『美坂家の秘め事』48
バイト先は家から歩いて数分のコンビニ。
高校卒業しても大学へも行かず就職もしなかった。
私は当然の事のように甘やかされて育っている。
両親が海外に生活の拠点を移すと言った時に一緒に付いて行こうと思っていた。
そうそう経験出来る事のない海外生活、そんなつもりはなくても語学の勉強にもなるし…なんて思っていた私に両親が一言。
「日本に残って主婦しなさい。それがあなたの仕事」
そんなわけで私の職業は結婚してないけど主婦、家事手伝いなんてものじゃない。
兄弟三人の食事から掃除・洗濯・買い物のすべてを任されている。
家事の才能がなかった私も一年もすれば普通にこなせるようになった。
そして空いた時間が暇で週に数回、コンビニのバイトをする事にした。
何の不自由もない生活。
まぁ彼氏は居たり居なかったりだけどそんなにこだわった事もない。
友達も普通に居て飲みに行ったり遊びに行ったり本当に普通。
ただ…。
そんな私も悩みが出来た。
困った事に酔った勢いで友達に相談しようもんなら大騒ぎになるのは間違いないわけで…。
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