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07 君と僕の絶対領域


マヨ「…でいいよな?」
沖「あーそうッスね」
マヨ「ってテメエ聞いてねえだろッッ」
沖「あー聞いてやすってば、土方が死ねばいいのになァって話でしょ?俺も同感ですぜ」
マヨ「っざけんな!おめー本人前に良く死ねとか言うなー信じられねえ」
沖「あれ、土方さんじゃねーですかィ。おはようごぜぇやす」
マヨ「さっきからいるっつの!ってうか俺とお前で話してるの!」
沖「あれ、そうでしたっけ。俺はマヨと話していたんですが」
マヨ「なんだよ、マヨって!意味分かんねーよ
沖「んでなんですかィ」
土「やっぱり聞いてねーじゃねーか。だから、今度の土曜の事だよ」
沖「あぁ、誕生日」
土「忘れてねえだろうな。お前ん家に集まるのは2時くらいでいいか?」
沖「随分早くねぇですか」
土「あぁ、山崎がなどうせやるならいろいろ飾り付けしたいとか言いやがるから」
沖「あー、いいんじゃねぇですか。つかアイツ自分の誕生日なのに何言ってやがんでぃ」
土「そのほうが近藤さんと志村姉がより仲良くなれるだろうって、あいつ気ィまわしすぎなんだよ」
沖「山崎らしくていいんじゃねえですか」
神「随分本格的アルな、楽しみネ」
沖「ってめえはイキナリ話に入ってくんじゃねえよ、びっくりするだろうが」
神「ふふん、私の気配も感じ取れない様じゃお前もまだまだアルな」
沖「別にテメエの気配なんて感じたくもないし」
神「んだとッ!やんのかコラァ!」
土「あーうるせえから、静かしにしろ」
神「ね、ね、料理とかはどうするアルか?ケンタ?ケンタアルか?やっぱりパーティはケンタだよナ!ケンタだって言えよコノヤロー」
土「はいはい、じゃぁケンタな」
神「後ピザも頼もうヨ!パーティと言えばピザアル!」
沖「あ俺、焼きそば喰いてぇ。つーかチャイナてめえは仮にも女なんだから≪私がつくるある≫とか言ってみなせぇよ」
神「料理は新八が得意だから奴に任せればいいネ、私はジミーと一緒に飾りつけするアル。あ、お前も料理得意なんだろ?お前も料理係なナ」
土「勝手に決めてんじゃねーよ」
神「あ、トッシーは私たちと一緒に飾り付け係アルな」
土「人の話聞いてんのかコラ」
姉「あら、じゃぁ私はお料理係やろうかしら?」
神「アネゴ!」
土(そ、それはまずいんじゃねーか)
神(非常にマズイアル。緊急事態ネ)
姉「何をごちゃごちゃ言っているのかしら?」
土「ちょっと待った!一旦白紙に戻そう、そうしよう」

・・・・・・
土「よし、これで決まりだな」

料理担当:弟・神楽・沖田 飾り付け担当:山崎・姉・近藤・土方

***

「なんで私が料理係アルかー飾り付けしたかったネ。ドンキに行きたかったネ」
「いーじゃねーかよ。イトーヨーカドーも楽しいぜ」
「そうだよ、神楽ちゃん。ほら、早く買い物しちゃおうよ」

土曜日の昼下がり。 授業を終えて、一旦それぞれの家に帰り準備してから沖田の家に集まる。 何度かしか見たことない私服姿は新鮮だ。 そしてこの間強制的に振り分けられた担当に分かれて買い出しにでかけた。

「なんでドSとメガネと買い出しアルか、私アネゴと行きたかったネ」

行くのは一番近いスーパーのイトーヨーカドー、徒歩5分。そういえばセブンなんとかとか名前が変わったような気がする。

「いや、ここでは神楽ちゃんもメガネだからね、ぼくより酷いメガネだからね」
「仕方ねーでさァ、今日は近藤さんの為なんだぜぃ。テメエがいたら姐さんはテメエとばっかり話すだろ」
「それがイヤアル。…アネゴ可哀そうネ」
「うーん、近藤さんも悪い人じゃないんだけどなぁ」
「我慢しなせぇよ、ほらチャイナ。カートとカゴ持って来いよ」
「自分で持ってこいヨ、お前にだけは命令されたくないネ」

どうか無事に買い物が終わりますように。 その新八の思いをよそに二人の問題児はズカズカと進んで行ってしまう。…なんで僕がこの二人と一緒なんだ…一番可哀想なの僕じゃね…いや、違った一番の被害は山崎さんだ。ご愁傷様…。
そんな新八の思いは誰にも届かない。

メガネの弟を引き離した事を確認すると沖田は精肉コーナーにへばり付いてなにやら真剣に吟味している神楽に近づく。余程肉に集中しているのか、全く沖田の気配に気づかない神楽の耳元にわざと息がかかるように話しかけた。

「なァ、今日って銀八になんつって来たんでさァ」
「うぉぅっ!イキナリ耳元で話すんじゃねーヨ!ゾワッてくんだろーがッッ!」
「別に俺はいいんだぜィ。メガネに聞こえても」
「くっ…卑怯アルな」

手には肉のパック持ったまま耳を押さえチャイナが睨み付ける。
ふーん耳が弱いのか。

「んで、何て言ってきたんでさ、俺んち行くつったのか?」
「そんな事言えるわけないネ。あの天パいちいちうるさいアル…アネゴんちでやるって言ったヨ。アネゴもそうしたほうがいいって言うし」
「そーだろうなァ」
「だからついでに終わったらアネゴんち泊まりに行くアル、楽しみネ」

ついでにだったら俺んちに泊まれば良いのに。志村家なんてバスじゃないと行けないだろ。なんて思っていても言えるわけがない。

「ふーん、だからあんな大荷物だったのかィ」

まぁ、そこまで準備整っているなら心配することもないか。ただでさえ過保護だというのに俺の家で遊んでいるなんてしれたら何言われるか分かったもんじゃない。志村家なら親は家に居なくて二人だけだというからコイツが転がりこんでも大丈夫だろう。

「…」

ちらっとチャイナを横目に見ると骨付き肉をヨダレ垂らしそうな勢いで見ていた。生肉見てヨダレってどんだけ野生なんだよ、信じられねえ。
ていうか…なんか二人でこうしてスーパーで買い物って良くね?なんか同棲してるみたいじゃね?
しかしその幸せに浸るのも束の間の出来事でしかなかった。

「ちょっとちょっとッッ、勝手に先行かないでくださいよッッ」

引き離したはずの志村弟が追いついてきた。つうかなんでコイツがいるんだよ、誰だよ決めたの、死ね土方。俺にも気を使えっての。

「…やっぱり僕が一番可哀想じゃね?」

ただならぬ沖田からの殺気に新八は思わず呟いてしまう。 というかあれ、沖田さんと神楽ちゃんてそーゆーあれだったっけ?いやいやいやッあれはあくまで噂で、そんなことはないはず。うん、多分無い。

「新八にはお似合いアルよ、元気だせ」
「いや、全ッッ然嬉しくないんだけど。いいんだ僕にはお通ちゃんがいれば」
「これだからアイドルオタクは。さ、買い物アル〜」
「そうだぜぃ、元気だせよ」
「…お前らのせいだろォォっっ!」

うん、気のせいだ気のせい。気のせいという事にしないとこの先やってられない。そう新八は心に決めた。

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