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ダックス 3250 芯研器
2010/11/24 06:00



「空気」の研究(文春文庫(306‐3))

 前回のル・ボンが指摘した群集心理は同調圧力を生み出します。社会安定に資するという民族性も、その影響力が増大すると同調圧力を生じ、群集状態を持続させます。
日本では同調することを「空気を読む」と表現、この風潮は戦前にも見られました。
その「空気」についての本。1977年刊。
 著者は戦前の軍部も戦後の左翼市民運動も空気に支配されていると指摘、空気に支配された行動のため責任が雲散されると非難した。
そこで空気に左右されない固定倫理(絶対基準)を要するが、日本ではそれを天皇などの権威に求めてしまう。
権威を洗い流すと、こんどは民族性という根本(日本人の素地)が現れ、これに従って社会を再構築すると超保守化してしまう。
 日本の左翼は権威を剥がした状態にあり、彼らは天皇を奉じない代わりに他の権威を奉じていると指摘。
それを見れば、日本人が天皇を廃しても日本人のまま空気に左右されることが証されると主張、日本人の民族性は左右両翼関わりなく発現すると指摘した。
 権威の対象を変えるだけでは(例えば天皇→共産主義)、空気支配から脱却しえない。権威にすがる態度を改めねばならず、それを始めるには空気を把握することから、と提言する。

 さて、本書が書かれた1970年代は日本が公害に苦しむとともに左翼的空気が漂った時代でした。
左翼過激派は忌避されましたが、左翼穏健派は庶民の生活防衛に注力して公害問題に専心、一方右翼は公害を軽視、本書に引用されたように排ガス無害説等を主張しました。
しかし米自動車会社が到達不可能とした米排ガス基準に日本車のみが合格(1974年)、このとき日本車の優位性と日本が技術革新できる国であることが示されました。つまり公害対策は日本の国益となったのです。

 技術が世相を変えた現代から見れば、また前々回のベンヤミンが、新たな技術とそれによる芸術様式が世界を変えていると主張したことに比べれば、本書はいささか精神論に傾いており、しかも公害軽視側に立つという痛恨のミスを犯していますが、それをもって本書を無価値とは断じられません。
 著者が群集と対峙した者と捉えれば理解されると思います(この点、司馬遼太郎に立ち位置が近い)。


DUXシャープナー2mm DX3250


 ステッドラー925 35-20Nには同社502芯研器が合わないため、他形式の芯研器を要します。そこで同時注文したのがこれ。
内部中央に2mm芯削りを仕込んだ単純な、筆入れにも納めやすい小さなもの。ドイツ製。
 本品はAmazonカスタマーレビューで酷評されていますが、実際どんな具合かレビューしてみましょう。
 浅くヒビが入っているとかキズがあると言われる通り、私有品にもあります。たぶんこれが本物の証なんでしょうな。
 削りかすを捨てるには上下を二分割して行います。このとき内部の芯研器本体を落としてしまわないように注意。

 本品は円筒形で、芯挿入孔が中心軸線上に位置するため回しやすい利点を持ちます。
また芯ホルダと芯研器双方を同時に、そして互い違いに回せば、少ない力と短い時間で芯を削れます。わずかな差ですけどね。

 刃の切れ味(削れ味)は良好。替え刃もあり(Amazon扱いなし)、ここは問題ありません。
しかし蓋が無く、削りかすが漏れるのはやはり欠点。この点三菱DPS-600が優れています。ただあちらは刃の切れ味が悪い。現在は改良されたのでしょうか。

 刃は卵型や平型と共用。手前が平型芯研器。



 Amazonカスタマーレビューどおりの品物でしたが、刃の切れ味は良く、損にはなりません。転がりやすいのと通販以外では入手しにくいのが欠点ですね。

DUX/ダックス ポケット芯研器・3250 :1850807:文具通販 ブンドキ.com Yahoo!店

DUX/ダックス DX3250用交換芯研器 :1850862:文具通販 ブンドキ.com Yahoo!店



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