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こうはい



「あかーし、何作ってるの?」

今日は部活がお休み。
学校のあと赤葦の家にお邪魔していた。

赤葦は帰ってきてから何かを一生懸命作っている。

「明日の部活総会で提出しないといけない書類なんですが、木兎さんが今日まで忘れていたらしくて」

「…あのバカ。光太郎ってばいつもそう」

主将とは名ばかり。
いつも部活の細かいことは赤葦がやっている。

「手伝おうか?」

「いえ、なまえさんはゆっくりしててください。せっかくの休みなんで」

いつもこうやって他人のことを一番に考えるのが赤葦のいいところであり、悪いところ。

「二人でやったほうが早く終わるでしょ!それに赤葦といちゃいちゃしたいんだけど?」

赤葦は目をまん丸にしてこちらを見る。
驚いた顔が面白くて思わず笑ってしまった。

「…じゃあお願いします」







「はーーーしゅーりょー!ホント光太郎に明日何か奢らせよ…」

そのまま後ろへと倒れこむ。
すると赤葦は、両手を私の顔の左右に置き、自分の顔を近づけてきた。


「…なに、照れるんですけど」

「照れてもらおうと思ってやってるんで」

……思わず顔が熱くなる。

「なまえ…」

「っ、名前で呼ぶのずるい」

赤葦は二人きりになると、たまにいきなり名前で呼んでくる。
私はそれにいつまでたっても慣れないでいた。

「じゃあやめましょうか?」

「意地悪」

やめてほしくないって私が思ってるって知ってて聞いてくる。

「バカ京治」

「……なまえもずるいですよ」

起き上がって両手で自分の顔を隠す赤葦を見てからかったら、思いっきりキスされて、

「顔、真っ赤ですよ?」

今度は私がからかわれる番だった。


いっつも先輩である私の負け。
こんな後輩もう嫌だ。(でも大好き)







こうはい
(「なまえ、大好き」)





あとがき

赤葦くんは後輩という立場にいてほしいです。


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