×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




君と嬉しいはんぶんこ




「けぇーんーば、ふぁい」

「なに…」

部活の休憩中。
なまえが俺に手渡してきたのは、パピコの半分。
すでになまえは食べ始めており、口に咥えている。
ちゃんと喋れてないよ。


「なにこれ…くれるの?」

「ん!」

咥えてままにっこり笑った。
お言葉に甘えてもらう。


「暑いねー。夏休みだもんね」

隣に座ったなまえは暑そうにうちわであおいでいる。

「うん、ね…」

世間では夏休みだけど、俺たちには休みはない。毎日毎日部活。

だけど、

「美味しいねっ」

なまえの笑顔が毎日見れるならそれも、まぁ、悪くない…かな。


そんな時こちらに気付いたクロが恨めしそうにやってきた。


「うわ、二人だけいいもん食ってる」

クロが俺のパピコに手を伸ばす。
背を向けて取られないようにした。

「研磨ーくれよ」

「やだよ」

隣でケラケラと笑うなまえ。
すると、背中からアイスが大量に入ったコンビニの袋を取り出す。

「クロが絶対欲しがると思ってみんなの分買ってきたの」

「なまえ…神かよ…」

わらわらと集まってきた皆。暑い…。

全員に配り終えた時に、パピコがなかったことに気がつく。


「なまえ、パピコ最後の一個だったの?」

「え?違うよ?」

ならなんで買ってこなかったのか。
聞こうと思ったけどやめた。

でもなまえは、そんな俺に気付いたのか

「研磨とだけ半分こしようと思って一個しか買ってこなかったの」

そう言って楽しそうに笑った。

「二人だけだよ!」






……なんだか体温が更に暑くなった気がした。





君と嬉しいはんぶんこ
(「はんぶんこするとおいしいね」)





あとがき

季節感丸無視ですみませんww


prev next
back