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にゃんにゃん




音駒高校合宿中。


研磨を探しているけれど見つからない。ほんと変な隙間とかにいる可能性あるからなー、なんて思って隙間も探してみるけどいない。

「おーい。研磨ー」

「そんなとこに研磨がいるわけねーだろ」

談話室のソファーの下を覗いていたら、上からクロの笑いを含んだ声がした。

「あ、クロ」

「さすがに研磨もそんなとこに入らねーよ」

「えー…だって研磨ならやりかねないじゃん?」

「あいつ一応人間だぞ?」

まぁ、確かに、なんて頷く。
すごい猫目と言えど一応猫ではない。人間の部類だもんね。

一人で納得していたら、クロからまさかの言葉。


「あいつならまだ寝てたぞ」

「え、珍しいね。いつも早起きなのに」

「起こしに行けよ」

「んー、うん、行ってくる」


二回小さくノックをして扉を開けるとまぁ散らかった部屋。あとから片付けさせよ…なんて思いながら端っこの膨れ上がった布団に近付く。

研磨は布団に包まって寝てて、ホントに猫みたい。

「けーんま」

呼んでみても反応なし。

「けんまー」

揺すっても反応なし。


仕方ない、そう思って布団をひっぺがえすと、研磨は唸りながら目をギュッとして、私から布団を取り返そうとする。

「ダメでーす。ほらもうすぐ朝ご飯だよ?」

「なまえ…布団……」

「だめってば」

布団を研磨の届かない位置に置いて、無理矢理身体を起こさせようとするけれど、いくら研磨が可愛いと言っても男であって、私の力じゃ無理。

とりあえずズルズルと引っ張り布団から出そうとすると、

「んんん…」

なんて可愛い声を出しながら私に抱きついてきて。
可愛くて、思わず寝癖のついた髪を撫でると嬉しそうにしている。

……なにこの可愛い生物。



だめだだめだ。このまま流されるところだった…。早く起こさないと。

「研磨!起きて!」

揺すり続けると次第に目が覚めてきたのかこちらを薄目を開けて見てきた。

「あ、おはよう」

可愛くて思わずこちらを見ている研磨のほっぺにちゅっとリップ音をたてれば、途端に目が覚めたのか私から急いで離れた。


「な、ちょ…え…?なまえ…?」

「うん、なまえですよ。早く起きて」

「今、おれなにして…」

「ばっちり私に甘えてきてたけど?」

焦る研磨が可愛くてちょっと意地悪してみた。


私の可愛い猫さん。
早く朝ご飯に行きましょう。





にゃんにゃん
(「研磨ーなんでさっきから目逸らすのよー」)







あとがき

研磨の寝顔から寝起きを全て見たい。




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