Last*Lost
雨の日は凶日?
それから念を覚えるも何も精孔がひらなかいと話にならないので知識なく、蔵を探しみつけた書物も今ひとつ謎でどうしようもなく途方にくれる日が続いた。
焦っても仕方ないことは知っていたので
取り敢えず瞑想の時間と、朝の滝修行に念仏唱えるのを加えたものを毎日している。
それとタツマさんと組手に、サクタにぃと剣修行
最近また動きに余裕がでてきたから試しにこの前より重りを増やしたら動かすときの遠心力でバランスを崩したり、打撃が強くなってしまったし、見た目からも何か装着していることがわかってしまう。
服にに取り付けることも考えたが、いつも和装に袴。隠す場所は限られる
暫くは従来に腰あたりの重りを増やすかな
そう考え、タツマさんにもらった謎の重い塊を並べた。
重りが欲しいっていったらくれたこれ。親指ほどの大きさで直方体、丈夫で小さいのに重いという、サイズに重さが比例しないもの。加工はできないため、自然と巻くようになった袋に詰め込むことになる。結果複数個詰め込むともったりして不自然さが目立つというわけだ
重りが自分に対してだけ重くならないものか。流石にそういうものは念になるんだろうが…
はぁ、と先の見えぬ念というものにため息をついた
時間が余ったり、気が向いたらハンゾーに会う。今日もそのつもりだったのだ。が、
「…だれ?
俺若ハゲの友達なんていないんだけど」
輝く頭を見つめ、おれは呟いた。
「だから剃ったっつってんだろーが!」
このやりとりをさっきから何度も繰り返しているわけだが…やってる俺もそうだがこいつ、よく飽きないな。さすが口から生まれたといわれるくらい言葉多いやつなだけはある。
というか、こいつが禿げて初めてわかった。
ハンゾーは、ハンゾーだった。
そう、原作にでてくるハゲゾーだったのだ!
眉の感じや顔の濃さはまだ薄い幼ない感じ。でも、ハンゾーだった。
「うわぁあんハンゾーがハゲゾーになっちゃったよぉ」
「おいてめぇっ!
…ったく、俺も一人前に暗部で今度仕事につくことになったんだ!
髪には邪気がこもるから剃るって忍びの習慣な!
危険を引き連れるわけにはいかない仕事なんだよ!
剃ることで俗世とはなれるニュアンスもでるし、自分に厳しくあれるってもんだ!」
「俺、邪気がこもるって髪先だけだってきいたんだけど」
「………まじで?」
「さぁ? よく知らない。」
そのときの俺はハンゾーがはげた(正確には剃った、らしい)ことに意識が向いていて、
あとで起こることに考えなんて及ばなかった。
タツマさんやハンゾーや、その他忍びの人たちは、いつも組手や話し相手になってくれる人だったから。
暗部の存在理由だって考えてみたこともなかった。
雨、か。
梅雨だから雨続きなのは仕方ないのだろう。が、しかし今日の雨はやけに激しく打ち付ける様な雨だ。
こんな日は家出してジャポンに来たときのこと、梅篷(はいとま)に養子いりした日を思い出す。
クロロの好意を蹴ったらしばらくして急に雨が降ったんだったよなー
結構な昔のことなので細部はおぼろげになってる…
そういやハンター原作のことも忘れちゃった部分多いな…完全に忘れ切る前に重要なことだけでもメモとっとかないと
クロロが技を盗むときの4つの条件や、G.Iのホルモンクッキーの効果とか、変なとこは覚えてるから不思議だ
そう思い立った今日が吉日。忘れない程度に、みられても深読みできないような状態で書いておこう。
「…ん?」
ふと窓の外に人影が見えたような気がした
気のせいかと思い目を凝らす。
間違いない、人だ。こんな雨の中ずぶぬれになって佇んでいるなんていつの俺だよと心内つっこみながら、俺は玄関へ向かい雨傘を握った。
「ハンゾー。」
人影の名を呼ぶ。と、その影はびくりと肩を震わせこっちを見た。
「ほら、帰ろうぜ。なんならうち、上がっていくか?」
広げた傘をつきだし、入ってくるように指す
「…と……た…」
「ん?」
「人を、殺した」
苦しそうな目で、ハンゾーが泣き笑った。
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