nearly equal

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サーカスの後で4


「心配なんだよ、こんなに魅力的でいやらしい恋人を、何ヶ月もひとりにしておかなきゃならない僕の気苦労も考えてよね」

家に連れ戻されたアルフォンスは、まずは両親に勝手にサーカスに入団し家出紛いの(紛いどころではなく立派な家出だったが)行動をして心配させた事を謝った。
そしてその後すぐに、両親とひとつ約束をしたのだ。当時アルフォンスが任されていたのは経営が悪化して、規模縮小を余儀なくされていた事業だった。その事業を一年以内に立ち直らせて、しかもそれなりの収益を上げる事ができたなら、縁談ではなく自分が選んだ相手と生涯添い遂げる事を許して欲しい、と。
両親は渋々だったが、アルフォンスの出した条件を飲んでくれた。恐らく無理だと踏んでいたのだろう。

しかしアルフォンスは半年ほどで事業を赤字から黒字に転換させ、まんまと両親に自分の要望を受け入れさせた。

エドワードと、生涯添い遂げる事を。

しかしアルフォンスにはアルフォンスの事情があるように、エドワードにはエドワードの事情があった。エルリックグループのいくつかの事業を任されたアルフォンスが、おいそれと会いに行く事もできなくなってしまったエドワードと何かしらで繋がっていたいとの邪な理由からエドワードのスポンサーに付いて支援したら、エドワードは瞬く間に売れ出し今では世界中で満員御礼の公演を抱えるトップアーティストだ。

おかげで生涯の伴侶とはうまくいけば月に一度、酷いと半年に一度しか会えないようになってしまった。

「だったら、しゃちょぉなんてやめて、さぁ、オレの付き人にでも、なれ、よ」
「ああ…それはいい考えだ」

きゅっと引き締まった尻肉の奥に指を這わすと、まだ硬く反り返ったままの花芯が零した蜜でしとどに濡れている。
温かく滑る孔は中もびっしょりに濡れていたようで、ゆっくりと侵入してきたアルフォンスの指を甘く噛みながら、抵抗なく奥へと引き込もうと蠢いた。

「随分解れてるね?」
「ん、さっき、お前が来る前…風呂入りながら、我慢できなくて一回、抜いた」

以前から恥じらいが欠如していると思っていたが、ここまでいやらしいとかえって可愛い。エドワードがシャワーに濡れながら自分で慰める姿を想像して、そのいやらしさに我慢も限界になった。

「あ……っ!」

猛ったアルフォンスの淫茎で一気に貫かれたエドワードは、身体を仰け反らせる。
逃げようとする身体を抱き締めて隙間なく身体を重ね合わせると、アルフォンスは衝撃に張り詰めるエドワードの全身の筋肉の動きを感じる事ができた。アルフォンスの肉を痛いくらいに締め付け収縮する下肢も、ふたりの腹の間で脈打つ肉も、そこから熱いモノが迸るのも。そのままゆるゆると腰を振るうと、とろけた身体の力が抜けて後孔もゆっくりとアルフォンスの肉に馴染んでいく。

「見たかったなぁ、エドワードが自分でシてるところ」
「あ、あっ…、いいいっ」
「後で見せてね…上手くできたら、ご褒美をあげる」
「いぁ、ちょうらい、あるのでっかいので奥までぇえ、いっぱいぬぷぬぷズポズポして、なかにいっぱいらしてぇ…!」

挿入だけで達してしまったエドワードはすっかり馬鹿になって呂律も怪しくなってきた。全身の力が抜け、くったりと脱力するエドワードの腰を掴み、アルフォンスはエドワードの中の一番敏感な場所を集中的に責める為に腰を据えた。

「こんな身体で、僕とするまで童貞だったなんて信じらんないよ…っ、いやらしい、可愛い、エドワード、エド…っ!」
「あっ…はあああぁん!らめ、そんな、しちゃらめぇええっ!またイク、きもちくていくぅぅう…!」
「イケよ、僕のちんこ大好きなんだろ?ちんこから出る精子も大好きなんだろ?」
「あぁん、すきっ、しゅきぃぃっ!アルのちんこ大好き、せいしもしゅき、ちょうらぃ…っ!」

アルフォンスが激しく突き上げるたびエドワードの尻を打つ乾いた音と、結合した部分からエドワードの腸液が溢れる水音と、獣のようなふたりの荒い息遣いが、部屋の中に充満していく。

調獣の基本は目を背けない事。どちらが強いのか、どちらが支配しているのかを目で見て解らせる事だ。だからアルフォンスは決してエドワードから目を逸らさない。逸らしたら、頭から貪り喰われるのはアルフォンスの方。

「ある、ん、あぁ…っ!んぅ、もっと、もっとっ…!」

細い腰をくねらせて強請る艶めかしい姿に、気持ちが持っていかれそうになる。
獣は大勢の観客の前に出されると酷く高ぶって落ち着かなくなるものだ。だから調教師は絶対的な支配でもって、それを抑えつけなくてはならない。

しかし高ぶるのは獣だけではなく、調教師も同じ。


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