3 「エドワード…」 耳元に低く囁くと頭を振って、拒むとも誘うとも知れない素振り。 少し強めに下肢の中心を握り込むと、湿り気を帯びた膨らみを押さえられたエドワードの肩が跳ねた。 「待ちきれなかったみたいだネ」 「…勝手に思ってろ」 減らず口を叩くその柔らかい唇は塞いでしまいましょう。背中から抱き込んでいたエドワードの体を反転させて、向かい合って口を塞いでやった。 空ではお化けにぺろりと食べられてしまった月が再び生まれて三日月にまで成長していたが、鼻から抜けるような声を出して唇を吸われるエドワードも、舌を差し込んで口内を愛撫するリンも、もう月など目に入らなかった。 夜の闇に包まれてぼんやりとしか見えない相手の姿を確かめようと薄く瞼を開けたまま、視線がかち合ったり朧気に逸れたりしながら、唇から、触れた肌から感じる熱で、首に遠慮がちに腕を絡めてくる相手の欲情を感じる。 「んっ、んんっ」 「絡み付いてくるヨ…?」 「はぁ……っ」 忍び込ませた指は、湿り気を帯びた熱い内壁に甘く噛まれた。 馴れた体はすぐに馴染んで、指だけでは足りないと言うように蠢き始める。素直ではない本人とは違って体は素直にリンを、リンが与える刺激を欲しがる。 「脚、開いテ」 「んっ……」 唇を震わせる吐息は熱く甘い。 肩に爪をたててしがみ付く姿は、幾度も肌を合わせた今でも初めての恥じらいと戸惑いを感じさせる。本当に誘うのが上手い――しかもこれが無意識にさらけ出されているから、この子は本当に質が悪い。 「…あ、慌てんな…っまだ、無理…」 押し当てられた脈打つ肉に、全身を薄く朱に染めた少年が拒むように頭を振る。顎を引き、上目遣いにこちらを睨む眦が色っぽくて、それすらリンの欲を煽った。 「もう濡れてるし、欲しそうにしてル…大丈夫」 「あ、っひ、ぃた…っ」 わし掴んで開いた薄い尻肉の窪み、赤く色付いた窄まりはひきつれながらもリンの淫茎を受け入れ、ぎゅうぎゅうと締め付けながら貪欲に飲み込もうと蠢く。何度となく割り広げられ、奥まで突き入れられているのにいつまでたってもこの入り口は狭いままだった。しかし中は先程の指の慣らしですっかり熟れて、熱く火照っている。互いの粘膜で感じる互いの熱は心地良く、そして気持ちがいい。 「…全部挿入っタ」 「いちいち、言わんでもわかる…尻、いてぇし」 肩で息をしながら、エドワードがふてくされたように言う。 窓枠に押し付けられた体勢では腰が痛いらしい。リンはにこりと笑い、エドワードの両脚、膝の裏に手を差し入れた。 ←text top |