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いじわる




「くーろぉぉお…暇なんですけど」

クロが今日は部活が休みだから、お家デートしよーって言ったくせに、さっきから合宿のスケジュールを考えていて全然構ってくれない。拗ねるぞ。

「今いそがしーの」

提出しなきゃいけないのを忘れてたクロが悪いんでしょ。

「ねー、私もう帰っていい?」

なんてちょっと意地悪言ってみる。
するとクロはこっちに目もくれず、

「ドーゾ」

って言いやがった。……もう知らない。

「じゃーね」

ベッドから起き上がり部屋を出ようとすれば、掴まれたスカート。

「……なに」

「そんなに俺に構ってほしい?」

ニヤリと笑うクロに私は罠に引っかかったんだって感じ取る。

「別に。構ってほしくないし」

「ふーん……」

もう一度部屋を出ようとしたけれど、クロは身体をこちらへ向けて胡座をかいたまま私の方へ両手を伸ばしてきた。

「なまえ…おいで?」

……そんな風に言われたら行くしかないじゃん。

我ながら馬鹿だとは思いつつ、素直にクロの足の上へと座る。


「なまえちゃんは甘えんぼだなー」

「うっさいばか」

位置的に私の方がクロより目線が上になる。
頭の後ろに手を回され、頬や瞼やおでこに次々とキスしてくる。

けれどクロは唇にだけしてくれない。
なにこのおあずけみたいな状態…。

「なんだよ」

「べ、別に…」

「してほしかったら、言わねーと分かんねーよ?」

「わかってるじゃん!」

そんなことを言ってもクロには通じないことはもう何回も検証済み。

仕方なく、恥ずかしさを抑えて、

「クロ…キスして?」

と俯き加減で言えば、楽しそうに笑ってクロは唇へ深いキスをくれた。



この悪魔には一生敵う気がしません。




いじわる
(ほんとなまえ可愛い)





あとがき

意地悪クロさんでした。


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