Last*Lost
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05


「ジン、あの、えっと……



私に、念を教えてください。」




思い切って言う。と、


「なんだよー、お前やっぱり俺を頼るのかー?」


によによとこちらをみるジン。


むっ、と少ししたけれど。
やはり自分一人でできるものではないのだから。

そう、さっき思い知った。自分の無力さ、




そして今は、頼るべきだ。

「駄目なの? 」

おそるおそるきく。


「誰が駄目だなんていったんだよ!
いいに決まってるだろ? あ、いっとくけど 無茶もさせるつもりだから、覚悟しろよ?」

何故急に私がそう言い出したかはまるまる訊かず、

ただ優しくわしゃわしゃと頭を撫でられ、とても泣きそうになる。


いけないいけない。ここからが本番なのに。泣いてなんか、いられない。



「望むところっ!」



私はそう言って微笑んだ。



久しぶりに満面の笑顔になれたと思う。






******************************************



ジン曰く、


「まずは自分の特性を知って、その分野と他の分野をバランスよく鍛えていくことだな。」


ということなので。 H×H恒例、水見式をすることになった。









こういうのってテンションあがるよね!

凄く楽しみだよね!



用意されたグラスに水、そして葉。



「ま、物は試しだ。一応前とタイプは変わってないと思うんだが、何せ一度閉じた念孔をこじ開けたんだ。
念のタイプが変質しててもおかしくない。ってことで水見式だな。前にやったことあるか?」


ぶんぶんと首を横に振る。


「んーと、じゃ、俺が実際やってみっから。凝はできるよな。じゃ、凝でみてるんだぞ? いいか? こうやってー」


グラスに手をかざすジン。



念が溢れるのがわかる。
そして、



水が増え、あたりにバシャンと零れた。



「こんな感じだぜ。」



「ふぇー、なるほどー」


じゃぁ私も、と グラスに手をかざし

深呼吸をして


念を込める。








…………見た目の変化は何もない。

ということは、私は変質系なのかな?


「変わってるようにはみえないけど…」

水を軽く舐めてみる。



味は………どこまでも水らしい水の味だった。





「どういうことなの?!」


え、念のタイプが分からないじゃないか!



ジンも私に続いて水を舐めて、うううん、と唸った。



「変化がねぇな…もう一回、今度はもっと念を込めてやってみ?」



「うん…」




その後、何回、何回やっても変化はおきなかった。





「うーっ!どうしてぇっ!?」

「おかしいな…横でみてる限り出来てると思うんだけどな……」


ジンが唸る。


「ん? ちょっと待てよ? 変化しないという変化をするってことじゃないか?」


どういうことだよ。

ジンがおかしくなったのかと思ってジト目でみる。



「うっ…なんだよその目は! あ、じゃぁ、ほら。お前もう一回水見式やってみろよ。

今度はーーーーー水を溢れさせるつもりで。」



へ?

それじゃぁ無理して強化系になれというものじゃないか。


いいのかな?



というかできるの?そんなこと。



取り敢えず、水を溢れさせることを意識して手をグラスにかざす。




と。

ドバッと水が溢れた。



「わわわ!できた!ってことは私強化系?」


チッチッチ、と指を振るジン。



「それが違うんだなぁー
ほら、じゃぁ今度は葉を動かしてみろよ。で、次は味を変える。それから葉に亀裂をいれてもいいし、なんならそれ以外の変化をおこしてもいい。」


「えっ…それってつまり、」



「全部だよ。お前、きっと全部のタイプの力が均衡してるんだぜ。」




いうなれば、特質系というよりは『特異系』だ。と、ジンは言った。




  






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