「ブレイン・へモレージ〜10.31〜」-4P

「いい子にしてろよ。ケーキが欲しくないのか?」

逃げようとしたことに腹を立て悪意の塊のようなどす黒い声を浴びせると、竜崎の目が心なしかキラキラと輝いた

「ケーキ…」

大好きな名前に上体を起こす

「そうだよ。ミサが手作りした、お前の大好きなクリームたっぷりのケーキだ」

僕の言葉に甘えたようなまん丸い目を向け、せがむように手を伸ばす

「クリーム、」
「そう。欲しいだろう?」
「欲しいです、クリーム」
「あげるよ」

冷たく答え、僕はケーキの端を素手で握り潰して掴み取り、そのまま竜崎の目の前に差し出した

反応を試したつもりだったが、酔いのせいなのか

気位の高い竜崎が跪(ヒザマヅ)いたその体制で手に唇を押し付け、指に吸い付いてきたことに僕は驚いた

「…… ハッ…」

差し出した手首を逃がすまいと掴み、音を立てて指先のクリームを吸うその仕草に背筋を逆撫でされ、僕は口の端を吊り上げた

従順な姿に体中の血液が逆流するような感覚に襲われながら、僕は考えた

今なら、クリームが付いた物なら"何でも"口に含むだろうか?

夢中で頬張る光景を見下ろしながら、竜崎が自分のそれを"咥える"姿を想像した

下手をすると、噛み付かれるかも…?
だけどー

冷めた表情で見下しながら卑猥な欲望を描き、どうしても目の前の相手にそれを強(シ)いてみたくなった僕は竜崎の口から自分の手を引き抜いて取り返した

「クリーム、もっと」
「フ…。ああ…もっと舐めさせてあげるよ」

足元で欲しがる竜崎の頭を撫でたその手で、ズボンのチャックを下ろし、僕はもう片方の手でケーキを抉(エグ)って掴めるだけのクリームを掴み取った

竜崎の表情が一瞬曇り、拒絶を示して目を逸らしたが、目の前をクリームが過(ヨ)ぎるとすぐに視線は戻って来た

もうずっと前から熱が上がり苦しくなっていた自らを取り出し、僕は竜崎の目の前で大好きなクリームを先端にたっぷりと塗ってみせた

間もなく熱で融解したクリームがポタポタと床に滴り落ち始めた

竜崎はしばらくの間その様子をじっと眺めていたが、不機嫌な目で僕を仰ぎ見ると首を振るい、上半身を翻した

「んっ」

すかさず腕を掴み、無理矢理振り向かせて顎を掴むと、僕は嫌がる竜崎の口にクリームまみれの脈打つ杭を押し当てた

「どうした?おまえの大好物だろう。歯を立てるなよ…。上手に舐めれたら、残りのケーキも食べさせてやる」

僕の言葉に、いまだアルコール漬けの脳で思考の鈍った竜崎は微かに口を開いた

僕の先端をほんの少しだけ唇に咥え、滴る甘い液体を舌先で舐め取って味を確かめる

「いい子だ…エル」

優しい手付きで頭を撫でてやると、竜崎は口の深い所まで僕を入れ、ゆっくりと食んだ

チュ…チュプ……

「ああ…上手だよ」

僕は天を仰ぎ、竜崎の髪を撫でながら感歎のため息を吐いた

甘いクリームを求めて口内の熱く柔らかな肉壁が性器に吸いつく感触に溺れる

「ハァッ…ハァ…ッ」

ねっとりと裏側をなぞる、慣れた風な舌使いに瞬く間に快楽の極みに突き上げられる

「…ッ…あぁ、エル…!出すよ、飲んで……ッ!」

全身を震わせ口の中で達して勢いよく射精すると、竜崎は嗚咽を漏らし激しく噎せ返した


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