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「先輩、聞いてくださーい…」


(オリジナルの二年生マネージャーが登場します。姉御肌のしっかり者の先輩です。影山と付き合ってます。)





私の彼氏はモテる。
そりゃ青葉城西にいるという及川くんという人ほどではない。
でも彼女の私が心配になるくらいにはモテる。

「しおりさーん、聞いてくださーい…」

「どしたー?」

私の相談相手である先輩マネージャーのしおりさんに後ろから抱きつけば、よしよし、と頭を撫でてくれる。

「スガさんが相変わらずモテてるんです…今日もなんか女の子から呼び出されたみたいで」

「えっ、スガさん呼び出しに答えちゃったの!?」

「はい……しかもなんか楽しそうに話してて…」

しおりさんは私の両肩をしっかり掴むと前後に揺らしてきた。

「だめだよなまえ!ガツンと言わなきゃあああ」

「だ、だってええええ」

あ、頭がぐわんぐわん揺れる…。




「なにしてんだよしおり…」

そこへやってきたのは田中さん。
私を揺らすしおりさんを訝しげに見る。

「龍、うるさい。なまえがこんなに落ち込んでるのに気付かないの?鈍感男」

しおりさんは近くにあったボールを思いっきり田中さんに向かって投げる。

「八つ当たりだ!!!ひでぇ!分かるわけねーだろ!」

「そんなんだから彼女できないのよ!」

「お前、俺の心えぐってどうする気なんだよ!!!!!のやっさーん!助けて!」


田中さんはわざとらしく泣き真似しながらのやっさんの元へと走っていってしまった。


「私がスガさんに言おうか?」

「でも女の子可愛かったし、私なんかよりスガさんとお似合いで…」

ああああ泣けてきた…。
好きになったのも私だし、アピールしたのも私。
告白はスガさんがしてくれたけど、それでも自信がないのだ。

あんなかっこいい人の隣に並ぶのさえ躊躇ってしまう。


「なまえーー…泣かないで」

「うううう…しおりさん……」

しおりさんは頭を優しく撫でてくれる。
恋愛話にはもっぱら弱い潔子さん。いつも私の恋の悩みはしおりさんに相談している。

「しおりさんは影山と仲良くて羨ましいです…」

しおりさんは一つ年下の影山と付き合っている。
いつも喧嘩したりしつつも、なんだかんだラブラブで仲良くて、たまに羨ましくなってしまう。



「うわ、しおりがなまえ泣かしてる」

「えっえっ…どうしたの?」

そこへやってきたのは大地さんと旭さん。

二人とも私の頭をしおりさんと同じように撫でてくれる。
優しいお兄ちゃんみたい…。


「違いますよ!なまえが色々悩んでて…」

「しおりに相談してるってことは恋愛関係かー」

「ふふ、大地さん鋭いです…」

思わず笑ってしまう。やっぱり大地さんは皆のことよく見てるんだなって実感する。

「大丈夫。あいつはなまえにべた惚れだよ」

「そうそう。こんなとこ見られたら俺らこっぴどく怒られちゃうよ」




「ふーん、旭よくわかってんじゃん」

「スガさん…」

そこに現れたのはスガさん。
大地さんと旭さんの腕を掴んで私の頭から降ろす。

「皆してなまえになにしてんの?」

ドス黒いオーラを振りまくスガさんに、旭さんはゆっくりと後ずさる。


「なまえはスガさんとのことで悩んでるんです!!」

「し、しおりさん……」

その瞬間、スガの目が私に向いた。
泣いて少し赤くなった目を触られた。


「……なまえ、おいで」

腕を掴まれてそのまま私は抵抗する間もなく連れて行かれた。
後ろを見れば三人がニコニコと楽しそうに手を振っていた。


「……で、どうしたの?」

その言葉は優しくて、私が俯いた顔を上げれば少し寂しそうで、少し怒った表情をしていた。

「わた、し……スガさんの…隣にいる自信がなくて。私なんかが付き合ってていいのかなって。きょ、今日も可愛い女の子と話ししてて……私、どうすればいいか分からなくて…」

スガさんは私の頭を優しく撫でた後、抱き締めてくれた。

「俺さ、先輩だからかっこよくしてなきゃって思ってたんたべ?いつも余裕あるフリして、全然余裕なんかなくて。いつもなまえとベタベタしてるしおりにもヤキモチやいてた」

「しおりさん、影山と付き合ってるし女の子だよ…?」

「それでも俺だけのなまえにあんなベタベタされたくない」

初めて聞いたスガさんの本音。
私のことが好きだよ、って伝わる本音。



「スガさん」

「ん?」

「大好き」



少しだけ背伸びして頬にキスすれば、スガさんは驚いたあと照れたように笑った。


「俺も」



スガさん。
これからも隣にいさせてくださいね。








「うまくいったかなー」

「やっぱり大地さん、スガさんがいるって分かっててなまえに優しくしてましたよね」

「ははっ、やっぱりしおりにはバレてたか」

「当たり前です。そもそも私は最初から全部なまえのためにやってたことですから」

「え……俺なんも考えてなかった」

「旭はそうだろうな」

「さーて、私も影山とイチャイチャしてこようかなーっと」

「ほんとしおりは敵に回したくないなぁ」

「えー、なんですかそれ」








「先輩、聞いてくださーい…」
(「しおりさん、ありがとう」)







あとがき

今回のヒロインのなまえちゃんは私の小説では珍しい、皆の妹的存在の少し弱々しいタイプの女の子です。
いやー私もこんな感じの女の子になりたかったですよ!!!!!!!!(願望)


ちなみに。

しおりさんは私の本当の先輩の名前で、お姉ちゃんみたいな存在です。
そして影山推しです。笑

いつも私に構ってくれる大好きなしおりさんに、お礼のつもりで書きました。
いつもみたいに先輩という立場がやっぱりしっくりきます。
きっと毎日なまえちゃんとコイバナしてると思います。


しーちゃん、いつもありがとう!大好き!



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