トリップ続編 | ナノ
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「私に依頼?」

「そう、こっち終わったら行くから。地図通りに行けよ、迷ったら直ぐ人に聞く事」

「……迷わないし」


どんな依頼かも行けば分かると教えてはくれず、地図通りに進むと多分来た事の無い所。随分華やかな場所で目的地の茶屋につくと車椅子に乗った綺麗な人が私を見た瞬間笑顔を送ってくれた。


「初めまして日輪です、わざわざ来て貰ってごめんなさいね、ここじゃないから移動しましょうか」

「はい、初めまして名前と申します宜しくお願い致します。」

「ふふっ、知ってるわよ。」


知ってる? 私の事知ってるの? 銀さんの知り合いかな? ……日輪さん、日輪さん!? ちょっと待って吉原の!?


「え、……ここって……」

「ようこそ、私達の吉原へ。」


えぇ!? ここ吉原なの!? 何で!? ここの依頼なら銀さんじゃないと駄目じゃん……!


でも笑顔で案内されたら付いて行くしか出来ない、吉原って……、居るよね、あの人、私絶対嫌われてるしこんな所に来るの無神経じゃない?


「先ずは着替えて貰える? 着方分からないって聞いてるから人を付けるわね、月詠って子がもうすぐ来るからここで待ってて。」


つ……!? 待って待って嘘でしょ会った事無い、でも私の事知ってる……よね? 着方教えて貰う? そんな馬鹿な、どうしよ、どうしたら良いの、どうしたら良いの銀さん!!


「っ、」

「日輪が無理を言ったそうじゃな、部屋まではわっちが傍に居る、そう怯えなんし」

「えっ、い、いえ、す、すみませ、……っ、」


優しい、どうして私に優しく出来るんだろう、私はこの人に何も出来ないのに。

固まってる私に、普通の着物より重い華やかな着物を丁寧に着せてくれて化粧まで施してくれてた。目の前のお顔はとても綺麗で、こんな間近で見せられると私よりお似合いだなって、心が弱ってくる。


「日輪にやって貰うた方がぬしも良かったんじゃろうが、わっちと二人きりにさせたかったらしい。悪気は無い、嫌な気分にさせたのならわっちが代わりに謝ろう」

「い、いえ、私は謝られる事は何も、こんなに丁寧にして頂いて、……すみません」

「もっと強気だと聞いておったんじゃが、度を越えた客には蹴り飛ばして構わん」

「え!? 」


もしかして私花魁するの!? 色々衝撃過ぎてついて行けない、しかも蹴り飛ばすって……銀さん何言ったの。


「……わっちの態度で何か誤解を与えたのかも知れんのじゃが、ぬしの心配するような事は無い、わっちは仲間で居たい、ただそれだけじゃ。」

「……私の事、……嫌いじゃ、無いですか?」

「わっちが? それはぬしの方じゃろ、あからさまに目を逸らされた事があったのを覚えておる。」

「っ!? す、すみませ……っ、び、びっくりして、見過ぎたかと……っ!」

「視線は感じておった」

「すすす、すみませんっ、か、格好良くって、!」

「……ぬしが、わっちの胸を触りたがってると、銀時が日輪に言ったそうじゃ。」


銀さんんんんん!? 何を喋っているの!? ねぇホントに何言ってるの!?!? 私変態じゃん、元々悪い印象がどん底まで落ちた!!


「まぁ、触りたいなら好きにしなんし」

「え!? 良いんですか!? じゃ、無くて! 違うんですっ!私そんな変態的な意味で言ったんじゃなくて、おっきくて柔らかそうだなって、っでもなくて! あああ、こ、好奇心でっ!凄くおっきいから、! いえ別にお胸ばっかり見てた訳でも無くて!」

「は! はははっ! 」


わっ、美人が笑うと破壊力凄い。


「焦り過ぎじゃ」

「す、すみません、」

「花魁がそう易々と頭下げたら自分の値が下がる、堂々と前を向いて胸張って笑って、それが花魁。ぬしも自分を卑下にせず胸張って隣に居たら良い、自分の隣に居る時のあやつがどれ程緩みきった顔してるか良く見てみなんし」

「そんなに銀さんの事見てたのかい、そりゃ目を逸らされて当然だろうねぇ。」

「っ、たまたまじゃ! 偶然見掛けて視界に入っただけじゃ! 」

「そうかいそうかい、じゃあ部屋の準備が整ったから行きましょうか」

「あ、はいっ。…………あの、月詠さん、」

「胸なら終わった後で触らせて貰ったら?」

「ち!? 違うですっ!」

「え? 触りたくないの?」

「触りたい! じゃ、なくて! そうじゃなくてっ!お友達になりた……ぃ、んですがっ、っ、あ、でも、もし良かったらで! 嫌でしたら断ってくれて全然大丈夫なので……っ!」

「良かったじゃない、貴重な友達が出来て。月詠友達少ないから。」

「余計なお世話じゃ。ぬしが良いならわっちは構わん。」

「え!? 本当ですか! えっ、触っても良いですか?」

「やっぱり触りたいんじゃな。」


触りたいです。



・・・



部屋の前まで送ってくれた月詠さんは後でまた来てくれるそう、その時触って良いって許可を貰った、とても楽しみ。私の事嫌だろうと思ったのに優しくしてくれて、銀さんの知り合いって本当に皆優しいし温かいな。


ノックをすれば中から聞こえる返事、簡単なお作法だけ教えて貰った、分からない事は雰囲気で。


「ご指名嬉しゅうございます、本日初めてのお座敷になりますが愛情込めて精一杯おもてなしをさせて頂きますので、宜しゅうお願い致します」

「こちらこそー、仕事帰りでクタクタだから、たっぷり癒してちょうだいね。」


緩く笑う銀髪さんが、私の初めてのお客さん。



・・・



仕事終わりにコレは贅沢だな。

格好と化粧、髪型も違えどこれは名前なのに無邪気に笑う普段の姿とは程遠く、真っ赤な紅を付けて妖艶に笑う姿は花魁そのもの。


「お疲れでありんす?」

「うん、でもアンタ見てたら癒されてきた」

「ふふっ、それは嬉しゅうございます」


いつもみたいにゴクゴク水みてぇに飲まないで、ゆっくりゆっくり味わうようにお猪口を口に運び俺にもゆっくり注いで来る。

時折視線が重なりゆるりと笑みを浮かべて酒を飲み、唇についた酒をいつもなら舐めるのに指で軽くなぞるように拭き取るモンだから、こんな短時間でサマになってて感心するわ


「この佃煮美味しゅうございますよ、銀時さんも如何でありんす?」


呼び方まで徹底してるよこの子。こうゆう所もホント良い、遠慮無くて楽しめる。


口を開ければ、いつもより少なめの量を手を添えなから運んで来るのを顔を見ながら受け止める。付いてんのかわざとなのか俺の唇を指でなぞってからその指を自分の唇に持って行き、口角を上げながら軽く見えた赤い舌が指を濡らす。絶対ェわざとだ。

思った以上に本気でやってくれんのね、煽りが凄い。初対面でそんな誘惑して大丈夫かお前は、危ねぇ客だったらどうすんだ。


「本当に初めて? 結構誘惑してくっけど、狙ってやってんの?」

「さぁ? 内緒でありんす。」


得意のナイショ、唇の前に人差し指を当て、弧を描く赤い紅は誘惑以外の何がある?


「ふーん、まだ汚れも知らねぇような初々しい顔して、何処まで知ってんのか気になっちゃうな。」

「わっちに悪戯したら、おっかない鬼が来ますよ?」

「アンタが黙ってれば来ねぇよ。」


口に運ぼうとしてるお猪口を奪い取り煽る、こいつの後ろに片手を付いて距離を詰め、指で頬を緩く掴むように沿わせゆっくりとした動きで顔を上げさせても、される事は分かってるだろうに抵抗は無く大人しい遊女だな。


「んっ、」


移るであろう紅には気にせず隙間なく押しつけた唇をゆっくり開き、察してたんだろう直ぐに開いた唇から口に含んでた酒を流し込む。鼻から抜けるアルコールに酔ってんだかコイツに酔ってんだか、一瞬揺れた視界を振り払うように酒を追い絡ませてもやっぱ大人しいな。


「はぁっ、」

「旨い? ここの酒。」

「ん、おいしい、」

「もっといる?」

「……っ、い、りんせんっ、」

「くくっ、素直じゃ無ェなァ?」


再度酒を持てば止めるように伸びてくる形ばかりの手は無視し口に含み、今度は頬を掴んで無いのに顔を寄せれば顎が上がって唇も少し開く。そんな事普段なら無いが理由は簡単だ、


「んっ、……、おいし」


ただ酒が飲みてぇだけ。


流石吉原、出す酒も極上だ。本当はいつもみてぇに飲みたいんだろうが、飲みに来たワケじゃねぇかんな、遠慮がちにしか口にしてねぇし俺を楽しませようと、おもてなしを頑張ってくれてるのが分かる。

だけど余程酒が魅力的らしい。離れようとすれば俺の唇に残ってる酒を追ってんだか自分から舐めて来るし、垂れた酒を指で拭ってやったらその指まで舐め取られた。どんだけ飲みてんだってな。


「なに、まだ飲み足りねぇの? なら俺にも飲ましてよ、客にばっか注がせんの?」


照れもせずじっと見上げて来る目は催促なんだろう、普段からは考えられない、軽く重ねるだけでも照れんのに。
酒の力ってすげェな、酔うだけが酒じゃねぇわ、テロリストの前でもゴクゴク飲んでんだ、旨い酒がありゃいつもならやんねぇのに躊躇なく合わせてくる。


「、おいし?」

「最高」


無邪気に笑う顔はいつもの見た目じゃねぇけど雰囲気がいつもの名前だ。もう頭には酒しかねんだろうな、俺には美味しい話だから良いけどよ。


「は、もっといっぱいちょーだい」

「強欲だねぇ、嫌いじゃねぇわ」


酒に溺れるコイツも悪くねぇな、酔いはしなくても余程好みなのか流し込む度にトロンとする顔が何とも言えない。こっちに流して来る酒の量が少なくなってる気がするから多分自分でも飲んでんな、まぁそれは良い。こいつのペースで飲まされたら沈む。


「ん、ね、もっとお口に沢山含んで」

「えぇ、楽しもうよ、ちゃんと味わって飲めって。」

「足んないっ、」


何て我儘な遊女。俺の着物引っ張って催促してくんだけど、酒を。
もっと俺に興味持って……。


「はぁ、おいし、……ここで働いたら飲み放題?」

「おい何バカな事考えてる? 違うモンも飲まされんだぞ、ふざけんな。」

「何飲まされる?」

「それは良い。お前俺以外の男に酒飲まされてぇの?」

「やだ、毎日銀さん来て?」


恐ろしい子……!! 花魁にハマるなんて洒落になんねぇ額だぞ、身が滅ぶ、一生を花魁に潰される。

でも、こいつに来てと言われて断る自信も無ェな、花魁じゃなくて良かった。


「バカな事言ってねぇで今たんまり飲んどけ、これお前の報酬だから。」

「え? 本当に依頼なの? 私何もしてないよ?」

「さっき頼まれた、酒好きなだけ飲んで良いから晴太の弁当作ってってよ。明日明後日忙しくて作れねんだと、けど行事あるらしいからちゃんとしたモン持たせてぇって。」

「そうなんだ、じゃ、作って朝届けようかな。」

「俺送るから、そのまま仕事行けば丁度良いんじゃね?」

「ありがとうっ! え、じゃあこれ飲んで良いの?」


あー、しまった、言うの早すぎた。折角のお楽しみタイムを自分で終わらせちまったよこれ。

「わーい」と笑いながら飲み始めた、それはもう旨そうに。良いけどね、良いけどよ、もうちょっと俺に興味を持て! 酒に負けた……!


注いでくれっけど、帰れなくなったら困るし明日朝起きれなくても困るから旨そうにゴクゴクと客を放って酒を飲む遊女を、テーブルに肘付けて眺めてた。

伸びた紅は拭き取っちまって薄くなり、俺の唇まで綺麗に拭いてくれる優しさはある豪酒な遊女。


「つまんない? 」

「いやぁ? 旨そうに飲むなぁと思って。」

「うん、凄く美味しい。」

「良かったねー」

「……んー、舐める?」

「は?」

「あ、」


は? え? 何で口開けてんの? 舐めるって何を? いきなりなんだ、何が起きた。


「要らない? 何したら楽しい?」

「待って何の話? 何してくれようとしてんの」

「指舐められるの好きって言ってなかった?」

「エッ、指、を、咥えようとしてくれてた、の!?」

「うん」


えぇえ!? どうして!? いつからそんな いやらしい子になっちゃったの!? 嬉しいけどね!


「指舐めるのがそんなにいやらしい事なの?」

「心の声ェェェェ!」

「いや口に出てたよ。でもそれで銀さんが楽しめて私は恥ずかしくないから丁度良いね? じゃ指ちょーだい。」


指ちょーだい……! 何て破壊力のあるワードッ!

遠慮無く人差し指を唇に乗せたら手を握り、指先に軽く舌先使ってチロッと舐めてきた、第一間接までを子猫のように舐めてきて、だけど爪の輪郭沿わせるようになぞってくるから子猫なんて可愛いモンじゃねぇな。

にしてもこいつ、あん時の真似してんだ、俺がバナナ咥えさせた時やらせた通りにやってきてる。指先を舐め尽くした後、指の付け根まで下り舐め上げる、思わずピクリと動いちまった指に即座に反応を見せたが、俺に視線を合わせたまま首を傾げるだけで何も言わないし分かってもない。


「……続けて」


言えばすんなり再開され、丁寧に舐め尽くされた指を今度は深く咥えてる。

もう、……堪らん。
あったけェし舌柔けェし、唾液を絡ませながら口腔内でねっとり舐めて来てるよ、いやマジで上手ね? 俺そんな教えたっけ?


「ん、おしまい。」


拭かなくても良いのにこれも丁寧に布で拭われた、それでもまだ温もりが残ってる指がもっと欲しいと脳に訴えてくる。


「楽しかった?」

「……」

「……あぁ、……うん、楽しそうで何より。」


何も言って無ェのに、言いながら俺を見上げて分かりやすく顔が引き眉間に皺が寄った。何だよ、怖ェ顔してるってか? けど仕方無くね? んなねっとり舐めて来て興奮しねぇ方がおかしいだろ。


「俺も舐めてやろうか」

「ようざんす」

「遠慮すんなって、酒飲んでて良いしさ、こっちの手だけ貸しといて。」


片手がありゃ酒飲むには十分だろ、人差し指の腹にほんの軽く唇を当てれば酒を飲みながら横目で視線を寄越してきた。ゴクッと酒が喉を通った音が響く中、ねっとりと付け根から指先に掛けてゆっくり舐め上げる。満遍なく唾液を行き渡らせるよう隅々まで舐め尽くし、酒を飲むスピードがどんどん遅くなりお猪口を持つ手に力が入ってる姿を見ながら指の間まで舐めてたら手が揺れ始めた。

時折視線が重なるが直ぐに逸らされる。ゆっくり咥え込みわざと音を響かせて動かせば、困った顔しながらお猪口に唇を付けたまま視線が戻って来るけど多分もう飲めてねぇな。


「ん、……っ、」


お猪口を持ちながら指で唇を押さえ、漏れた声がそんなに恥ずかしかったのか耳が赤い。


「どーう? 指舐められんのも中々気持ちーしょ?」

「……んーん、」

「そー? 可愛いー声漏れてたけどな?」

「……、銀さんが、いやらしー舐め方するから」

「くくっ、」


指を絡めて握り、肩を抱き寄せこっちを見ない目尻に唇を押し付ける、いつもより派手な目元だけど下がる目尻は同じだ。


「……ふふ、そーやって、優しく触れて遊女と遊んで来たんだ。」

「バカ言え、こんな優しく触んのはお前だけだっつの」

「知ってる」


細めた目も上がる口元も随分と挑発的だけど、強気な唇塞ぐのも悪くねぇよな。








本当はちょっと着物崩したかったけど、綺麗に着飾ってたから止めといた。それはまた今度にしよう。


「お待たせーっ!」

「おー」


着替えを終えて走って戻って来た顔からさっきの派手めの化粧は落とされて薄くなっている、なのに頬が若干赤いと言うか火照ってる気がすんだが一体何をして来たんだお前は。


「すっごい柔かったぁ、ずっしり重みもあるし、お化粧落としてから一回ぎゅうして貰ったの! 何かもう、凄いね?」


触ったんか、こいつマジで触ってきたよ。つか俺に同意を求めるんじゃない。


「あれが銀さんの好きな大きさかぁ」

「やめなさい、俺はお前のが良いっつってんだろ」

「私が突然お胸大きくなっても喜ばない?」

「……」

「あれが銀さんの好きな大きさかぁ」


何でちょっと笑ってんだよお前、もう楽しんでるよね? 俺の反応見て楽しんでんだろ。


「間接的になら触ってもいーよ? 」


なんだコイツ。楽しそうに手の平見せて来てバカにしてんな? お前が良いと言いつつデカいのは好きだと思ってやがるからか、俺がもう他の触んねぇっつったからか?


「ごめんねぇ、私だけ触っちゃってぇ」


はーん? もう怒った、何が腹立つってその挑発が俺に効くと思ってる所だ。いらねっつってんのが何故分からねぇかなこのバカは。


「きゃぁ!? やっ、や! 何するの!!」


腕を引っ張り後ろを向かせ、裾から両手突っ込んでいつもなら優しく触ってやるけど腹立つから掴んでやった。


「俺はこれが良いんですぅ、他は要らねぇの。」

「やっ、や、いやだっ、やだやだっ、離してっ!」

「お前がバカな事ばっか言うからだろ、俺にあんな挑発が効くと思ってんのか? 触りてぇと思わねぇっつったのに忘れたワケ?ならしょうがねぇから思い出させてやろうか、今度は何しよっかなぁ。」

「やだ!? ……ぁっ、待って、手ぇ止めてストップ!」

「ダメ。悪い子したからお仕置き。」

「うぅ、……っんぅ、…っ、」


空気次第で同じ事しても全然反応が違う。俺が怪しい雰囲気出して触れば怖がるし、頑張るモードだと抵抗も少なく反応もイイ、こうやって無理矢理触ってんのに怖がんないのは自分に非があるってちょっと思ってるからだ、だから嫌がってるけど本気で抵抗はして来ない。だって足踏むくらい出来んだろ、そんな口に手ェ当てて声押さえながら止めてと言われてもなぁ?


「ん、……んっ」

「こんぐれェ緩くだと、ちょっときもち?」


あ、耳が赤くなった。
掴んでた手の力弱めて緩めに揉んでたら抵抗が徐々に減ってくるし、割りとイケるのね?


「だいぶ慣れてきてくれて俺嬉しいわー。」

「ちょ、っ、耳やめてっ!」

「これは刺激強ェの?」

「ひぁっ!ぃやっ、やだっ!」


赤く熱持った耳の縁を後ろからねっとり舐め上げたら再び抵抗が始まった、まぁ慣れては来てるし、ゆーっくり教えちゃるから好きなだけ抵抗すりゃいい。


「はぁ……っ、もうっ! こんな所で馬鹿じゃないの!?」

「自分が悪いんだろ反省しろ」

「何で! 私こんな酷いことしてないっ!」

「酷い? 甘ったるい声上げてた癖に?」


人差し指を文句ばかり出す唇に置けば止まりはしたが頬が膨らんだからまだ怒ってる、頬染めてんな顔されても説得力無いけどな。


「ッ、テェ! 」

「べーっだ。」


急に開いた唇に、ヤバイと思っても手遅れで容赦なく噛まれた、手加減はしてるだろうし血も出ないけど歯形は付くくらい噛んできやがって。


効果音を口で言いながら舌を出し歩いて行く後ろ姿は怒ってる、でもきっと直ぐに振り向く。


ほらな、くるっと後ろを向いた顔に笑顔を浮かべて伸ばす右手を、追い掛けない理由なんてあるわけ無い。






ただのじゃれ愛ってコト



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