「成程」沢田君はごくんとパンを飲み込んで深く頷いた。 「昨日スクアーロが言ってた護衛対象って言うのは涙川さんの事だったんだ」 「そうみたい」 沢田君達は昨日の時点で涙の呪いの話をスクアーロさんから聞いていたらしく、私の説明はわりとすんなり受け入れられた。 「ごめん俺、今まで全然気づかなかった」 「あ、謝らないで。私だって昨日まで知らなかったんだし!それに、沢田君が責任感じる事なんてぜんぜんないよ!」 「涙川さ、ふげ!!」 「いや、あるぞ」 「え!!?」 突然沢田君が潰れたかと思ったら、ススキ色の髪の毛の上にスーツを着た赤ちゃんが立っていた。 「じじじ十代目ぇえ!!」 「おっす、小僧!」 「チャオッス」 片手を上げた愛らしい赤ちゃんは下にいる沢田君にカチャッと銃を突き付けて「コラ、ダメツナ起きろ」とドスの効いた声で脅している。うーん、どこまで現実なんだろう。 「こ…」 「?」 「こんにちは」 「ああ」 なんてクールな赤ちゃんなんだ。 「なまえ」 「は、はい」 「お前、XANXUSからあらかた話は聞いたんだな?」 「え…ええたぶん」 「アイツらがボンゴレの暗殺部隊だってのは?」 「聞きました」 「そうか。じゃあもう隠す必要はねェな」 私が首をかしげていると「まさか、リボーン」と沢田君が震えた声を出した。 「ツナは、ボンゴレファミリーの10代目ボスだ」 お口あんぐり、である。 ×
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