トリップ続編 | ナノ
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泣き顔から一変して機嫌良く繋いでる俺の手の甲を撫でて来てるから納得してくれたらしい、そして俺はスイッチ押せたんか。相変わらず切っ掛けあれば切り替えが一瞬だ、不安がピークに達したのか泣き出したのに拗れる事も無く俺を見上げて笑顔さえ向けて来る。


「話掛けてくれりゃ良かったじゃん。」

「いやいや、吉原行って来たの?」

「あぁ、日輪に呼ばれてな。」

「可愛い子居た?」

「はぁ? 」


何でニヤニヤしながら聞いてくる? お前さっき泣いてたろ、しかも俺がモテるとか言ってくれてなかった? 言い寄られんの気にしてくれてたんじゃねぇの?


「可愛い子に口説かれてもお触りしちゃダメだからね」

「……しねぇし」

「えっ、今の間なに?」

「違ェわアホか。」


何なんだ、落としたり上げたりそんなに俺を弄んで楽しいか。触るワケ無ェだろうが、けど流石にそれは分かってんだろう、だから冗談混じれて言って来るんだ。


「プロって事はお誘いも結構なプロ? 銀さん救世主だし、仲良くなる過程飛ばしてにゃんにゃん出来ちゃうの?」

「止めなさいよお前はホントに何を言ってんだ。」

「吉原ってそうゆう所なんだよね?」

「そうだけどよ、そうだけどお前、何バカな事言ってんだ、にゃんにゃんとか、え、もう一回言って?」

「にゃんにゃん」

「レプリカの耳は嫌い? 」

「何の話?」


本物もう一回生やせねぇかな、喜んで生やしてくれると思うんだよね。しかも今なら俺も楽しめる、前は完全にやらかしたけど今度はちゃんと一緒に楽しめると思う。


「でもやっぱ花魁も捨てがたい、1日体験してみる?」

「……遊びたい?」

「あの格好したお前と遊びてぇの」

「吉原帰りなのによくそんな私のことばっかり考えられるね? 可愛い子居たでしょうに、あ、別に私よりそっちに目が行ったかもとか思ってるんじゃ無いからね、一般的感想として可愛い子揃いの館訪れたのにって意味。」


先に予防線張りやがった、思ったよりアレ効果あったんだな。素朴な疑問で痛い目見たから安易に言って来なくなったし、一応は自分が特別に思われてると分かってるらしい、……多分。

にしても楽しそうに笑いながら言って来んのが何とも癪に触る、まるで可愛い子と遊べなくて可哀想だとでも言われてるようだ。俺が我慢して帰って来たとでも思ってんじゃ無ぇだろうな。


「別に目ェ引くヤツなんか居なかった」

「ふぅん? お胸おっきい子勢揃いだったんじゃないの?」

「お前のが良い」

「はは、」


なんだその乾いた笑いは。
ただからかって言って来てんだろう事は分かんだけどな、でもそこに少しでも俺が揺らいだと思われてんなら面白くない。


「しょーがねぇだろ、俺にはお前が可愛く見えて仕方無ェの、誰が側に来ようとやっぱ名前の方が可愛いなって無意識でも思っちまうから、早く会いてぇなぁって帰りたくなんの。」


そしたら公園で見掛けて近付いてみりゃ、思わぬ不安抱いてるから隠れて聞いてたってワケ。総一朗クンは気付いてたみてェだし気付かねぇお前が悪いだろ。


「、何それ甘っ。」


甘い?……あぁ、可愛いつったから? 別に甘い台詞を吐きたいワケでも無ェけど、はっきり言わねぇとお前分かってんだか怪しいから心配になんだよ。
まぁ言えば喜ぶし、いざ言おうとすると言葉詰まるけど嬉しそうな顔して笑ってんの見るとこっちまで嬉しくなるから、


「って、居ねぇし!」


はぁ? 何処行った? 顔を上げたら喜ぶ処か姿が無ェよ、俺置いて突然消えた。意味が分からねェ。と、頭に過った瞬間に走り出した。


「っぎゃぁ!? 馬っ鹿、やめてよっ!離せっての!!」


あっぶね。すげぇギリ、閉まる寸前に勢い良くドア掴んで引いたら案の定真っ赤な顔して叫びながら出て来た。顔赤くなんのは結構あるが、こうやって叫んで口悪くなる時はガチで照れまくってるヤツであまり見る事は無い。

本来1人スペースの個室に無理矢理自分も入り後ろ手で鍵を閉めながら肩を押して蓋の上に座らせる。


「何で入ってくんの!? 信じられないっ今鍵閉めたよね!? 私出るから退いてよ!!」


こんなに吠えてんのに一切俺を見ない顔を下から頬ごと顎を掴み上を向かせれば、目を見開いて更に抵抗して来たが気にせず脚の間に膝を置き、ぐっと顔を近付けて寸前で止まる。


「っば、馬鹿じゃないのっ! ここっ、トイレ、っ」

「逃げ込んだのはお前だろ? 大人しく目の前で照れてくれりゃ俺だって大人しくすんのに。 」

「ひっ! ちょっ!どこ触って……!」

「空気次第で触られんの平気だろ」

「今違う!空気違うっ!」

「お前だけな? 俺は普通だ。」

「っ、や!……っんん!? んっ、んー!」


胸に手を置けばその手を掴んで必死で抵抗してくるが、文句ばかりの口に重ねて塞げば肩に手が置かれ抵抗が分散される。
角度を変えて何度も食むように動かし唇を舐めるまではする。酸素を求めて開いた口にねじ込みたいのは我慢してやってんだ、それはまだ今じゃねぇから。


「んぅっ!……っは、…やだって、 !」

「何か嫌だ?」

「ここっ、トイレ……っ!」

「だから? お前寝室なら怖がんだろ。」

「ここでも同じだよ!!」

「同じじゃねぇよ、怖がってねぇじゃん」

「こわがっ……んん! ちょ、んっ!んんー!」


顎から後頭部に手を移動させ逃がさねぇよう固定してまた塞ぐ。ゆっくり形を変えるように胸に置いた手を動かせば揺れる身体からどんどん力が抜けて小刻みにビクビク跳ねる反応が中々に誘うようだ。


「ふっ、ぁ、……っ、ゃだって!銀さんっ!」

「だから何が嫌? トイレが嫌なら寝室行っても良いけど、大人しくすんならな。」

「何処もやだ!」

「俺に触られんのが嫌って?」

「っ、そ、じゃない、…………こわいから。」

「嘘だろ。お前本気で怖ェ時声も出せねぇし震えんじゃん。恥ずかしいってんだろ? 真っ赤になって照れてんのが。」

「意地悪い!! も、すっごい意地悪いっ!! 何なの!?」

「何なのじゃねぇよ、お前が何なの? そんな反応されて手ェ出さねぇとか無理だから。」

「ゆっくりやってくれるって言ってたじゃん!」

「やってんだろ? 見てみろよ、服の上からしか触ってねェし舌も入れてねェ。分かるか? ゆっくり手加減してんのが。」

「……っ、……、」

「分かるかって聞いてんだけど。」

「……わ、かる。」

「ならイヤイヤ言って無ェで少しくれェ応えてくれても良いんじゃねぇの?」

「な、……なに、」

「口開けて」

「手加減何処行ったの!? 」

「するっつーの」

「ぅあ!? なにっ、ちょっと手!」


手を後頭部から腰に下ろし裾から忍ばせ直接撫でたら身体が逃げるように前に出る。けど前は前で胸に手を置かれてるから逃げ場なんて無いだろうに。


「ん、っ、待って、触り方……!」

「最後キス1回で終わってあげても良いよ。」

「ぅ、……は、軽いの……?」

「んなワケねェだろ、口開けろって」

「ぃや! ……ひぁ!? っや、てばぁ……!」


腰を緩く撫でてるだけなのにブルっと震えるのが手に触れる、俺の身体を押す手なんか本人的には頑張ってんのか知らねぇけど、とっくに添えてあるだけと変わらねぇし。


「さっさとしねぇと、ふっかーいヤツ食らわすけど良いの?」

「なにっ、なに!? いや口開けてって……!」

「は? もしかして舌入れられたら深いヤツだとでも思ってんの? 手加減してやってだよバカなのか、分かんねェなら試す?」

「っい、いい!……こわいからいい!」

「なら開けろ」

「じゃ、手ぇ1回、離し……」

「後3秒で開けねぇと深いヤツな。」

「ぅえぇ!?」


逃げるように反る身体を上から覆って顔を近付け、至近距離で目を覗き込めば見開いて閉ざされる唇。
スレスレで保ちカウントを始めれば目が泳ぎ肩にある手で抵抗が始まる。


「はい、ざーんねーん。」

「まっ!? 開くっ、開くから……!」

「んじゃ2回目のカウントな。1回目逃した分、手加減はするけど時間長ェから。」

「な!? 何でっ!」

「さーん、」

「もう!? 待ってよ!ゆっくり、」


そうやってオドオドしてる間に3秒なんて直ぐ終わった。マジでバカなのかと思うわ、さっさと開けりゃ良いものを。


「うっ、……っ、」

「おい泣くんじゃねぇよ、俺が酷い事してるみてぇじゃん」

「してる!」

「へぇ。こんな待ってやってんのに んな事思われんなら手加減なんか要らねェか。なら良いよ開けなくて、無理矢理こじ開けるから。」

「うわぁ!? やだやだ嘘!嘘だからっ!……っ、ね、お願い、ゆっくりしてよぉ、」

「……長くすっからな。」

「っ、うん、」


結局はこれだよ、俺が折れる。狡くねぇかとも勿論思うが俺を見上げ懇願するように見つめて来るもんだから抱き締めちまう。例えこれが触ってる俺の手を止めさせる為だとしても、そう分かってても無視なんか出来ない。


「はぁ、疲れた……」

「溜め息吐きたいのはこっちなんですけど。」

「うん、ごめんね。ホッと落ち着いて出た溜め息です。」


顔の直ぐ横から聞こえた溜め息。落ち着いて来てんのは分かるさ、心拍は早いが普通に会話出来てるからな。

体勢がキツイから抱き上げて俺が座り脚の上に跨がせて座らせると首に回ってた腕が緩み顔が見えるようになった。


「……もう、出ない? ここから。」

「したら出るよ。」

「……そんなにトイレでしたいの?」

「イケナイ事してるみてぇじゃね?」

「……」


引いた目で見られたけど移動すんの面倒くせェし。


「出てェなら早く口開けろよ。」

「っ、……、」


言えば喋るのを止め口を閉ざしてくるけど散々待ってやってんだからこれ以上は折れねぇぞ。

落ちないよう腰に腕を回し身体を密着させれば目が泳ぎ肩に置かれてる手が押すように力が入った。


「この手ェ何? 離れて欲しいって?」

「えっ、いや、違う、よ、……置いてるだけ、」

「ふぅん? なら首に回して。」

「え!? 」

「んで口開けて舌出して。」

「えっ!? なっ、なん、何か、ふ、増えてない、?」

「理由分かんねぇの?」

「……、」

「分かんねぇのって」

「わ、かります……」


だろうな、こんな折れてやってんだから。


「早く。今カウントしねぇ理由も分かんだろ?」

「っ、……でも、……優しくは……」

「無ェってか?」

「………………優しいけど、……」

「なァあんま焦らされっと こっちも我慢出来なくなってくんだけど。そろそろ手ェ動かすぞ。 」

「だめっ、だめです、……っ、く、口開けて、舐めれば、い、?」

「うん」


ぐっと手に力が入ってから首に回される腕。また近付いた顔が唇スレスレまで来て止まる、微かに震える唇さえ今は欲を煽るものでしかない。

かぶり付きたいのを我慢してその唇の前で大人しく待ってやる、触れるギリギリで軽く口を開けてやってんだ、しかもちゃんと舌まで見せてな。
困った顔をしながらもゆっくり唇が開き、そっと出された赤い舌が俺の舌に ちょんと触れた瞬間、ビクッと震えてそのまま抱き付いて来た。


焦らされ過ぎて頭おかしくなりそうなんだが、でも今の行動は可愛いと思わない事も無い。いや可愛いわ。自分で触れて来てビク付いて、恥ずかしくなっちゃって抱き付いて来てんだろ。イイと思う。
イイと思うが、


「……ちょっと、煽り過ぎ、」

「…………あっついね、」

「ホントな。お前が熱いんだか、俺が熱いんだか」

「……まだ、大丈夫? 次こそ頑張ったら、出れる?」

「うん。……多分、次が最後だぞ。流石に、耐えきれねぇよ。」

「分かった、ありがとう。」


俺を落ち着かせる為か後頭部に触れた手が撫でるように緩く動いてる。俺は動かしたらヤバい気がして腰を支えたまま動かせない、後頭部に触れようものなら押さえ付けてしまいそうで怖い。
だったら離しゃ良いんだろうがな、けどここまで我慢したのにそれは無理だろ。


覚悟を決めたのか片腕を首の後ろに回したままもう片方で俺の頬を触り唇が軽く合わさる、震えながら唇が開きペロッと俺の唇を舐めて来る舌を食うように口を開ければ、俺がやるように顔を傾けてしっかりと重なった。
辿々しい感じではあるが絡ませようと触れてくる動きに合わせながら軽く応えれば、鼻から甘ったるい吐息を漏らしそれでも懸命に動かしてる。


「っん、……ふ、は……っ」

「まだ足りない」

「っ、……んっ、」


離れた唇を追いはせず促せば一度ゴクっと喉が動きまた戻って来る。今度はこっちから絡ませれば跳ねた身体と一緒にまた顔が離れる。


「離れんな、終わんねェぞ。」

「うぅっ、……っ、ん、」


ビク付く度に離れる顔を、少し焦れったくなって来たからそっと後頭部に手を当て軽く押さえとく事にしたら、


「んんっ!? ……っん、ふぁ……、んっ……っ、」


軽くでは無く思いの外しっかり押さえていたらしいけど我慢した分ご褒美ってことで。
揺れる身体を片腕で強く抱き締め、漏れる吐息ごと飲み込むように絡ませ口から垂れた唾液を追い舌を這わせると、それさえにも跳ねる身体が大袈裟に揺れる。


「ふっはぁ、!……はっ、ぁ」

「大丈夫大丈夫、落ち着け。もう終わり、ゆっくり息吐いて。」

「は、っ、はぁ、くるしっ」

「だーいじょうぶ、ゆっくり呼吸しな」


ぐったり倒れてきた身体を腕に収め、髪に指を絡ませながら緩く頭を撫でてれば段々と呼吸は落ち着き、首に掛かる息が穏やかになってくる。

さっきまでの余裕そうな顔も、思考さえも一瞬で消せる手っ取り早い良い方法。 無理矢理やるんじゃ意味無ェけどこいつの頑張るモード引き出せりゃこっちのモンだ。その辺は無理矢理にでもな。


「もやし、飛び散ったままなのに、」

「手伝ってやんよ」


首筋にすり寄ってくる顔が甘えて来てるようで更に気分が良くなった俺はこの後大量のナムルの為にひたすらモヤシを茹でた。出来上がった山盛りに暫く見なくて良いとすら思ったのに、隣に居る子が何とも可愛らしい反応を絶えずしてくれちゃってまぁ。
目が合う度に照れてんだかフイッと顔を反らす癖に口元笑いながらチラッと視線戻して来んのよ。
どう思いますかね、こちとら平常心保つので必死だったわ、出来てたかどうかは定かじゃねェけどな。






可愛いが過ぎる



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