「ブレイン・へモレージ〜10.31〜」-5P

「ゲフ!ゴホゴホッ!クリーム、にが…」

咽び顔を赤くして目を潤ませ、驚いた表情で口からクリームとも精液ともつかない怪しい粘りを滴らせる

「こぼさないように練習が必要だな」

僕はもはや邪魔でしかない衣類を脱ぎ捨て、頭の上に疑問符が浮かんだままの竜崎の体を背後から押すようにして一緒にベッドに倒れ込んだ

犯したい衝動が暴走し、向かい合って組み敷いた細身の体に二つ折りの辛い体位を強要する

「エル、欲しい」

大腿を担ぎ上げて秘部を晒すようにすると、僕はひどく嫌がる竜崎の股の奥にあるきれいなその蕾に沢山のクリームを塗りつけた

「ひ、」

冷たい感触に戸惑う

何度か中指の腹で撫でるようにしてクリームを馴染ませ、油脂の滑りに任せて掻き分け奥へと入れ込む

「ヤ!ン、」
「抑えられなくてごめんね竜崎。ちょっと…ひどくする」
「ア!、嫌、いた、ァ、ッ…!」
「ごめん。でも今日こそおまえを最後まで抱く。僕のものにするよ」

耳元で告白しながら、熱情に任せた指使いで竜崎の秘部を溶かしてゆく

熱く柔らかな竜崎の内側を確かめるように爪で優しく掻くと泣き出しそうな声を上げ、愛してほしいのだと、きつく指を締めつけた

その反応に我慢出来ず、僕は指を引き抜き、求めて勃ち上がった自身の先端を竜崎の蕾に擦り付けた

そして尻を担ぎ上げるようにして、滑りに任せてゆっくりと自らの杭を竜崎の蕾に挿入していった

「ア!あ……くっン、んン……やめッ、ハッ…ハァッ、アー…ッッ!」

苦しげな表情を浮かべる竜崎の目尻を涙が伝い落ちた

僕は構わずに竜崎の陰部の奥深くまで自らを突き刺し、肌を密着させると欲に任せて腰を揺らした

「んっ、あ…ン!、イヤ、月君、ダメ…んンッ!、ヤッ…!待っ…、おね、が、」

待て?もう十分待ったさ

「ダ、…っ」
「ダメじゃないだろう?こんなに咥え込んでるくせに」
「ち、がァ…ッ」
「じゃあ好きでもない男を相手にこんな感じ方をする淫乱なのか、お前は。フェラチオにも慣れた感があったしな?どうなんだ、認めろよ。僕が欲しかったんだろう」

冷徹に吐き捨て苛(イジ)め抜く

はいと言わせたくて竜崎の思考を破壊する為に初(ウブ)な性感帯を何度も執拗に突き上げてゆく

激しい交わりで、愛しい竜崎の嘆きと、濡れた接合部が擦れたグチュグチュと耳を塞ぎたくなるような猥褻な音が部屋の中に響いた

「ヒゥ、!ッ、」

おまえの悲鳴が僕の愛を育ててゆく

ああ、遂に僕は今おまえを抱いている

長らく渇望し続けた憧れの体の中で愛を震わせ、それを掴んで離さないお前がいる

発情した僕を、初めて雄を咥えただろう竜崎の蕾が脳天を劈(ツンザ)くような甘え方で求めてくる

何かと衝突する性格に反して、僕らの体の相性がいいことを知った

「ハァッハァッ…あァ…竜崎……こんなに濡らして……凄くいい…欲しいって言って」

気絶しそうな竜崎の耳たぶにしつこくキスをし言葉をせがむと、意中の相手は頑なに首を横に振った

ゴリッ

「アアァッ…ッ!!」

僕をフッた罰に奥に秘めた一番大事な性感帯に硬い杭の先を確実に押し付けて一度強く擦(コス)ってやると、驚いた体が大きく仰け反った

「エル…最後までイきたいだろう?」

目の前に火花を散らして混乱し、怯えた表情で火照った頬を泣き濡らす

「泣かないで…今日のおまえは本当にきれいだ。一言くれたら、つま先まで満たして天国へ連れて行ってあげるよ」

「……ほ、 し」

甘く囁く方が覿面(テキメン)か

「あなたが…欲しい―」

その一言だけが、いやに大人びたいつもの竜崎の声だったような気がする

だが待ち望んだ言葉に心を射止められた後の記憶は曖昧で、全ての思考回路を遮断して情事に夢中で耽(フケ)ったせいかよく覚えていない

翌朝目覚めると、ほんの僅か先に目覚めた顔面蒼白の竜崎と視線が合致した

竜崎は僕の背後に巣食う死神を見たような顔であんぐりと口を開け、驚きの余りそのままベッドから派手に転げ落ちた

その後で、起き上がろうとした拍子にひどく下半身を痛めて歩行困難になっていた姿に、僕は昨夜の愛の名残を感じたのだ






「ブレイン・ヘモレージ〜10.31〜」−完−
2017.10.27


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