チェコの鉛筆会社Koh-I-Noor(コヒノール、コイヌール、コイノー等様々に呼ばれますが、ここではコイノアとします)の簡素な2mm芯ホルダ5216と、クリップつきの5201、軸が短い5228の三種をレヴューします。
左から5216,5201,5228
これらはスプリングクラッチ及び前装式で基本的には同じもの。
ラッカー塗装されたストレートなアルミ製8φ六角軸と簡易芯研器内蔵ノックボタンを持ち、芯硬度表示はなく、特段書くことがないくらいにシンプルな製品です。
5216は軸色が十色あって色鉛筆のよう。
ノックボタンを回して外すと、四枚の金属板から成る電子部品のような簡易芯研器が現れます。
装填できる2mm芯の長さは、5201/5216が125mmまで、5228が98mmまでとなっています。
コイノア純正芯4190はステッドラーより10mm短く120mm長です。
パイロットSシリーズや
カランダッシュフィクスペンシルのクリップを転用できます。
携帯性を考えるなら短軸の5228こそクリップが必要と思いますが、芯ホルダに鉛筆の代用以上の役割を課す気がコイノアにはなかったのかもしれません。
バケツ型芯研器は
ステッドラー502も
ロットリング芯研器もダーレ芯研器も合うものの、回していると口金が緩む場合があり、気になる方は市販の緩み止めを塗るとよいでしょう。
5201は1950年代に発売されて以来ほぼそのままの設計、即ち進化が止まった製品。他に比べチャックが貧弱なことが指摘されていますが、今のところ問題なし。
その5201からクリップを省き、軸色を増やしただけの製品になぜ5216という別の品番が与えられているのか不詳ですが、日本では原型の5201より著名なコイノア製芯ホルダです。そして現在の私にとって最も使用頻度が高い芯ホルダでもあります。
軸のロゴ印刷がズレていたりする、この東欧品質芯ホルダの最大の欠点は取扱店がとても少ないこと。通販サイトで扱われているため解消されていますが、店頭で見ることは稀です。
Koh-I-Noor Versatil 52**- | 5201 | 5216 | 5228 |
---|
芯径 | 2mm |
軸径 | φ8mm |
軸長 | 142mm | 115mm |
重量 | 13g | 12.5g | 10g |
可納芯長 | 125mm | 98mm |