可視恋線。

深い靄の中では不用意に動かないで下さい

<俺と先輩の仁義なき戦争>




「覚得不舒服煩死了。(うぜぇ)」

寝起きを知らせる地を這う声で吐き捨てれば、通話の相手は一瞬黙ったが、再び喚き始めた。

『何ぃ?うち、日本語しか判らんっちゅーの!ほんま何なん?まさか呑んでんのと違う?自棄酒なんて柄やない事しなや、笑かさんといて。拡散するで』
「閉嘴(黙れ)」
『そんな事よりアンタ、まだ姐さんも仲直りしてへんのやろ?今日でテスト終わるし、うちこれ以上社長に黙っとかれへんよ?とっとと仲直りしぃ。どうせアンタが悪いに決まってんねんし、』
「太不像活了、」
『はん?!何?!』
「馬鹿相手じゃ話になんねぇ。切るぞ」
『おぉい!』

朝から騒がしい男の着信に応答した様だ。

「くっそ、頭痛ぇ」

苛立ちを噛み殺し、無精髭を生やした男は頭を押さえながら立ち上がる。壮絶に散らかり果てたベッドの上には幾つもの空缶が転がっており、枕元には、広げたままのノートと、ぽつんと柿が一つ。
酩酊状態の脳は、夢など見なかった。耳障りな着信音が鳴り響くまで、死んだ様に。


「…我以後不喝酒。(酒なんか二度と飲むか)」

時計を見れば、それほど時間はなかった。
然し慌てるほどではないと息を吐いて、脱いだシャツを投げ捨てる。
再び着信したディスプレイには目もくれず、向かうのは真っ直ぐにバスルームだ。寝惚けていたから音を聞き間違えたが、今度こそ手を伸ばしはしない。



枕元には、見開きに大きなハートマークが描かれたノートが鎮座したまま。


















選定考査最終日、最後の選択科目を受験した俺、松原瑪瑙です。こんにちは。


「ぅ、うわーぁ、…全然駄目だ、今回も確実に残ってない。…落ちたや、そうに決まってる…またAクラスだ…」
「…一般教養のレベルがまた上がってた。次はもう、選ばれないかも知れないな」
「はぁ…縁起でもない事を言うなよ…」

普通科の科目数を終えて出ていく数人の中に紛れた俺は、燃え尽きたみたいに頭がうまく働いてない。
何か大変な事を終わらせた、と言う達成感と、何かを忘れてる様な気がしてならない、喪失感って言うのかな?そんな複雑な胸の内を、どう説明したら良いのか。



一歩、また一歩。
歩く度に頭が真っ白になっていく、そんな気がする。


ふわふわ。
ふわふわ。
雲の上を歩いているみたいに、足取りが覚束ない。



「何か、お腹、空いたな」

ぺこぺこのお腹を撫でながらボケッと歩いていたら、ぽんと肩を叩かれた。
ぼやっと振り返れば、作業着を派手に着崩した人が3人、立っている。

「お疲れさんです、姐さん。すんませんお疲れの所、ちょっとええですか?」
「総長はまだテスト中やろ?早いとこフケましょ、見付かったら面倒んなるし」
「ゆりりんと宇野も授業終わったら来ますよって」

何だろ、この人達。
お笑い芸人みたいな喋り方してるな、と、見覚えのない3人の内の一人、金髪の美人さんを見上げる。何か皆にこにこしてて、不良さんぽくない。

「あの、先輩…ですか?誰ですか?」
「は?姐さん、何かゆった?」
「アネサンって誰ですか?」
「ふも?!何、どないしたの?うちはユートですよ、女の子大好きユート。あ、髪染め直した所為?ちょこっとブリーチし過ぎて明るうなり過ぎたけど、ほれ、近くで顔見れば判るやろ?」

判んないから聞いてるんだけどな、って思いながらも、口に出さずに頭だけ振った。自慢じゃないけど俺、工業科の知り合いなんか居ないもの。

「え?え?冗談やろ?俺ですやん、ユート=セダ。ゆりりんの『有』に『人情』を加えて侑人よー。何なん?姐さん近眼酷くなったん?それかカイリの入れ知恵で記憶喪失ごっこ?」
「あの…ゆりりんは判んないですけど、海陸ってうーちゃん?うーちゃんの知り合いですか?ほんとに?」

茶髪のイケメンさんと、その隣のゴツい人が振り返って、同じ様な顔をした。何言ってんだコイツ、みたいな。

「マジで姐さん、タチ悪いですよ?」
「お金なら俺、持ってないです。だからかつあげするなら、別の人にして下さい」

作業着は工業科の証拠。
不良さん達にビビってるのがバレたらボコボコにされるかも知れないから、俺は極力、笑顔を心掛けた。優しく話し掛けて来るのなんて、詐欺のお決まりみたいなものじゃないか。
そっと金髪さんから手を離して、じりじりと後ずさる。

「あの、あの、俺、不良さんは…組長だけで間に合ってるのでっ、ごめんなさい!!!」
「く、組長?!あ、ま、待って姐さん!」

悪いと思ったけど、謝って逃げる事にした。
追い掛けてきた様な気がしてたけど、気付いたらまっすぐ寮まで辿り着いていて、ほっと息を吐く。
俺、足遅かった筈なんだけどな…。


「あれ?まだ帰ってきてないのかな、二人共」

しーんと、静まり返った部屋の中は、俺のベッドの上だけ散らかってた。朝そんなに慌てたっけ、と、首を傾げながら布団を整えると、ポロリと何かが落ちた。

「え?これって、スマホ?何で俺のベッドに…」

可愛めな緑のマスコットが付いた平たい機械を拾って、うーちゃんのかな、と、テーブルの上に置く。
今日は誰が夕飯当番の日だっけと、空腹を撫でながらカレンダーを見た俺は、ピタッと動きを止めた。

「…10月?え?何で?だってまだ、梅雨入りしてないのに…」

几帳面に見えて抜けているかわちゃんが間違えて破ったのかな、と、瞬いて、変だなと思いつつ、冷蔵庫を開く。小腹を満たせるものはないか目を皿にして覗き込むと、残り物が詰まったタッパの奥に、ごろごろ御中元で貰うような立派なハムが入ってた。

「あっ、かわちゃんの実家からの仕送りかな?」

つまんだらバレるかな?って思ったけど、背に腹は代えられない。パコッと空けた炊飯器の中も空っぽで、たまたま冷凍ご飯もないから、こっそりハムを失敬する事にした。勿論、後でちゃんと言うけど。多分。
まな板の上で封を開けて、本格的に縛ってあるチャーシューと、ミントみたいな匂いがするハムを少しずつスライスして、残りはラップでしっかり巻いておく。全部食べたいけど、流石にかわちゃんに叱られる。

「あちゃー。マヨネーズ、ないや。仕方ない、マヨラー中川に借〜りよ」

こんな時こそご近所付き合い、なんて歌いながら出掛けようとしたら、ピンポーンと聞こえてきた。丁度靴を履いた俺は、そのままドアノブに手を掛ける。

「はーい?」
「松原さんにお荷物が届いています。カードを提示して下さい」
「あ、はい、俺が松原ですー。有難うございます」

寮に常駐してる職員の人が持ってきてくれた大きなダンボールを気にしつつ、カードリーダーに通されて戻ってきた学籍カードをポッケにしまった。

「ご本人に間違いない様ですね。それでは、失礼しました」
「有難うございました、ご苦労様です」

ずしっと重い箱を受け取って、履いたばかりの靴を脱ぎたくない俺はそのまま玄関に座り込む。宛名は間違いなく俺、差出人は『父』と書いてあった。
何て豪快な、と、俺は実家の父ちゃんを思い浮かべたんだ。父ちゃんからの仕送りなんて何年振りだろう。本当に珍しいから、単純に中身が気になる。

「クール便。箱が冷えてるから食べ物♪やるな父ちゃん、俺が腹ぺこな時に、なんてナイスタイミーン、」

グ、と言う声は出なかった。
厳重なテープを意地で剥がして、ダンボールの中に入ってた発泡スチロールの箱を開けて、それでもまだ立派な包装紙で包まれてる塊に、書いてあったからだ。


「…松阪牛。松阪牛?!ま、まさか、これ、全部…?!」

ピンポーンとまた、音がする。
高級すぎる霜降肉の馬鹿でっかい塊を恐る恐る箱に戻した俺は、再びドアを開く。

「松原さんにお届け物です」
「松原さんにお届け物です」
「松原さんにお届け物です」
「松原さんにお届け物です」
「うえ?!」

今度は一人じゃなかった。
それぞれ色んな大きさの箱を持ってきた職員さんの中には、台車に乗せてる人まで居る。何が起きたのか判らずに固まった俺は、辛うじて無意識でカードを提示してたみたいだ。

「こちらは王蒼龍様より、電報が添えられております」
「こちらは李玄武様より、恐れながらタグにLINEのIDが記載されておりましたので封印テープで隠させて頂きました」
「こちらは仆白虎様より、恐れながらこちらの中身が日本国憲法上違憲対象であった為、中身のみ返却させて頂きました」
「こちらはお父上様より、世界各地の2000坪の別荘のパンフレットでございます。ステーキを召し上がりながらお好きな物件をお選び下さい」
「失礼します。本日、大河白燕様のご命令で香港からシェフが参りました」

怒濤の勢いで狭い部屋に運び込まれていく箱、箱、箱。
最後にテレビに出てる様なコックさんが何人か入ってきて、ぺこりと頭を下げてきた。パニックで爆発しそうな俺の足元にあるお肉の詰まった箱を抱えて、コックさん達は狭すぎる台所に入っていく。
ぎゅうぎゅうだ。牛肉を抱えて、ぎゅうぎゅう。

うん、全然面白くなかったね。

「…な、に、何、2000坪の、別荘っ?!父ちゃんにそんな甲斐性があったなんて…!てゆーか、大河パイパイなんて人は知りませんけどっ!タオパイパイだったら漫画で読んだ事が…」

父ちゃんが子供の頃から漫画やアニメで大人気だって言うドラゴンボールは、最近の新しい漫画はあんまり判らない俺でも知ってる。でも相手の人には伝わらなかったみたい。
心の中で謝ってみる。ごめんなさい。

「最後に、祭楼月様よりお手紙が届いておりますが、朱雀様より受け取り拒否の命を承っておりますので、こちらで破棄させて頂きました」
「朱雀って…何で拒否なんかするんですか?もしかしてあの人が原因なの?!」
「祭楼月は野心家で、狡猾姑息な性格で知られています。どの様な手を使おうと取り入ろうとするのは明白。大河四老の末端である為に、他の大老を出し抜く腹積もりでしょう」

職員だとばかり思ってたけど、何か、日本人じゃない様な気がしてきた。見事にイケメンばっかで目がチカチカする。
台所から中国語っぽい早口言葉が物凄く聞こえてくるんだけど、俺、日本に居るよね?

「えっと…ちっとも話の意味が判らないんですけど…あの、すみませんでした、えっと、しぇいしぇい?あ、違ったっけ。にーはお?」
「私共にお気遣いなく、松原太々…失礼しました、奥様。まだ日本に慣れておらずお聞き苦しかったでしょう」

綺麗にお辞儀して帰っていった人達に、小さく手を振ってドアを閉める。まだ早口言葉が聞こえてきて、流石の俺もこれは普通じゃないってくらいは判るけど。そんな事より、借りるつもりだったマヨネーズの事なんか、すっかり忘れてます。

「あの、勝手にあっちこっち触られると俺がかわちゃんに怒られるんです…!勘弁して下さい!」
「奥様、このハムは本日のディナーには合いませんので、下げさせて頂いても宜しいでしょうか?」
「奥様、用意が済むまで飲茶をお楽しみ下さいませ」
「えっ?あ、あの、ちょ、ハムはすぐ食べます!ああぁ、捨てないでーっ!」

狭い部屋にぎゅうぎゅう詰め込んだコックさんが俺を居間のテーブルの前に押し込んで、口を挟む暇なく、お茶と小さい肉まんみたいなものが並べられた。
卑しい俺は先に雑な切り方なのに綺麗に盛り付けられたハムを殆ど噛まずに飲み込んで、ちらちらとミニ肉まんに目を奪われちゃう。食べて良いのか、何かの罠なのか。

「小籠包でございます。お気に召さなければ別の物をご用意致しますので、お申し付け下さい」

ポケーっと、熱々の小籠包をもそもそ食べてた俺は、かわちゃんとうーちゃんがビックリ顔で入ってくるなり、ドバッと泣いたんだ。

「かわちゃーーーん!!!うわーん!こっそりハム盗み食いしようとした所為で、バチが当たったのかなぁ?!もう食べちゃったけど!ごめーん!」
「落ち着けメェ、何がどうなってるの?一先ず、この荷物の山は何?」
「判んないから泣いてるんだよー!小籠包って美味しいんだね!口の中ちょっと火傷したー!」
「小籠包?」
「つーかまっつん、選定考査の結果どうだったの?すぐに速報が入るんでしょ?」

言ってる事がバラバラ過ぎて見つめあった俺達は、コックさんが運んできた二人分の新しいお茶と胡麻団子を前に唾を飲み込んで、顔を見合せる。

「甘い匂いがするね、かわちゃん。あんこだね、かわちゃん」
「…まずは、温かい内に頂こうか。食べないのは申し訳ないからね」
「二人共、甘いものに目がないんだから〜。俺も好きだけどさ〜」

超もちもちしてる胡麻団子は、ほっぺが落ちるくらい美味しかった。そう言ったらコックさん達はにっこり笑って、杏仁豆腐を運んでくれる。

余りの美味しさに悶えた俺達は、夕飯でまた悶えて、笑顔でコックさんを見送るまで、美食の余韻に浸っていたのである。まる。





「はっ。こんな事をしてる場合じゃない!」
「「え?」」

お風呂タイム。
相変わらず先に体を洗って湯船に突っ込まれた俺は、湯船に入ったうーちゃんと夕食の感想会を開いていた。
うーちゃんは長風呂をしない派なので、体を洗うのも湯船に浸かるのも長いかわちゃんが、まだ頭を洗ってた時に叫んだので顔を向ける。

「どうしたの、かわちゃん?」
「泡が目に入ったんだね、かわちー?無理しないで、俺のシャンプーハット使って良いよ?」
「そんな場合じゃない!メェ、選定考査の結果を見に行くよ!」
「え?選定考査?」
「あっ、いけない。俺も忘れてた。早く出ようまっつん、寮内の掲示板は10時までしか使えないからさっ」

慌てる二人が濡れたまま出ていこうとするので、俺は首を傾げながら待ってと言った。

「何でそんなに慌ててるの?選定考査って、こないだうーちゃんが受けたテストだよね?」
「何を惚けた事を言ってるんだ。最終日を終えて気が抜けてるのは判るけど、30番以内に入ってるかも知れないよ!急いで出てこい、メェ!」
「だよね、つーかまっつん、Aクラスで噂になってたけど、天の君に啖呵切ったんだって?帝君から引きずり下ろしてやるー!って、さ」
「え…?天の君って、左席委員会の会長様?何で俺が?そんな事言う訳ないじゃん。たった一回話し掛けられただけの左席猊下様に?んな馬鹿なー」

左席委員会の会長って言ったら、カルマって言う美形ばかり集まったチームの総長で、迸る男前オーラで皆から憧れられてる人だもの。
進級してすぐに絡まれてる所を助けて貰った事はあるけど、そんな雲の上の方に気安く話し掛けられる訳がない。ましてや帝君から引きずり下ろしてやる、なんて、とんでもない事だ。

「馬鹿な事を言うんじゃないよメェ」
「まっつんが忘れたいほど頭に来てるのは判ってるけどさ」
「うーちゃん、幾らうーちゃんでも言って良い事と悪い事があるよ。かわちゃんはシーザーの大ファンなんだから。ねっ、かわちゃん。あ、先週ネットで見てたカルマの新作Tシャツって注文したの?」

素っ裸の二人の腹筋を何となく眺めてた俺は、二人が沈黙してる事に気付かない。きょとんと首を傾げたうーちゃんが、何とも言えない顔でかわちゃんを見て、

「カルマのTシャツって、夏休み明けにかわちーが捨てた、あれの事、だよね?でもあれって…」
「…ゴールデンウィーク頃に注文したのが、最後だ」

交わした会話に、今度は俺が首を傾げる。
二人の雰囲気が何か変だな、って思ったけど、流石に逆上せて来たのでバスタブから出る事にした。

「メェ、藤倉先輩と高野先輩から聞いた話、もう一度繰り返しても良いか?」
「まっつん。朱雀の君はまだ、まっつんの事、ちゃんと覚えてたよ?さっきさ、シゲ君からメール貰ったんだ。だから、」
「藤倉先輩?シゲ君?誰それ、俺の知ってる人?」

かわちゃんが顔を顰めて、うーちゃんの唇の端っこが、ぴくりと震える。俺が変な事を聞いたんだって事は判った。けど、理由が判らない。

「メェ、お前…」
「朱雀の君の事は、覚えてる?」
「どうしたの、二人共?勿論、あの変態組長の事なら覚えてるよ、だって俺、さっき屋上に連れてかれそうになったんだ。…ん?あれ?それからどうしたんだっけ…?」

何も言わなくなった二人の間をすり抜けて、タオルで体を拭きながら、考えた。

「あ、そうだ。オタクさんがうーちゃんだけ教室に入れて、俺だけ通せんぼしたんだ。酷いよね、…あ、またまた思い出した。制服貸してくれた山田先輩が、時の君にそっくりなんだよかわちゃん!俺、退学になっちゃう?!」

口元を覆った顔色の悪いかわちゃんが走って行っちゃって、残ったうーちゃんは、眉をへにょんって歪めながら、俺の濡れた頭を撫でる。

「まっつん」
「え?かわちゃん、俺に怒ってる?濡れたまんま着替えないで行っちゃうなんて…」
「…いや、かわちーなら大丈夫だよ。このままじゃ風邪引くから、早く着替えよっか?」
「あ、そうだね、判った。いけない、サッカーのニュース始まっちゃうっ」

弟の黒曜が部活でやってるサッカーは、運動が得意じゃない俺が唯一興味のあるスポーツだ。雑に体を拭いて寝巻きに着替えると、俺は急いでテレビに齧り付いた。


かわちゃんの姿はない。
うーちゃんがスマホを持って出掛けた事にも気付かず俺は、ポケーっと、リモコンで何度もチャンネルを変え続けた。





「何か、お腹、空いたな…」


見たかったニュースは、何処のチャンネルにも見当たらないまま。



ふわふわ。
ふわふわ。
ふわふわ。

足場のない何処かを彷徨ってるみたいだと思った瞬間、また、頭の中が白く濁ってく。



その夜、赤い鳥が何処かに飛んでいく夢を見た。


*←まめこ | 可視恋線。ずちぇ→#



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