カツカツとシャーペンが紙を打ち付ける音が響く。
あたしは少し息苦しさを感じながらも
一生懸命書いていた。
それは、時期部長の挨拶。
詩よりも早く書きあげなければならないらしく
少しプレッシャーを感じてた。
……部長挨拶を書いた朱鳥先輩は鼻歌交じりに
小説の続きを“描いて”る。
…………先輩には勝てないな。
そう悟ってペンを取る。
 
「あぁぁあああ!!!!もう、無理!」

      へ?

「あ、葵先輩?」
 葵先輩はゼェゼェと肩で息をしていた。
いつも冷静沈着な先輩のこんな取り乱した姿を
久しぶり(?)に見た気がする。

「葵、なんだかキャラが崩壊してるわね。」
 梓先輩!その通りですけど、
言っちゃだめです!!!
そう瞳で訴えるけど、
「ここで旭が、珠里と……」なんて、自分の
小説の話をブツブツと呟いている。
くそぅ。いい神経してますなぁ(怒)
「あぁぁ〜〜!もぉ駄目!載せたい句が200個ぐらいある!」
「「「「「えぇぇぇぇえ?!」」」」」
       ↑(成留・梓・朱鳥・亜良・永久の声)
 震度、1。震源地、図書室。
「……耳が、耳が……うぅぅ。」
「あ、あああぁぁぁ……葵先輩?!」
「…なに?」
「200句かぁ、いいよ。載せよう!」
「「「「「はぁぁあぁぁあ??!!」」」」」
     ↑(成留・梓・葵・亜良・永久の声)
 震度、1.5。震源地、図書室。(成留談)
「いや、そんな…。200も載せらんないでしょう?」
「ううん。水喬の調子が悪くて、
エッセイが描けないみたいだから。」
「書けない、ね。」
「うちの信念だからほっといて。」
「まぁ、いいけど。」
 朱鳥先輩の信念云々は一応置いといて、
結局葵先輩は去年(50句)の
4倍(200句)をやすやすと書いてしまったのである。

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