「つまりテメェの情報を引き出した奴らを根絶やしにするまで、俺達は日本に残ってテメェの護衛だ」 「そうですか……、はあ、あの、話のスケールが大きすぎてどこまで信じていいのやら」 「全て信じろ」 「むっ、無理です!」 「あ゛?」 「ひい!だ、だって!天井に穴開けたりナイフ飛ばしたりして来る人達を、どうやって信じろと」 「煩ぇ、信じろ」 「むちゃな…」 今や頼れるのはスクアーロさんだけ…!助け船を求めて視線をスクアーロさんに向ければ、ベルの隣で剣のお手入れをしていた。(本物なのかなぁ)ということで、私は殺人集団の真ん中に一人取り残されている事にようやく気がついた。 「……あ、そう言えば」 「どうかしたかぁ」 壁際に引っ付きながら、ふとある事を思い出す。剣の手入れをしていたスクアーロさんが訪ねてきた。剣の手入れについては何も言わない。 「さっきの話…呪いの」 「ああ」 「あれ、代々伝わってるって本当ですか?」 頷くスクアーロさん。 だとしたら。だとしたら… 「うちのお母さんも…?」 「そうだぜぇ。アイツから何も聞いてねぇのか?」 「え、ええ…まったく」 私はお母さんが泣くところを見たことがなかったから、真偽を確かめる術はない。でも、この体質を認識し始めたころ、お母さんは私の体質について何も言わなかった。病院に連れて行ったりもしなかった。やっぱり、知っていたのだろうか。いや、今はそんな事より 「あの、…っ」 焦りが恐怖を上回った。壁から離れ、震える足を叱咤してその人に近付く。名前は何度も聞いた。 「あ、の……っ―――ザンザスさん」 XANXUSの視線が持ち上がる。 私は早継ぎに言葉を並べる。きっとこの三人の中で一番地位が高いのはこの人だ。分かんないけど。勘だけど。 だったらこの人に頼むべきことは一つ。 「私より、お母さんをまもって…!」 懇願せずにはいられなかった。 ×
|