私のその質問に、沢田君は顔をさっと青くした。私にはその反応だけで十分だった。

「なっ、何のこと?昨日は俺ふつーに…いたってふつーに過ごしたよ?ね、獄寺君」

「え、あ、は…はい!そっすね十代目」

「そういやツナ、涙川と会ったって言ってたよなー」

「そうそう!涙川さんと会ってから山本達がうちに来てさ!皆でゲームしてたんだよね、やー楽しかったなあ」

「そ…そうなんだ」

必死な沢田君。もしかして触れてほしくない事だったのかもしれない。私が流すべきか思案し始めた時、山本君が笑って口を滑らせた。

「スクアーロのせいでゲーム機真っ二つんなっちまったんだけどな」

うん。バレたよ沢田君。

「こんのっ野球バカ!」「うおっ」獄寺君が山本君の頭をホールドする。
沢田君は二人の前に立って慌てて手を振った。

「……スクアーロ」

「や!…ちっ、違うんだよ、スクアーロっていうのは鮫みたいなアレで、その」

「…ザンザスさん」

私がぼそっと口にすると、三人は一気に静かになって固まった。教室の片隅に異様な空間が出来上がるのをひしひしと感じながら、私は口を開いた。


「ザンザスさん達……今、うちいるんですけど」

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