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私がとってもスキな人




潔子とやっちゃんとお洗濯中。
合宿ではいつもの仕事に加えてこれが増えるから大変だ。

でも三人でお喋りしながらやるのは、ちょっと楽しかったりする。


「やっちゃんの好きな人のタイプはー?」

「えええっ!なまえさんいきなりなんですかぁっ!」

まるで敵に出くわした小動物のように身体をビクッとさせるやっちゃん。

「いや、どんな人が好きなのかなーって。やっぱり日向みたいな?」

「仁花ちゃんと日向はお似合いよね」

潔子も一緒になってやっちゃんをからかう。
反応が面白くてからかいがいのある。

「ひ、日向とはそんなっ!お二人は!?好きなタイプ…とか」

「んー…潔子は?」

「私?うーん…考えたことないけれど、大人な人がいいわね」

うん、納得。
年上の人と付き合いそうだもんね。

「なまえさんは?」

「えっ、そうだなぁ」

好きなタイプ…好きな、人。
思わず“あの人”を思い出して顔が熱くなる。

「ふふ、なまえって本当に顔にでるわよね」

「でてる!?」

「ものすごく」

潔子にからかわれて、ますます熱くなる。
好きな人教えてるから、バレバレだよね…。

やっちゃんは少し楽しそうに、教えてほしそうにこちらへと身体が乗り出してきている。

「んーと、優しくて、頑張り屋さんで、大人っぽいのに実は子どもみたいな人、かな」

「それって……」

「…わかっちゃった?」

やっちゃんは答えが分かったようで、何故かソワソワしながら笑っている。

「内緒ね?」

「はいっ!!!!!」






実はこのコイバナには参加者がこっそりもう一名。

それはーーー

「俺、すごいこと聞いたかもしれない…!!!!」

日向翔陽。
実は洗濯物を出しに来た時に、コイバナが始まってしまい、ついつい隠れて聞いていたのだ。

「でもこれは言っちゃいけないやつだ!黙っておくぞ…」

なんて意気込んだのに……。



「なまえさんの好きな人って誰なんですかねー」

休憩中。
田中と西谷が「潔子さんは女神、なまえさんは天使、やっちゃんは妹キャラ…うちのマネレベルたけーなおい」と話してるのを聞いて、思わずぽろっとそんなことを言った日向。

「は!!??なまえさん好きな人いんの!?」

「え、さっき話してまし…!これ言っちゃいけないやつだ……」

もう誰も聞いているわけがなく、烏野部員は一斉に騒ぎ出していた。

「なんて言ってたんだよ!」

「えええええこれ立ち聞きしたやつですもん…言ったらダメで…」

「大丈夫。黙っててやる」


田中と西谷の迫力と圧迫に負けたのか、日向は小さな声でボソボソと言った。

「………優しくて、頑張ってて、大人なのに実は子どもみたいな人、って」

それを聞いた瞬間、誰だ誰だとお互いを見合う。

「それ、もしうちの中なら当てはまる人少なくねーか……」

と西谷。
その目線の先には三年生である、菅原、澤村、東峰と二年生である縁下。

「え、俺達?」

東峰は驚いて自分を指差す。


「だって大人って時点で日向、影山、月島、山口と、まぁ……俺ら、も外れますよね」

少し不満そうにしながらも自分達も入っていないと言う。

名前が入っている月島や影山は特に興味もなさそうにしている。
ぼーっとしていて、聞いているのかいないのか。


「そしたら残るのはスガさん、大地さん、旭さん、力…くらいですよ」

名前を呼ばれた4人は顔を見合わせて苦笑い。

「どうしたの?」

「っなまえさん!」

「ん?」

そこに洗濯が終わってなまえが体育館へと戻ってきて、話は終わってしまった。






なまえの好きな人は一体誰?





私がとってもスキな人
(内緒の話)







あとがき

ゆずきさんからのリクエストになります。
ありがとうございます!!!

あまりに長くなりそうなので続きものにしました。笑
すぐにAを載せる予定です。



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