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「友、髪はいーさんに結って貰うとしても、そのまま外を歩くとなると汚れちゃうよ」

「大丈夫、大丈夫。多少汚れたって髪の色はくすまないし」



色は変わらなくとも 折角昨日苦労してお風呂にいれて、髪も満遍なく洗ってかーなーり綺麗な髪になったのに!

私の苦労は!!


とはもう言わない。
何だかんだこの数日で慣れてしまった。

本人は髪色深い方(つまり洗わない方)が好きらしい。
でもサラサラのほうがいい、と思う。
友の髪質はふわふわしてて柔らかいっていうなんとも触り心地よろしいもの。



「ほら莉麻ちゃん、抱っこー」

「はいはい、」


よいしょ、と友を持ち上げた。

…友、かなり軽いなー
こうしてみるととてもじゃないが年上にはみえない。

これで大学生並みの年なのだからびっくりだ。




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「玄関に、とうちゃーく!」

まだ音無さんといーちゃんの乗った車がみえない
ちょっと早く降りちゃったかな。



「ふふふ、よくできました! 莉麻ちゃん、ご褒美にいいものあげるね」


「えっ、なになに?」


「ところで莉麻ちゃんはハンターハンターって知ってる?」


「そりゃあまぁ…」


知ってる、どころか愛読書だ。


「えっとね、そこのG.I編の憧れ☆ブックといえばバインダーがでてくる、それを再現しようってちょっと考えて試作品で作ったのがあるの。

バインダーだとあんまり使い道ないからカバンなんだけどね。

さて問題です、この場合掛け声はブックではなくなんでしょう?」


「えっ、」


それって普通に考えていいのかな
だとしたら…


「バッグ、とか?」

まぁそんな安直なはずはないよね…

うん、あはは、ほら、そんなはず…

「ぴんぽーん! ちなみに消すときは『バック』だから気を付けてね!

はいっ」




そんなはずあった。



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「あれ、莉麻ちゃん、髪ゴム変えた?
似合ってるよ」


「ありがとうございます、いーさん。

今日友に貰ったんです。」


そう、この髪ゴムこそがバッグの本体。

何がどういう原理だか分からないが、
とも曰く『設定された声帯の振動数値に一致する音が感知されたなら 手元に、
セーブされた(鞄にいれられた)ものが鞄こみで 空気中の原子、分子から構成されるようにしてみたのー』だとか。

それだけのシステムを兼ね備えて、小型。しかもこの髪ゴム、超絶丈夫。伸縮性ある割に硬いっていう。


科学って、こわい。




「そういえばいーさん、」


「いー兄様でいいよ。ご主人さまでもOK」



「いやそれ難易度上げているだけです。

えっと、もうそろそろ施設手前の、何やら色々記入しなければいけない場所に着きそうです。」



ここで潤さんが愛識と書いてるんだよなぁ…



いよいよサイコロジカルが始まったような気がした。


本当はもっと前、
友が兎吊木さんに知り合ったときといったほうがいいのかもしれないけど。






  






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