洋ナシタルトの日々

人間の尊厳
3日目の深夜
黒色の主人と金色の奴隷
曖昧な境界線の延長
怠惰な一日

Thanks 353535hit! TO.山下san



庭で遊ぶ2人の黒髪。
1人はまだ小さくて、もう1人は見慣れた姿。

「朝食、残したらいけませんよ」
「すみません」
「坊ちゃんがわざわざ洋ナシ買って来たんですから、せめてタルトは食べてください」
「食べます・・・」

朝から黒服に怒られてしまった。
でもこの洋ナシは今日一緒にいないことへのお詫びの品なのだ。
ムカつく。
眉間にしわを寄せてイライラしながらタルトを頬張っていたら黒服に胃を悪くするとまた注意された。

「いつまでいるんですか?あの子」
「さぁ?いつもは1週間ほど滞在されます」
「随分と長いんですね」
「坊ちゃんを気に入っていらっしゃいますから」

黒髪の従弟に当たる、あのチビ黒髪。
早朝にいきなり訪ねて来たかと思えば終始黒髪の周りをうろついている。
出掛けてくると言って出かけて、戻って来た時には大量の洋ナシ。
それでタルトを作って、できたてほやほやの洋ナシのタルトは俺の遅い朝食になった。
許せ、と言いはしないがそのモノを与えてわかるよな的な態度も気に入らない。
奴隷だからこんなこと言うのもあれなんだけど、今日は俺とチェスをする約束があって、それからは書斎で中世の建築物に関する書物を一緒に読んでディベートする予定だったのだ。
大した予定じゃないのはわかってるけど、でも旦那様が昼から明日の朝までいないからってソレを狙って計画していたのに。

「・・・ムカつく」
「なんてこと言うんです」
「すみません」
「坊ちゃんが金髪を部屋から出すなとおっしゃってましたので部屋から出てはいけませんよ」
「いつも出ていませんのでご心配なく」

そっけない黒服に監視されながら洋ナシのタルトを口へ運んで行く。
黒髪の1日の予定を確認すれば終日あの従弟といるだそうでホントイライラする。
まだ小さい子供に嫉妬なんて見苦しいかもしれないけどさ。



結局真夜中まで黒髪の従弟ははしゃぎまわって疲れるようにそのまま黒髪のベッドで寝た。
今夜は久しぶりの犬用ベッド。
いつもならそこは俺なのにって思っても仕方ない。
黒髪が部屋から消えた隙に少しだけ黒髪の従弟の睨んで犬用ベッドにふせった。
手を出したら廃棄だもの、そんなことはできないしみっともない。
黒髪がドアを開けて中に入ってきた瞬間に毛布を掴んで頭までかぶる。

「金髪、起きてるだろ」
「何。ベイビーが起きちゃうよ」
「はぁ・・・わかりやすく拗ねやがって」

悪かったな。
奴隷にはそれぐらいしか楽しみがないもんで。
寂しいよりは怒りが先にくるタイプの人種なんだよ、俺は。

「今から相手してやるから、起きろ」
「いいよ。どうせ明日も早いんでしょ」
「そうだけど」
「だから、いい。また今度で」

歳をとると意地ばかりが先に出る。
本当は遊んでほしいし喋りたいこともいっぱいあるしかまってほしいのに。
そんなこと言ったら笑われるとか、そう言うのばっかり考えている。
感情が残ってる奴隷ほど面倒なものはないよなぁってちょっと自嘲気味に思ったりして。

「そうかよ。拗ねた奴なんか知るか」

少し怒った声、突き放された瞬間。
一気に怖くなって顔をあげれば少し怒った顔をした黒髪が目に入る。

「ご、ごめんなさい」
「それで?」
「お、起きる、起きるからっ、」
「から?」
「相手してください、捨てないで、お願い」

我ながらみっともない。
捨てられることが怖くてあっさり折れる。
腕を引かれてゲージから出るとシャワールームに移動。
急いで服を脱いで、黒髪の服も脱がせて、シャワールームに入るや否や黒髪のペニスにしゃぶりつく。

「んっん、ごめんなひゃい、ふっううぅ」
「何がごめんなさいなわけ?」
「んっんう゛っう゛う゛ぅ・・・」

答えずに喉奥にペニスを誘い込む。
言いたくない。
でもそんなのお見通しらしい黒髪は俺の髪を掴んで俺を引きはがす。

「ン゛あっ」
「ちゃんといわなきゃ駄目だろ?」
「うっううぅっううっ」

ペニスを弱く踏みつけられて自然と腰が揺れる。
痛いのか気持ちいいのかよくわからないぐらいの刺激。

「ごめ、なさいぃ」
「ちゃんと、的確に。捨てられたい?」
「あっ嫌、いや」
「じゃぁ早く言えるよね?」
「す、拗ねてごめんなさい、し、しっ、嫉妬して、ムカついて、さ、寂しかったから」
「よく言えました。ご褒美」

俺の前にしゃがみこんで、少し唇を尖らせて目を瞑る黒髪。
首に腕を回して、尖らせた唇に吸いついて、舌を絡めていく。
俺の主人、誰にも譲れない。
夢中で唇をむさぼっていたらアナルに指が伸ばされる。
ギチギチを指が入ってきて、背がしなる。

「ふぐっ、うっあ゛んっ」
「は、緩い」
「ごめ、なさいぃっあん!」

性急にアナルを拡げる指に腰が揺れる。
ぐちゃぐちゃ音を立てて、指が出し入れされる度に俺のペニスは先走りを零してる。

「なぁ、捨てられたくなかったらしなきゃいけないことわかるだろ?」
「ひぃっ!あん!」

ずるりと引き抜かれた指に腰が抜ける。
黒髪の希望してる事をしないと捨てられる。
俺は床に寝そべって膝裏を掴むと一気に足を開く。
開きっぱなしのアナルも、痛いほど勃起したペニスも丸見え。
この屋敷に来て教わったおねだりって行為、あまり好きではない。
でも黒髪は好きだっていう行為。

「金髪の、中、ご主人様のペニスで掻きまわしてください」

ニヤリと笑って、一気にペニスが押し込まれる。

「はっ、あっああぁぁ・・・」
「その顔、不満そうで嫌そうな顔がイイ」
「あっああん!は、あうぅ」
「は、気持ちいいって言えよ」
「うあっあっきもち、いいっあっいいで、す、んあああ!」

言えと言われた事を口にすれば機嫌が良くなったらしい。
奥を抉るように動かされて身体が軋む。
覆いかぶさる黒髪に腕を回して、少し戸惑ったけど自分から唇を重ねる。
きっと明日も黒髪はあの従弟の相手をして、俺の相手はしてくれない。
しかもそれがしばらく続くんだと思う。
だから、せめて今だけは自分のもので。

「は、イく、れる、れるぅ」
「出せよ」
「うんっあっあっイくイく、ふ、うあっあああぁぁん!」
「っうぅ・・・!」

俺は自分の腹に出して、黒髪が俺の中に出して終わり。
ずるりとペニスが抜けて、この後に襲ってくる倦怠感に慣れることはない。

「なさけねー奴。ガキに嫉妬すんな」
「・・・ごめんなさい」
「ま、いいもん見たからいいけどなー。捨てないでってヨかったぜー?」
「そのニヤケ面どうにかしたら?」

ニヤニヤ笑って腹立たしい。
いつだって俺のこと馬鹿にしてさ。

「また拗ねてんの?」
「どうでしょうね」
「許せ。埋め合わせは絶対するから」

誤魔化す様に笑ってキスをして、腰にまわった手で次の展開を察する。
自分の腕を回そうとしたところで泣き声。
ビクッと反応した黒髪は舌打ちをして俺から離れる。

「クソっ!金髪、お前そこにいろ!」

そう言うと黒髪は唖然とする俺を置いてバスローブを手にシャワールームから出て行った。
うそ、この状況で俺が放置されるわけ?

「やっぱ、ムカつく・・・!」

俺の嫉妬とお詫びの洋ナシタルトの日々が終わるまでおよそ後6日。
4日目で黒服の部屋に逃げ込んだ俺は悪くない。




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