1-1:おいでませ逢坂寮![ 2/16 ]
優しそうな人だ。
「よろしくおねがいします!」
「……こうちょーお。この子寮に入って大丈夫なん?大歓迎だけど心配」
「……きっと大丈夫だよ」
……寮ってそんなに危険なものだっけ?
ていうか寮勧めたの綾子さんなんだけど。
いや、お世話になる以上文句も言えないからどうしようもないけれどね。
「ほら、早く行きな」
「あぁ、そうっすね。華ちゃん、行こうか」
「はい!」
平川先生に続いて、私も校長室を後にした。
綾子さんの笑顔に、私も笑顔を返しておく。
「あいつら何処にいるかな……1番近いのは、図書室かな」
「まぁ、いるだろ」と平川先生は笑いながら言う。
大方の予想はつくものの、昼休みだからか確実ではないとのことだ。
適当すぎるのも……ダメだと思いますけど。
どんな人がいるんだろう?仲良くなれるかな?
「寮って何人いるんですか?」
「ん?俺を含めて4人」
寮ってマンションみたいなのをイメージしてたけど、昨日綾子さんが言っていた大きな家って言うくらいなんだから、人はそんなにいないのか。
生徒さんは3人かぁ……仲良くなれるといいな。同い年かな?先輩かな?
「何処にいんだよー」
図書室についたとたん先生は大きく首を振って室内を見渡した。
「お、いたいた」