「えええええええ!」沢田君の驚愕の声は普段の彼からは想像もできないくらい大きな声だった。沢田君のクラスのほとんど子がこっちを向いた。焦る私。謝る沢田君。何見てんだゴラァな獄寺君とハハッととことんマイペースな山本君。

「何だ沢田かよ」

「またテスト0点とったのかー?」

しかし意外とあっさり私達から視線は離れた。…え?0点?沢田君0点よくとるのか。
顔を引きつらせて笑った沢田君は深呼吸を何度かして私に向き直った。

「…涙川さん、えーと…ほんとなの?XANXUS達がいるって」

「うん」

「え…?え、涙川さんって…ヴァリアー?だったとか、そういうわけじゃない…よね」

これで確信した。沢田君はザンザスさん達のことを知っている。

「うん…!わたし、一般人!」

「だ、だよね!」

「でもじゃあ何でXANXUSやスクアーロのこと知ってんだ?…十代目、なんかこいつ怪しいッスよ!」

「え!」

「涙川ってスクアーロとかと友達だったのな」

「ええ!」

獄寺君がすちゃっと爆弾的なもの(オモチャだといい。でもなんかそんな気がしない!)をスタンバイした為、私は慌てて昨日の出来事を説明した。

「まず、XANXUSさんが沢田くんちと間違えてうちの屋根を突き破って登場して」

「!!!!!」
土下座しかける沢田君をさっと止める。
何となく予想してたけど沢田君すごい責任感じちゃってる。

「それからXANXUSさんは出て行って」
キスされたことは言わなかった。
イタリア人の過激なスキンシップと私の呪いのせいなんだ。もう忘れよう。

「逃げ出した私をベルが追いかけてきて」
ナイフをガンガン投げられたことは言わなかった。
擦りむいた膝の傷が絆創膏の下でジンジン痛み出してきた。

「家に連れ戻されて、XANXUSさんとスクアーロさんと合流。なんやかんやで私を殺そうとしているわけでない事が分かり、一緒にお寿司を食べました」

「何やかんやって何!!?」

「あ、もしかして寿司ってうちのか?」

「うんそうだよ。美味しかった」

「そっか、ありがとよ!」

「野球バカは黙ってろ!昼休み終わっちまうだろうが!」

私は慌てて時計を見た。昼休みが終わるまであと20分しかない。

「ごご、ごめんね沢田君。お昼ご飯食べる時間減らしちゃって」

「え!いや全然大丈夫だよ!」

「涙川は飯食ったのか?」

「ま、まだだよ」

「じゃあ俺達と一緒に購買行かね?続きは飯食いながらっつーことで」

「野球バカは黙って…や、でもそれがいいか」

「ええ!」

「どうッスか十代目」

「え?ああ、うん。涙川さんさえ嫌じゃなければ、一緒に」

こうして、私は彼らとお昼ご飯を食べることになった。

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