『美坂家の秘め事』37
ぐちゅぐちゅと淫らな音だけが響く。
全身に汗を掻きながら最後のスパートを拓弥が始めた。
「栞ッ!あぁっ!もぅっ」
拓弥は栞の手を掴んで指を絡めた。
しっかりと繋がれた手で二人の体は一つになった。
激しく喘ぐような呼吸が同調する。
「あぁっん!もぅっ…っ!!」
今まで一番強い締め付けが拓弥を襲う。
「くぅっ!うぅっ」
遅れて拓弥が腰を押し付けた。
すごい勢いで吐き出されてゴムの先に溜まる。
最後の一滴まで吐き出そうと腰を振るわせる。
栞はぐったりしながら胸を激しく上下させて呼吸していた。
拓弥は汗で顔に張り付いた髪を取り除いた。
汗を浮かべる額にキスをすると栞の汗の味がする。
「大丈夫か?」
「…んー」
まだぐったりと瞳は閉じたままだが返事が返ってきた。
拓弥は体を起こすとズルッと硬さを失ったモノを引き抜いた。
ゴムの中には最初と変わらないほどたっぷりとした欲望の証が溜まっている。
拓弥は満足気に眺めてからティッシュに包むとゴミ箱に放り込んだ。
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