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意地悪



烏野高校合宿中。




「なまえさん、ツッキーが起きないんですけど…」

そんな山口の一言から私の大変な朝は始まった。
とりあえず全て山口のせい。うん、そう。



「あの月島が?起きないの?」

「はい、珍しいですよね」

月島、寝顔とか見られるの嫌いだからいつも一番に起きてるのに…。

「んー私が起こしてくるから山口は先に朝ご飯行ってて」

「はーい。お願いします」

食堂へ走っていった山口を見送って、私は一年男子部屋へと向かった。


「月島ぁ起きてー」

布団の横に置いてある月島の眼鏡を踏まないように気を付けて近付く。

布団を被って寝てるなんて珍しい。


「月島ー?ッきゃっ!」

するといきなり腕を掴まれて、布団の中へと引きずりこまれてしまった。

「もおおお寝てるなんて嘘じゃない!」

「オハヨ、なまえ」

目の前に月島の顔があって、しかも眼鏡かけてなくて、すっごく恥ずかしくなってきた。

「ちょ、月島!はーなーしーてー!」

掴まれた腕を思いっきり引っ張ったけど、逆に引っ張られ、月島の胸の中へ。

「アレー?なまえ?呼び方違うんじゃない?」

「……」

「二人の時は名前で呼ぶって約束デショ?」

私は今の状況でいっぱいいっぱいなのに月島は全然余裕で私のことからかってきて…。


もう絶対呼んでやらないって思って、なるべく月島から顔を背ける。

そうしたら月島はもちろんイラっとしたようで、

「ふーんそんなことしていいと思ってるんだ?」

と、まぁ、はい、これ最悪のパターンです。


「も、やだぁ…つき、ちょっと!…」

身体中まさぐられ、キスマークをいたるところにつけられ、何回も深いキスをされ、私はもう恥ずかしいし、恥ずかしいし、恥ずかしいしで。
私の方が先輩なのになにこのやられっぱなし感…。


「もううう!月島の馬鹿!早く起きて!朝ご飯行くから!!」

やっと離れてくれた月島の頭をぺちんと叩いて、身なりを整え、ついでにキスマークが見えないかどうか確認して扉に手をかける。


このままやられっぱなしだと先輩としての威厳がなくなる…。(既に0だけど)


だから最後に少しだけ意地悪してやった。


「ねぇ!」

「なに?」

「蛍のことだーいすきっ」


それだけ言ってすぐ部屋をでた。
普段は絶対言わないけれどなんとなく言いたい気分だった。
まぁ月島はきっと平然としてるんだろうけど、もし少しでも照れてくれたら


私の意地悪は成功です。









「……ほんっとなまえタチ悪い…なんだよそれ」

月島が顔を隠してしゃがみ込んでいたのを、なまえは知らない。




意地悪
(「これはあとからお仕置き」)







あとがき

月島は直球の言葉に慣れてないので、なまえちゃんからの好きです攻撃は何よりも月島にダメージを与えるようです。



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