『美坂家の秘め事』20
「キレイだよ、栞」
拓弥の中の征服欲が満たされていた。
まるで自分の物であるとでも主張しているような痕に満足気に微笑む。
「あぁ…もぅ…信じられないっ」
栞は恥ずかしいのか両手で顔を覆っている。
拓弥は栞の足を下ろすとようやく下着に手を掛けた。
もうすっかり濡れて下着の意味すらもなくなっている。
「栞、こっち向いて」
拓弥は栞の下着を脱がせると添い寝するように栞の横に寝転がった。
顔を覆っていた手を外して栞が拓弥を見る。
拓弥は腕を栞の頭の下に差し込んだ。
快感で潤んだ瞳を見つめながら軽くキスをした。
「大丈夫?まだこれからなんだよ?」
「大丈夫よ!全然平気っ」
(嘘だ…まだ下着越しに触られただけなのに体がおかしくなってしまいそう)
今までに経験したことのない濃いエッチに動揺していた。
けれど拓弥にバカにされたくなくて精一杯強がって見せる。
「それなら遠慮なく」
ニヤリと笑った拓弥に栞は後悔したがもう遅かった。
横向きにされた栞は拓弥の足で持ち上げられた。
露わになった濡れそぼった場所に空気が触れると濡れているのをより認識させられる。
「ヒィッ!」
拓弥の指が何の前触れもなく栞の蜜壷に挿し込まれた。
骨ばった拓弥の中指は何の抵抗もなく受け入れられる。
「とりあえず…一回イッとこうか」
そう言って探るように指を動かし始めた。
(えぇっ…)
まるで今までとは違うエッチについていけない栞だがそんな事を思う余裕すらなくなっていく。
「あぁッ!」
拓弥の栞の中の一箇所を指で触れた瞬間、甲高い声を上げた。
動いていた拓弥の指が止まって確認するようにもう一度ググッと押し上げた。
「あぁッん!あぁっ…」
今までとは違う激しい喘ぎ声を上げる。
確信を得た拓弥は指少し曲げて激しく擦り上げる。
「いやぁっ!だめ、だめ、だめぇっ!」
逃げようと激しく体を捩るが栞の上半身は拓弥にしっかりと抱えられていて動くことは出来ない。
「栞さぁ…潮吹いたことある?」
指を動かしながら余裕のある拓弥が栞に問いかける。
けれど聞こえていないのか答える余裕のがないのか激しい嬌声を上げているだけだった。
(やだっ、嘘っ…怖いっ!何、何なのっ!)
初めて襲う激しい快感に体が飛びそうになっている。
こんなのは初めてだった。
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