベントがあるそうで、
大切な人にチョコレートを贈る日なのだそう。

数年前から、ここ虚圏でも
流行っているのだけど、
詳しいことは知らない。

ロリが教えてくれたから。


私はロリのように慕っている人に
気持ちを伝えるなんて勇気はないから、
彼女のブラウニー作りを手伝い、
こうして試作品(もとい 余り物)を
第1宮から順に配り歩いている。



「さてと、アタシ藍染様に渡してくるけどどうする?」

「私は出たところで待ってるよ」

「そう…なら、先に第6宮の奴らに
配りに行っててもらってもいい?
第7宮の前で待ち合わせしましょ」

「えっ」


ゾマリに一人で渡してたら怪しまれるし
ヘンに勘違いされたら嫌じゃない〜?
と冗談めかして言うから、
それだけは勘弁と返すと
ロリは藍染様の元へと向かっていった。



第6宮か……手提げの中を覗く。
昨晩二人で丁寧に包装した箱。
中身はどれも同じ。

グリムジョー・エドラド・シャウロン…
あと誰だっけ?

メンバーが思い出せなくて、
指で人数を数えていた手を下ろした。
人数を数える必要がなくなった。

エドラドとちょうどばったり、
出入り口で面を合わせたから。
バレンタインの、と用件を話すと
すぐに中に通してくれた。



「これ、みんなに渡しておいてほしいの」

「グリムジョーなら藍染様に呼ばれていて不在だぞ」

「なら、戻ってきたら渡しておいて」

「そうか、分かった」



そうこうしていると、
奥から従属官がなんだなんだと
集まり始めたから、
"ロリからのものだ"ということを
ハッキリ告げ、その場をあとにした。


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