曖昧な境界線の延長

人間の尊厳
3日目の深夜
黒色の主人と金色の奴隷
Thanks 199999hit! TO.土田san



「行きたくない」
「我慢しろ。仕方ないんだ」
「でも知ってる奴もいっぱいくる」
「挨拶が終われば袖にいるか部屋に戻ればいいだろ」
「でも」
「すぐに終わる。それとも親父に廃棄されるか?」

今日開催される俺の生誕パーティー。
奴隷を連れて出て挨拶するだけなんだがそれすら拒否する金髪。
俺が一人前になったと示したいらしい親父の指示だ。
客の相手をするわけでもない、ただ横で大人しくしていればいいだけなんだが金髪は行かないの一点張り。
この間の茶髪の件があってからますます外に出たがらないし。
あの野郎、本当に迷惑なことをしてくれた。
親父にうっかり室内用なんて言えば外出用に奴隷を買わされる。
奴隷なんていらない俺からしてみれば迷惑なだけだし、金髪だけで十分事足りているのに。
でもどうしても行くと金髪は言わない。

「もういい。他の奴見繕う」

親父にでも借りるか俺の抱えてるメイドにでもやらせればいい。
確か先週に新しいのが入ったはずだ。
それに振りだけさせて部屋に戻せばいいし、今から急いでヒューマンショップに行けば間に合う。
支度をしようと席を立てば金髪に袖を引かれた。

「他の奴隷、買うの?」
「お前がやらないなら買うしかないんだ」
「じゃあ、やる。何も、何もしなくていいんでしょ?」
「ああ。挨拶が終わったら部屋に戻ればいい」

拳を握って嫌悪か屈辱かに震えている金髪の頭を撫でてやる。
最近はこれだけで機嫌がいい。
頭もいいし礼儀作法もできるのはいいんだがこの我が儘だけはどうにかしてもらいたい。
それも含めた上で気に入ってんだから俺も随分と馬鹿になったよな。
メイドに頼んで仕立てた服を着る。
靴を履かせてもらいながら金髪を見れば簡素な衣装に着替え終わっていた。

「オイ、リボンタイは?」
「すみません、坊ちゃん。すぐに用意させますので」
「黒にしろ」
「かしこまりました」

金髪には白の方が似合うと思うのだが金髪は黒が好きだ。
俺の髪色が黒だから黒が好きと言っていた。
そう言うところは素直なのに、他の奴の前じゃ未だに毅然としているところも気に入っている。
いい具合に俺に溺れたものだ。

***

パーティーなんてもう二度と出ないと思っていた。
奴隷も参加できるというのだからさすが成金。
上流階級の人間は奴隷を屋敷に入れる事すらよしとしない。
黒髪は好きだが黒髪の父親はどれだけ時間がたっても好きにはなれない。
挨拶をしている黒髪を見つめてやっぱり頭がいいと感心する。
会場にいるどれだけの奴が黒髪の言葉を理解しているんだろう。
とりあえず俺を見て笑っているようなクズには理解できないだろうな。
だから嫌だったんだ。
そこそこに地位のある貴族の没落なんていい笑い話だ。
そこに奴隷までくればそれはそれは腹が捩れるような面白い話に違いないんだろう。
ようやく黒髪のスピーチも終わって俺の仕事もこれで終わりだ。
後はパーティーが終わるのを部屋で待てばいい。

「坊ちゃん。私は戻ってもよろしいでしょうか」
「ああ。1人で平気か?」

こちらを見ている茶髪を察してのことだ。
相変わらずの阿呆面、吐き気がする。
さすがの阿呆でも今日なにかしでかすほど阿呆じゃないはずだ。

「さすがに平気だと思いますが」
「そうか。飯はメイドに頼め」
「はい」

会場の隅を通り会場を後にする。
これからは主に政治やら会社経営やらの話や取引の話がメインだ。
俺には関係ないし他の奴隷も庭に出されるに違いない。
それにしても奴隷にも種類があるんだと思った。
ウチにもいたがもっぱら重労働に使っていた記憶がある。
さすが成金、させることが下衆だ。
犬猫のように扱う奴もいればストレス発散につかったり人形みたいにしてみたり。
でもさすがに金髪の奴隷は俺しかいなかったけれど。
にしても・・・黒髪の部屋に向かって歩いているはずなんだが・・・あまり部屋から出ないから屋敷の構造が今一つわからない。
あまりうろつくと旦那様に怒られてしまう。
黒髪お抱えの使用人が1人でも見つかればと足を進めれば壁に頭をぶつけた。
正確には誰かに押さえつけられている。
誰だ?
旦那様お抱えの使用人かSPか?

「久しぶりだね」
「どちら様ですか?」
「忘れたの?」

髪を掴まれて適当な部屋に身体を押し込まれる。
運悪く旦那様の奴隷用の仕置き部屋。
薄暗い部屋で相手を見れば確かに見覚えがある白髪に緑の目。
俺が安い金で身体を売っていた時の上客だ。

「探したんだよ?」
「う゛う゛っ離して、下さい」
「随分冷たいね。あんなに僕の下で可愛い声で鳴いていたのに」
「昔の話です」

ヤバい、相手が悪すぎる。

「父親じゃなくて息子の奴隷だったのか。屋敷で見せてもらった奴隷にいないわけだ」
「い゛ぃぃ!」

床に転がされて顔を掴まれる。
鈍く光る緑色の目が不気味で仕方ない。

「僕が君を買ってあげようか?籠の中で飼ってあげるよ」
「いっいまの、主人以外に従うつもりはうぎっ」
「随分主人を気に入っているんだね」
「あ゛っう゛あ゛ああ゛!」

ギリギリとペニスを踏まれて涙が滲む。
手で足をどけようにも力が全然はいらない。

「君は頭がいいから今の主人が好きならやらなきゃいけないことぐらいわかるでしょ?」
「あうっ」

壁に背を預けて俺を見ている白髪。
地位も資産も黒髪より上。
コイツに逆らえば俺だけじゃなくてもしかしたら黒髪も危ないかもしれない。
歯を食いしばって白髪に頭を下げる。
額を床に擦り付けて、身体を売っていた時の言葉を並べる。

「貴方様のペニスをこの卑しい奴隷に、舐めさせて下さい」
「いいよ、舐めさせてあげる」

白髪のベルトを外して、まだ萎えているペニスを口にふくむ。
気持ち悪い、吐き気がする。

「服、脱いで」
「ふあい」

ペニスを口にふくんだまま自分の服を脱いでいく。
自分が耐えればいい。
これぐらいの事は腐るほどやってきたんだ。
徐々に大きくなる白髪のペニス。
早くイかせてしまおう。
黒髪が帰ってきたら黒髪のペニスを舐めさせてもらって、飽きるまでペニスを挿れてもらえばいい。
それを考えただけで俺のペニスは勃起する。

「違う奴の事考えてるでしょ」
「う゛ぐっう゛っうう゛!」
「男娼のくせに、奴隷のくせに、腹立たしい」
「あ゛ああ゛あ゛あ゛!ごめんなさっごめんなさいごめんなさい!」

ペニスが擦り潰れるんじゃないかと思うほどギリギリと踏みつけられた。
白髪は近くにあった鞭を手に取ると俺の身体を何度も何度も叩く。
俺は身体を痛みに震えさせながらまた床に額を擦り付けてただひたすら謝った。
身体をひっくり返されて、足が腹につくほど持ち上げられる。
ペニスは顔の前に、それどころか真っ赤に擦れて腫れたアナルすら丸見えだ。

「あは、さすが若い子同士だね。やりすぎだよ」
「ひっあっあぁ!お、お止め下さい!」
「んん・・君と僕は身体の相性がよかったよね」
「あっぅあああ・・・あん!」

ベロベロと俺のアナルを舐める白髪。
白髪の唾液が奥に流れる感覚がする。
ぎちぎちと指が入り込んで、さらに中にゼリーのボールが入り込む。
ぐちょぐちょと音が鳴り、中にゼリーが馴染むと何も抵抗がなくなる。
緩く勃ち上がったペニスを認めたくなくてギリギリと指を噛む。
ああ、本当に相手が悪すぎる。

「ほら、もう勃起した」
「うぅぅ!うっんぅ・・・」

自分の意志とは関係ない勃起に吐き気がして、嘔吐をこらえるために手で口を塞ぐ。
アナルから指が引き抜かれて熱いモノが触れる。

「嫌っ嫌だ!あ゛っいやああぁっ」
「ああ、やっぱり気持ちいいね」
「うぐっあっあぅっやああ」
「嫌じゃないでしょ?気持ちいいくせに。気持ちいいっていいなよ」
「あっああ!気持ちいいっ気持ちいい!うぅぅきもちいいっ」

身体を揺さぶられて言いたくもない言葉を口にする。
悔しい悔しい、でも自分にはこうする以外にできることなんて何もない。

「金髪?」

その声にびっくりして扉の方を見れば黒髪がいる。

「う、嘘、あっひいいっ」
「君も見てなよ。すごい感じてくれてるんだよ」
「うあっあっ見ないでっ見ないで!ひっあっああっ」

何も言わない黒髪が怖い。
腕を掴まれて背を反らされる。
白髪のペニスが挿ってるアナルも、ソレに感じてる自分のペニスも全部見えてる。

「い゛やだああ゛あ゛っあっうああぁ!」
「チッ、奴隷のくせに!うるさい!」
「あ゛っあぁ・・うぁぁ」

首に痛みを感じたと思ったら目の前が暗くなって、息ができなくなってそこから何も覚えてない。

***

いくら親父が言ったからってパーティーなんて連れ出すんじゃなかった。
鎮静剤も使って身体を鎮静剤に慣らしとけばよかった。
中途半端な奴隷にしたためにこうなった。
普通の奴隷ならたったアレだけの鎮静剤で落ちることもなかったんだろう。
白髪野郎に鎮静剤打たれて金髪は死んだように動かなくなった。
俺は白髪野郎にそのままヤりたいだけヤらせてやった。
終わるまで、何をするでもなくただ俺は見ていた。
何をしても動かない金髪を見て白髪野郎はあっさりと金髪を捨てていった。
使用人を呼んで金髪を任せると俺は会場へ戻った。
腹いせにヤりたい盛りの坊ちゃんを何人か抱いてやった。
それでもおさまらなくて部屋に戻って暴れたいだけ暴れてみた。
いくらか落ち着いて金髪を探せば犬用ベッドで涎垂らしながら薄く目を開けている。
どうやらなんとか生きているらしい。
金髪を抱えて自分のベッドに寝そべる。

「・・・ごめんなさい」
「目を離したらすぐこれだな。誰とでも身体を重ねる」
「ごめんなさい」
「廃棄してやろうか」

金髪はボロボロと涙を流して泣き始めた。
めんどくせぇ。

「嘘だよ。寝てろ、鎮静剤抜けてないだろ」
「うぅ・・・っうん・・・」
「・・・何だよ」
「香水」
「あ・・・」

いろんな奴マワしたから混ざったな。
気付いてみればくせぇ。
ジャケットを脱いでボタンを外してシャツを脱ぐ。
ベッドの下に服を投げて裸のまままたベッドに入り込む。

「服脱いだとこでくさいんだけど」
「我慢しろ。お前も白髪野郎のにおいがする」
「嘘。拭いてもらったのに?」
「あちこちマーキングされてんだろうが」

身体中に残る痣を見て変な顔をする金髪。
しばらくは白髪野郎の顔が忘れられそうにない。

「朝になったら風呂に入って、そしたら全部上書きしてやる」

鎮静剤のせいで動けない奴隷に寄り添ってやる俺はなんていい主人なんだろう。
綺麗な金髪に鼻を埋めて、キツすぎる香水の匂いをかき消した。




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